タネツケバナ

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タネツケバナ
Cardamine flexuosa
Cardamine flexuosa(1988年、ドイツ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
: アブラナ目 Brassicales
: アブラナ科 Brassicaceae
: タネツケバナ属 Cardamine
: タネツケバナ C. scutata
学名
Cardamine scutata
Thunb. (1794)
シノニム

Cardamine flexosa
With. (1796)

和名
種漬花
英名
bitter cress
toothwort
変種

タネツケバナ(種漬花、Cardamine scutata[1])はアブラナ科タネツケバナ属の植物の一種。水田などの水辺に群生する雑草

特徴[編集]

全体に柔らかい越年草、あるいは一年草。高さは10-30cm、の根本と下部に一回羽状複葉をつける。は茎の先端に穂状花序をなし、花弁は白、果実は棒状で上を向く。

水田雑草としてもよく見られる。時に半ば水につかって育っている。日本全土に生育し[2]、特に北半球温帯域に広く分布する。なお、育ちがよいものは小型のクレソンに似て見えることがある。

利用[編集]

七草がゆの際には、春の七草ナズナと間違えられる例もある。果実の形が違うので判別は難しくないが、別にはないし食べられるので間違えても実害はない。アイヌ料理では鮭と相性が良いとしてシペキナ(鮭の草)の名で鮭料理の香辛料にされた[3]。北海道弁では「アイヌ山葵」と呼ばれる[4]

2月3日の誕生花

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList)”. 2012年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年4月26日閲覧。
  2. ^ 久志博信『「山野草の名前」1000がよくわかる図鑑』主婦と生活社、2010年、19ページ、ISBN 978-4-391-13849-8
  3. ^ アイヌ 歴史と民俗 P.91
  4. ^ アイヌワサビ

参考文献[編集]

  • 平野隆久写真 『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、318頁頁。ISBN 4-635-07001-8 
  • 岩瀬徹 『形とくらしの雑草図鑑:見分ける、身近な280種』全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、2007年、41頁頁。ISBN 978-4-88137-135-0 
  • 岩瀬徹ほか 『校庭の雑草』(4版)全国農村教育協会〈野外観察ハンドブック〉、2009年、65頁頁。ISBN 978-4-88137-146-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]