タイマツバナ
| タイマツバナ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1. 花をつけた株 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Monarda didyma L. (1753)[3][4][5] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| タイマツバナ[3][6]、ベルガモット[6][7]、ビーバーム[6][8]、モナルダ[8]、モナルダ・ディディマ[6][9] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Oswego tea[10], bergamot[10], bee balm[10], crimson bee balm[10], fragrant balm[10], monard[10], mountain mint[10], scarlet bee balm[10] |
タイマツバナ(松明花[11]、英語: Oswego tea、学名: Monarda didyma)は、シソ科ヤグルマハッカ属に分類される多年草の1種である。種小名の didyma は、ラテン語で「対の」を意味し、2本の長い雄蕊があることに由来する[12]。ベルガモット[注 1]やビーバーム、モナルダともよばれる(これらの名はヤグルマハッカ属の総称としても用いられる)。高さ70–150 cmになり、鋸歯がある葉が対生する。花期は夏、真紅で二唇形の花が茎頂に集まって咲く(図1)。観賞用に栽培される。ハーブティーや料理に利用され、民間薬ともされる。原産地は北アメリカ。
特徴
[編集]多年草であり、高さ70–150 cmになり、しばしば分枝する[5][4][10]。茎の横断面は四角形、節や頂部の稜に沿って長軟毛があるが、後に無毛となる[5][10](図2a)。葉は対生し、葉柄は長さ1–4 cm、葉身は三角状卵形から卵状披針形、7–15 × 2.5–6 cm、基部は円形から広鋭形、葉縁には不揃いな鋸歯があり、先端は鋭尖形、薄く紙質、表面には長軟毛があるか無毛、裏面にはまばらに長軟毛があり、窪んだ腺点が存在する[5][4][10](図2)。葉が芳香をもち、この香りがミカン科のベルガモット(ベルガモットオレンジ)の香りに似ているため、この植物もベルガモット(bergamot)とよばれる[10][12]。葉の精油成分としてはチモールが多く (52–57%)、p-シメン (10–11%)、γ-テルピネン (9–14%)、δ-3-カレン (4–6%)、カンフェン (4%)、ミルセン (4%) などを含む[10]。
自生地での花期は7–9月[5]。輪散花序が集まって直径2–4 cm(花冠を除く)の頭状花序を頂生する[5][4](図1, 2a, b, 3)。苞には短い柄があり、葉状、縁は全縁、ふつう赤色、萼より長い[5][10](図3a)。小苞は線状錐形で、約10 × 1.5 mm、先端が長く尾状に伸び、微軟毛があり、赤色[5][10]。花柄は約1 mm、微軟毛がある[5][10]。萼はほぼ放射相称、わずかに湾曲し、長さ10–14 mm、乾燥すると紫赤色を呈し、脈上に短毛があり、喉部にまばらに剛毛があり、萼裂片は等長、錐状三角形、長さ1–2 mm、先端は針状に伸びる[5][4][10](図3b)。花冠は真紅色から濃赤紫色、長さ3–4.5 cm、微軟毛があり、二唇形、上唇は直立し、長さは筒部の約半分、わずかに外側に反り返り、縁は全縁、下唇は開出し、中央裂片は側裂片より狭く、先端が凹む[5][4][10](図1, 3)。雄蕊は2個、花冠上唇に沿って湾曲している[4][10](図3a, b)。雌蕊は1個、長く突出し、柱頭は不等2裂する[10](図3a, c)。分果は平滑[10]。花は香りを欠き、ハチやチョウも訪花するが、基本的に鳥媒花[5][12](図3c)。染色体数は2n = 32, 36[5][10]。Monarda clinopodiaと交雑する[5]。
分布と生育環境
[編集]北米東部のオンタリオ州、メイン州からアラバマ州にかけて分布している[5][4]。中部ヨーロッパやロシアにも帰化している[4]。湿った森林や低木林、河畔に生育する[5][12]。
人間との関わり
[編集]タイマツバナは、観賞用に広く栽培されている[9]。非情に強健で管理は容易[7]。肥沃で日当たりや水はけがよい場所を好み、耐寒性や耐暑性は強い[7][9][12]。半日陰でも生育可能であり、夏の強い西日は避ける[6][12]。乾いたら水をたっぷり与える[7]。挿し木や種子によってふやす[7]。高くなるため、剪定で成長を抑える[7]。うどんこ病の害が起こりやすく、またさび病に罹ることもある[12]。シカやウサギは本種を避ける傾向がある[12]。開花期間が比較的長いため、養蜂家の蜜源植物として利用される[13]。
さまざまな栽培品種が作出されており、例として以下のようなものがある。
- Monarda didyma 'Balbalmose'[14] – 小型であり、花は濃いピンク色。
- Monarda didyma 'Pardon My Lavender'[15] – 小型であり、花は赤紫色、うどんこ病耐性がある。
- Monarda didyma 'Pardon My Purple'[16] – 小型であり、花は赤紫色、うどんこ病耐性がある。Monarda didyma ‘Grand Parade’(種子親)と Monarda didyma ‘Grand Marshall’(花粉親)の交雑に由来する。
- Monarda didyma 'Pardon My Rose'[17] – 小型であり、花は濃いピンク色、病害に強い。
