タチシオデ

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タチシオデ
Smilax nipponica 3.JPG
福島県福島市 2013年5月
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: ユリ目 Liliales
: サルトリイバラ科 Smilacaceae
: シオデ属 Smilax
: タチシオデ S. nipponica
学名
Smilax nipponica Miq.[1]
和名
タチシオデ(立牛尾菜)

タチシオデ(立牛尾菜、学名:Smilax nipponica )はサルトリイバラ科(シオデ科とする場合もある。新エングラー体系ではユリ科に分類された。)シオデ属多年草雌雄異種[2][3][4]

特徴[編集]

は草質で、がなく、初め直立するが、成長すれば同属のシオデのようにつる状になって他の植物に寄りかかり、からみつき、高さは1-2mになる。は互生し、葉身は広楕円形または長楕円形で、長さは6-10cmになり、先端は鈍頭で急にとがり、基部は切形または広いくさび形、5-7個の葉脈があり、脈は表面からとび出して鮮明で、ときに脈上に短毛がある。葉の裏面は粉白色を帯び、光沢が無い。葉柄はやや長く、葉柄の基部の2個の托葉は巻ひげになる[2][3][4]

花期は5-6月。葉腋から長い柄のある半球形になる散形花序をだし、黄緑色のをつける。花被片は6個あり、狭長楕円形で長さ約4mmになり、反り返らない。雄花にはやや短い雄蕊が6個ある。雌花には球状になる上位子房があり、花柱は先端が3裂する。果実は球形の液果となり、黒色に熟し、粉白色を帯びる[2][3][4]
葉が展開する前の、山菜として利用する頃の若芽は、先端の穂の形状が「筆」に似る。フデコ(或いはヒデコ)と呼ぶ地方もある。

分布と生育環境[編集]

日本では、本州、四国、九州に分布し、山野に生育する。国外では、朝鮮、中国に分布する[2]

利用[編集]

同属のシオデとともに、山菜として利用される。地中から伸びた若い芽が30cmくらいになったものを採る。味はアスパラガスに似る[5]。しかしながら、あく抜きが不要なほど淡白であるため調理・調味によっては風味が消失することもある。
山菜採りが盛んな地方であっても「ワラビ採り」「タケノコ採り」とは異なり「ヒデコ(本種の地方名)採り」とは言わない。群生することが希で、通常本種を目的として入山することはなく、ワラビ・タラの芽など他の山菜を採る目的で入山した際に「ついで」に見つけて採取されるケースがほとんど。ゆえに希少・貴重な山菜であると考えられている。
採取の際は下部の葉腋を残すとよい。本来の幹を折り取られた後も、成長の段階や条件によっては葉腋から新たな幹が成長し花芽を形成する場合があるためである。

ギャラリー[編集]

下位分類[編集]

  • オオバタチシオデ Smilax nipponica Miq. f. grandifolia H.Hara
  • ホソバタチシオデ Smilax nipponica Miq. f. tenuifolia Hisauti

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ タチシオデ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d 『日本の野生植物 草本I単子葉類』pp.49-50
  3. ^ a b c 『新牧野日本植物圖鑑』p.875
  4. ^ a b c 『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』p.444
  5. ^ 『山菜ガイドブック』pp.46-47

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本I単子葉類』、1982年、平凡社
  • 林弥栄・平野隆久『山溪ハンディ図鑑1 野に咲く花』、1989年、山と溪谷社
  • 山口昭彦『山菜ガイドブック』、2003年、永岡書店
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)