タケニグサ

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タケニグサ
Macleaya cordata 2.jpg
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : モクレン亜綱 Magnoliidae
: ケシ目 Papaverales
: ケシ科 Papaveraceae
: タケニグサ属 Macleaya
: タケニグサ M. cordata
学名
Macleaya cordata (Willd.) R.Br.
和名
タケニグサ(竹似草)
英名
Plume poppy

タケニグサ(竹似草、学名: Macleaya cordata (Willd.) R.Br.)はケシ科多年草で日当たりのよい草原、空地などによく見られる多年生草本である。

タケニグサの全草の特徴[編集]

深波状浅裂波状掌状中裂の合わさった形状の鋸歯(切れ込み)があり,葉身心臓形とも云うハート形基本形で,特に基部心臓形となっている.学名の“Macleaya”は,スコットランド昆虫学者アレクサンダー マクレイ(Alexander Macleay)”の氏名を記念して名付けられたものと,葉の形状で,葉全体の形がハート形で,特に基部の葉柄の着く部分が心形になっている事が現わされて“M,cordata”コルダータが,ラテン語でハート形を意味している.その葉の鋸歯の形はの葉に似ているが,菊は同じ大きさの葉が,基部から上部迄着生するが,本種は下部に着生している葉程大きく育ち葉身は400mm,葉柄は300~400mm位の長さになり,茎への着き方は互生している.葉の表面の葉脈と,の裏面,葉柄帯青白色を呈する.普通の株の葉の裏には細毛が密生している.夏の開花時期には草丈が1500~2000mm以上に達する。初夏に茎の頭頂部花芽を抱き始め,は夏に開花を始める,花弁がなく,白色のは2枚、開花時に脱落をする.雄蘂は多数で長さ15mm位白緑色の糸状であり,は5mm位で褐色.花粉を生ずる.雌蘂は白色で基部が桃色を帯びて長さ10mm位,頭頂部に二つに分かれる柱頭がある.無限円錐花序をつくる。果実は最初山吹色で5~10mmだが,熟すにつれ白緑色へ,長さ20mm程になり扁平。植物体の先端頭頂部の生長点意外にも,上部の葉柄の付け根からは,枝が伸びて行き,そこへも花芽が着く.葉柄等植物体を傷付けると,橙黄色の乳汁が出て来るが,有毒物質のプロトピン等のアルカロイド(※下記参照)を含む。中空である茎の表面は平滑であるが,普通は葉の裏には細毛が密生している.(根茎とも云われる)は橙色で,年を重ねるほど太く,根を切断すると樹木の年輪の様な,鮮紅色の輪が出来ている.越年後新芽は年を重ねた株程,寄り太い茎を持ち60mm位の株もある.元々ケシ科の植物であるので,種子も微細であり所謂罌粟粒である為に,実生の新芽は非常に小さく,双葉(子葉)はそれぞれ2~3mmの楕円形.最初に出て来る本葉には,葉柄はあるが鋸歯がなく全縁である物が多い.個体差で1枚目の本葉にも浅裂を呈している個体も存在している.育つにつれ葉身の浅裂の切れ込みが多く入って来る.深裂は6裂片位で,始めはただ凹むだけであるが,生育を続ける程に,段々と細かな切れ込み深裂と浅裂の混状を呈する様になって行く.この初年時の茎の径は,生育して高さが2000mm位になっても,直径15mm位迄である.多年生草本であるので,晩秋には地上部は枯死するが,地中の根は 生存していて,春季になり気温が上がりだすと,前年に枯死した茎の脇から,既に種子からは発芽して双葉は出し終わっている為に,本葉の芽を出してくる.越年の根から出る新芽の葉は,切れ込み状に鋸歯が4中裂と4浅裂の混状があり裂辺の各先端部には細かく丸みを帯びた鋸歯がある葉を出し,その葉が育つと大型化して,普通に見られる様な菊の葉状になる.近い種類にケナシチャンパギクと呼ばれる,葉の裏に毛の無い株がある.