レモンに似た香りがあり、微かな辛味と苦味もある[8]。葉や花はハーブティーに用いられる[10][12]。英名の "Oswego tea" は、オスウィーゴ (Oswego) 付近にいたアメリア先住民が、ハーブティーとしてこの植物を使うことをヨーロッパからの入植者に教えたことに由来する[10]。アメリカ独立戦争前後にイギリスとの関係が悪化して茶が不足した際に、この植物は茶の代用品として重宝された[18]。また、サラダやデザート、詰め物料理、リキュールに利用されることがある[10][12][6]。リンゴやクランベリーとともに、ソースに使われることもある[10]。青酸を微量に含むため、多量の摂取は避けるべきとされる[8][19]。ポプリにも利用される[6]。
タイマツバナは、生薬として利用されることがある[10]。駆虫、駆風、利尿、去痰、解熱などに有用とされ、特に消化不良に対する民間薬とされる[10]。葉は花期前に、または花期に花とともに採取され、生葉または乾燥したものが利用される[10]。葉から抽出した精油は、リウマチなどの対して用いられる[10]。また、蜂に刺された際に痛みを抑えるためにこの精油を用いたとされ、"bee balm" の名はこれに由来する[10][12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- 1 2 3 米倉浩司 (2019). 新維管束植物分類表. 北隆館. p. 226–230. ISBN 978-4-8326-1008-8
- ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Monarda didyma L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2015年5月5日閲覧。
- 1 2 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Monarda didyma L.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2026年8月1日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 “Monarda didyma L.”. Plants of the World Online. Royal Botanical Gardens Kew. 2026年8月1日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 WFO (2026年). “Monarda didyma L.”. World Flora Online. 2026年8月1日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 松井孝 (2018). “モナルダ”. 育てておいしい、楽しいはじめてのハーブ. 主婦の友社. p. 116. ISBN 9784074319930
- 1 2 3 4 5 6 岩槻秀明 (2007). “ベルガモット”. 身近にあるハーブがよーくわかる本. 秀和システム. p. 225. ISBN 9784798016931
- 1 2 3 4 林真一郎 (2021). “モナルダ”. アロマ&ハーブ大事典. 新星出版社. p. 183
- 1 2 3 “モナルダ”. みんなの趣味の園芸. NHK出版. 2026年8月1日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 Ravindran, P. N. (2016). “Bee Balm (Bergamot, Oswego tea) Monarda didyma”. The Encyclopedia of Spices and Herbs: An Essential Guide to the Flavors of the World. CABI. pp. 90–91. ISBN 9781780643151
- ↑ 神田敬二「タイマツバナ」『日本大百科全書(ニッポニカ)』小学館。コトバンクより2025年11月14日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 “Monarda didyma”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。
- ↑ 武政三男 『スパイス&ハーブ辞典』、文園社、1997年、pp159-160
- ↑ “Monarda didyma 'Balbalmose'”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。
- ↑ “Monarda didyma 'Pardon My Lavender'”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。
- ↑ “Monarda didyma 'Pardon My Purple'”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。
- ↑ “Monarda didyma 'Pardon My Rose'”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。
- ↑ バーバラ・サンティッチ、ジェフ・ブライアント監修 山本紀夫監訳『世界の食用植物文化図鑑』、柊風社、2010年、p319
- ↑ 伊藤慎吾、シャンカール・ノグチ監修『世界で使われる256種:ハーブ&スパイス事典』、誠文堂新光社、2013年、p133
外部リンク
[編集]- “タイマツバナ 松明花”. 三河の植物観察. 2026年8月1日閲覧。
- “Monarda didyma”. Missouri Botanical Garden. 2026年8月1日閲覧。