タイムツイスト 歴史のかたすみで…

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タイムツイスト 歴史のかたすみで…
ジャンル コマンド選択式アドベンチャー
対応機種 ディスクシステム
開発元 任天堂情報開発本部
パックスソフトニカ
発売元 任天堂
プロデューサー 菱田達也
ディレクター 照井啓司
シナリオ 照井啓司
プログラマー 橋下友茂
荒木泰介
安間基夫
音楽 平澤創
美術 高橋英子
前岩克知
梅原隆弘
人数 1人
メディア ディスクカード両面
発売日 パッケージ版:
日本 199107261991年7月26日
ディスク書き換え:
日本 199108091991年8月9日
その他 型式:FMC-TT1/TT2
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タイムツイスト 歴史のかたすみで…』(タイムツイスト れきしのかたすみで)は、パックスソフトニカ任天堂情報開発本部ファミリーコンピュータ ディスクシステム専用のゲームソフトとして共同開発し、1991年に任天堂が日本で発売したアドベンチャーゲームである。前編と後編に分けられ、パッケージ版はいずれも1991年7月26日に発売された。日本国外では未発売。

概要[編集]

ファミリーコンピュータの後継機スーパーファミコンがすでに発売された時期に、新作ソフト数の減少したディスクシステム用ソフトとして供給された。この後に発売されたディスクシステム用ソフトは全てディスクライターによる書き換え販売のみとなったため、本作は全てのディスクシステム用ソフトおよび任天堂発売のディスクシステム用ソフトで最後にパッケージ販売がされたソフトとなった。ディスクライターの店頭撤去後、書き換え販売は任天堂営業所により継続されたが、本作は書き換えサービス全面終了の2003年9月より前[いつから?]に販売が打ち切られた[1]

広報活動は雑誌広告や店頭配布のチラシに留められ、これらの広告では『ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島』『ふぁみこんむかし話 遊遊記』のスタッフによる新作アドベンチャーゲームとして紹介された。前作『遊遊記』において原作・脚本を手がけた照井啓司は、本作では脚本と監督を兼任した[2]

ゲーム内容[編集]

主人公の少年の行動を画面に複数表示される命令文から選択し、物語を進めるコマンド選択式のアドベンチャーゲームである。物語中において少年は「おれ」と自称するが名前は一切明らかにせず、他のアドベンチャーゲームやコンピュータRPGに見られる名前入力の機会は与えられない。少年はある出来事をきっかけに肉体と精神を分離させられ、他の人間や動物に乗り移り行動する能力を得る。彼は自分の体を取り戻すため、タイムスリップした先々で悪事を働く悪魔やその手先となった人間たちの企みを他人や動物の姿、さらには精神体のままで阻止・解決へ導く。

物語の題材は実際の歴史とされた。本筋では舞台となる各時代ごとに宗教戦争人種差別にまつわる話を絡ませシリアスに展開されるが、部分的には皮肉を交える、笑いを狙うなどの演出もされた。ゲーム中にはロジックパズル数学パズル、歴史に関するクイズなどのミニゲームが挿入され、これらを解かないと物語を進めることはできない。このような傾向から対象となる年齢はやや高めとなるが、ゲームオーバーはない。コマンド選択に失敗した場合は正しいコマンドを選択するまで話が進まないか、少し前のシーンに戻されやり直しとなるだけである。

ゲーム内の文章は外国の人物名や地名、外来語などもすべて平仮名とアラビア数字で表記され、片仮名と漢字はタイトル画面のロゴとスタッフロールのみでしか使用されていない。コマンドの選択後、その結果を表す文章はすべて少年の一人称で語られる。コマンドには前2作の特徴であった「ひとかえる」はないが、画面内に表示された主人公を十字キーで直接操作し移動させる「あるく」が新たに追加された。

設定[編集]

このゲームの物語は実際の歴史を主題とするが、史実を厳密に考証・再現したものではなく、タイムトラベルによるSF要素、悪魔の登場などのファンタジー要素と共に、ストーリーに基づいてアレンジが加えられている。

序盤のあらすじ[編集]

人々の間で世紀末への不安が高まる1995年9月25日東京。主人公の少年は双方向テレビの占いサービスで見た「郊外の博物館で異性との出会いのチャンスあり」との予言を確かめるため「悪魔博物館」へやって来た。占いの通り、博物館の中で同じくらいの年頃の少女に出会う。

お互いによい雰囲気となり、自己紹介を始めようとしたところで突如地震が発生する。思わず抱き合う2人だが地震は一向に収まらない。そこで動揺した少年は占いで知った「異性を射止める言葉」を厄払いのおまじないとして叫ぶ。しかしこの言葉は悪魔を解放するための呪文だった。実は博物館の展示品「魔封じの壺」に封じ込められていた悪魔が占い番組のテレビ電波をテレパシーで乗っ取り、少年にこの呪文を唱えさせようと仕組んでいたのだ。

壺から解放された悪魔は少年の若い肉体を奪い、さらにマスコミの取材から逃れて博物館の近所に建つ別荘に隠隠居していた物理学者のシモンからは彼がひそかに開発していた携帯型タイムマシン・「タイムベルト」を奪った。体を強引に交換させられ朽ちた悪魔の姿となった少年は自分の体を取り戻すため後を追うが、悪魔とともに過去の世界へタイムスリップしてしまう。