タケニグサの和名と別名について[編集]

  • 竹似草の語源には茎が中空で竹に似るからというものと,秋の落葉後に果実だけが残っている姿が,竹の容姿に似ていると云う事のほかに,音が同じであるが違う文字の同音異字がある.
  • 実際は其の様な事は無いのであるが,細工をする前にこのタケニグサと一緒に竹を煮ると,竹が柔らかくなって竹細工の加工がしやすくなるから竹煮草と云うとの俗説もある[1]。しかし,竹とタケニグサを一緒に煮沸しても,全然竹は柔らかくはならない.但し,竹の着色料として使用する場面は,一緒に煮沸する事もあるが奨めることは出来ないと細工師は言っている.
  • 別名はチャンパギクという.それはに似ている形状の葉で,巨大に育つので,チャンパ(南ベトナム)付近からやって来た菊の帰化植物と思われた為の様だが、実際には日本および東アジア一帯が原産地の在来種で,葉の形状は菊に似ているかもしれないが,花の構造は小さいのであるが雌蘂の柱頭が,受粉成熟後に小さいが芥子坊主に成る.熟した果実からは細かく小さい種子が出て来る.芥子粒である.蕾の時迄には花をがくが被っているが,開花と同時に剥がれて落ちて仕舞う.であるので菊ではなく芥子の仲間である。
  • 葉の裏には普通は細毛が密生しているが,葉の裏に細毛が全く無い無毛の株が存在している.一見同形である為,葉の裏を観察しないと見付けられないが,其の株はケナシチャンパギクと云う和名である.約40%位の確率で見付かった地区があると云う.
  • 傷を付けると,傷口から出て来る乳汁が,橙黄色をしていて,この草を折って茎から出て来る橙黄色の乳汁を使って,落書きをするので,インキ草とも云われる.しかし,この乳汁に有毒物質を含んでいるので,素手でやたらに触れる事は避けた方が良い.
  • 秋に果実が熟すと種子が大量に入っているのであるが,風で揺れるとカサカサと音が出るので,誰かがひそひそ話をしている様に聴こえるので,囁き草と云う.
  • 全草に含まれている乳汁の中に,有毒物質を含んでいる事から,殺虫剤殺菌剤として使われていたので,狼草とも云う.

タケニグサの利用[編集]

  • 害虫駆除に使用されていた.葉,葉柄,茎を煎じ殺虫剤として作物に散布をしていた.他に,水洗では無い頃の,昔のトイレでは繁殖するので,糞尿落とし瓶の中へ,生の茎や葉等を入れて,ウジ虫を駆除していた.殺菌剤としての利用で,タムシ等の皮膚病外用薬に生の塗布していた.一部地域迷信で,この草の橙黄色の汁を(ふくらはぎとアキレス腱の部分)に塗布すると,運動会での徒競走で,早く走る事が出来る様になると言って,実際に塗布をしていた.本来は危険である為,病変部以外塗布する事は止めるべきである.
  • 竹煮草の意味は,竹細工時に一緒茹でると柔らかくなると言うのは迷信で,一緒に煮沸しても柔らかくはならない.しかし,実際にも竹の煮沸に入れる場合,新しい青竹を竹細工に使う時に,十分に干して乾燥させている竹の色に似せる為に,タケニグサの乳汁の橙黄色の色素を利用して,新しい青竹を枯らした茶色に変える為に,カットをした竹のパーツと一緒にタケニグサを入れて煮沸をして,竹細工に使う竹のパーツを,乾燥している茶色に変える為に利用をする事もあるのだと云うが,この場合は,細工物を造る際に新しい竹を古い物に見せ掛ける様に,使用していると云う.時間が経つと変形をする事もあるので,積極的に利用を薦める事は避けた方が良いと,竹細工師が云う事がある.天然着色料として使用されていた.所謂青竹の色から古い物の様に,色を変える為に一緒に煮沸をしたと云う.草木染め原料とされていたのである.
  • 所謂,汁の成分(色素も含む)の利用以外の,物としての使用は,中空の茎を繋ぎ合わせホースの様に使用したと云う.飲料水を引く為には,乳汁は毒性が強い為,汁が抜けていている,よく枯れた古い茎を十分に洗浄してから使用されていた.自生をしていない海外では,栽培をして植栽も行っているが,其の場合も,よく枯れた十分に乾燥をしている茎の利用で,楽器を製作していたが,これも液汁は毒性が強い為,生の新鮮な物は決して使わないようにと,注意をしていて,収穫をして直ぐに使いたがる子供等が,口を付けないようにしなければならない.但し,成分的に味は苦くまずい筈であるので,自殺をする為等でない限り,口に出来ない味だと云われる.よく枯れて乾いている茎を,洗浄してから使用する様に,注意をされていたと云う.吹き矢等.これも乳汁が残る新鮮な物は強毒性である為,新鮮な,汁のんだり垂れている様な物は,吹くのにロを付けて使用しない様に,注意をされていたと云う.

タケニグサの毒性成分(アルカロイド)[編集]

植物体付けると沸出する,橙黄色の乳汁の中にはアルカロイドの一種プロトピン(protopine),ホモケリドニン(homochelidonine),サンギナリン(sanguinarine),ボッコニン(bocconine),ボッコノリン(bocconoline),ケレリスリン英語版(あるいはケレリトリン,chelerythrine)塩[2]、α-allocryptopineなどを含み有毒.民間療法で皮膚病や虫さされに使われたが,逆にかぶれることも多く危険である.なお,サンギナリン,プロトピン,ケレリスリンは同じ様に,黄色の乳汁を含むケシ科植物であるクサノオウ(草の黄)にも含まれていて,外用薬や一部内服薬にも用いるとされるが,タケニグサと同一物質であるので,同じく有毒である[2]

タケニグサ(またはケナシチャンパギク)の園芸品種[編集]

欧米では観賞用にイングリッシュガーデン等へ,タケニグサ(及びケナシチャンパギク)を植栽をしている.日本では野生植物であるので雑草として嫌われる傾向があるが,欧米では大型庭園用園芸植物として好まれ,品種改良をもされており,花色を変えた種が作出されている.花壇への植栽に能っては,この種(白色花の在来種)だけで栽培される(英名: plume poppy;プルーム ポピー)場合と,花色が桃色の園芸品種が,作出されておりマクリアヤ ミクロカルパ(Macleaya microcarpa;現地ではフラミンゴ マクリアヤ ミクロカルパ(Flamingo Macleaya microcarpa,M,c,Kewensis.)と呼ばれている.(※現在,この桃色花の竹似草には,和名は付けられて居ないのであるが,名付けられて居る場合には,桃色花竹似草やモモイロチャンパギクとなっているか?))と云う,花の色を桃色へ変化させた品種との混植の場合とがある.若しくは,園芸品種であるマクリアヤ ミクロカルパだけを植栽している場合もある.桃色花の園芸品種の写真映像は,当(英文サイト)サイトのMacleaya microcarpaのページに,ドイツのベルリン植物園に植栽の株の写真が掲載されている.他のサイトや,書籍では欧米の園芸植物図鑑にも掲載されている.花色意外の特徴は在来種Macleaya cordata(Willd.)R.Br.タケニグサチャンパギクの株と,全く同じ性質容姿をしている.日本にも生育しているもう一種のケナシチャンパギクにも,桃色花が造り出されているのかは,現在の処では不明である.大型雑草として,日本では嫌われる事が多い植物であるが,イングリッシュガーデンを造っている人等,日本でも植栽をしている人も居る.但し,日本には園芸品種のマクリアヤミクロカルパ(フラミンゴ)は,持ち込まれては無い.(※持って来て仕舞うと,日本では元々の原産地である為,繁殖力の強いこのタケニグサ属の植物は,園芸品種であろうとも,野生化をし増殖して仕舞い,繁殖地が広まり,特定外来生物に指定されて仕舞う恐れがある.)

参考文献[編集]

  1. ^ 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0 p.351
  2. ^ a b 三橋博 監修『原色牧野和漢薬草大圖鑑』北隆館,1998年.
    • The Gardening Frower's.The Great 1986

外部リンク[編集]