物語の舞台と登場人物[編集]

以下の年代、人物、時代背景等はすべてゲーム内での設定となる。物語中においてジャンヌ・ダルクアレクサンダー大王リンカーンイエス・キリストは神から世の混乱を鎮める使命を授けられた「神の子」とされた。

ディスク 時代
(西暦)
国・場所 時代背景と出来事 物語に登場する歴史上の人物 物語の重要アイテム
前編 1995年 日本東京 世紀末への不安から占いが大流行 (なし) 悪魔の肖像画
1428年 フランス城下町 教会の主導で異端者に対する魔女狩りが行われる ジャンヌ・ダルク サバトの箱
1944年 ドイツ南部・捕虜収容所 第二次世界大戦ナチス・ドイツのヨーロッパ侵略とユダヤ人迫害 ヒトラー ジプシーの守り札
後編 紀元前4世紀ごろ 古代ギリシアアテネ マケドニア王国の勢力拡大 幼年期のアレクサンダー大王アリストテレス いましめの鈴
1864年 アメリカ合衆国アトランタの綿花農場 南北戦争奴隷解放宣言 リンカーン 悪魔の手
紀元前4年ごろ イスラエルナザレベツレヘム 受胎告知キリストの降誕マギの礼拝 マリアヨセフイエス・キリスト 魔封じの壷
1995年 日本東京 核戦争により崩壊した世界 (なし) 悪魔の肖像画

展示品と肖像画[編集]

舞台となる各時代には物語に強く関わる重要なアイテムが登場し、物語の進行とともにその謎が明らかにされる。悪魔の肖像画を除く5つの品々は悪魔博物館の館主により買い集められ、1995年の世界では博物館の展示品とされた。

悪魔の肖像画
悪魔博物館の館主が世界各地の伝承を元に描いた悪魔の絵。未完のため悪魔博物館には展示されておらず、館主が自宅に飾っている。しかしそこに描かれた悪魔の姿は主人公の少年そのものだった。
サバトの箱
不気味な装飾の施された重重しい箱。悪魔と契約を交わした司教がその契約書を隠した。
ジプシーの守り札
ペンダント状の古いお守り。星をかたどった金属製のプレートに魔除けの呪文が刻まれている。アメリカ軍人のクーガーが捕虜仲間から譲り受けた。
いましめの鈴
持ち手の付いた小さなハンドベル。悪魔を退ける聖なる音色を放ち、ファラオが魔除けに使ったと伝えられる。アテネの医者ニクラスがスパルタの兵士から治療の礼として受け取った。
悪魔の手
醜く鋭い爪を持つ悪魔の手をかたどった像。悪魔崇拝者らが信仰の対象とし祀った。
魔封じの壺
美しい装飾が施された水滴形の壺。生まれたばかりのイエスの元を訪れた東方の三博士がイエスへの贈り物とした。成人したイエスは悪魔をこの壺へ封じ込めた。

スタッフ[編集]

  • 脚本:照井啓司
  • デザイン:高橋英子、前岩克知、梅原隆弘
  • プログラム:橋下友茂、荒木泰介、安間基夫
  • 音楽:平澤創
  • 制作:菱田達也
  • 監督:照井啓司

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通25/40点[3]
ファミリーコンピュータMagazine23.5/30点[4]
  • ゲーム誌「ファミコン通信」の「クロスレビュー」では6・6・7・6の合計25点(満40点)となっている[3]
  • ゲーム誌「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投稿による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、合計23.5点(満30点)の評価が与えられ、6つの各要素はいずれも3.8点以上の評価を得た。最も点の高い要素はお買い得度の4.3点だった[4]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.8 3.8 4.3 3.8 4.0 3.8 23.5
  • お笑いコンビ爆笑問題太田光は「あまり知られていない面白かったゲーム」として本作を挙げており、「ディスクシステムの『タイムツイスト』っていうアドベンチャーなんですけど、これは面白かったですよ。主人公がタイムスリップして過去に行くと、必ず歴史上の有名な人物になるんですよ。たとえばジャンヌ・ダルクになったりして、そこで事件を解決すると、別の時代に行って今度はリンカーンになったりするという・・・全然期待してなかったんですけど、これは遊べましたね」と評価している[5]

関連作品[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 「フォーエバー DISK SYSTEM」『ユーゲー』No.09、キルタイムコミュニケーション、2003年。
  2. ^ ゲーム内のエンディングスタッフロールに記載。
  3. ^ a b タイムツイスト 歴史のかたすみで…前編/後編 [ファミコン]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年4月26日閲覧。
  4. ^ a b 金田一技彦 『超絶大技林 '96年秋版』 ISBN 4198200122徳間書店インターメディア<トクマインターメディアブック>、1996年。ディスクシステム用ソフトは書き換え販売が存在したためお買い得度が省略されたが、本作の項目には例外として掲載されている。
  5. ^ 「CURIOUS CONUNDRUM 2 爆笑問題」『仰天B級ゲームの逆襲』 二見書房、1998年11月25日、87 - 98頁。ISBN 9784576981727

参考文献[編集]