タイポグリセミア

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タイポグリセミア(Typoglycemia)は、文章中のいくつかの単語で最初と最後の文字以外の順番が入れ替わっても正しく読めてしまう現象である[1]。この現象は、狭義には2003年9月にインターネット上に出回った都市伝説/インターネット・ミームであり、ケンブリッジ大学でこのような研究が行われたことはない[2]誤植を意味する"typographical error"のtypoと低血糖症を意味する"Hypoglycemi"という言葉のかばん語である。

2003年9月に投稿されたこのような文章の例は、次のようなものである。

Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn't mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. The rset can be a toatl mses and you can sitll raed it wouthit porbelm. Tihs is bcuseae the huamn mnid deos not raed ervey lteter by istlef, but the wrod as a wlohe.
Matt Davis, MRC Cognition and Brain Sciences、"Reading jumbled texts"

これらの電子メールは、1999年[3]ノッティンガム大学のグラハム・ローリンソンがニュー・サイエンティスト誌に投稿し、1976年の博士論文のテーマを論じたレター[4]か、単語内の内側と外側の文字の相対的な影響を研究したトーマス・R・ジョーダンのグループの研究[5]に着想を得たものと見られ、ケンブリッジ大学認知脳科学研究ユニット研究員のマット・デイヴィスは実際にこのメールの文面を科学的に検証してその由来である可能性を指摘し、このミームには真実である要素と専門家からすれば不正確であるとわかる部分があると述べている[2]

中尾清月堂コペル英会話教室がタイポグリセミアを使った広告を出した事がある[6][1][7]。 屋外広告など広告制作を手がける太陽巧芸社も秋葉原駅前交差点の消火栓の看板に付随した看板広告としてタイポグリセミアを利用した広告を行い、複数のメディアで話題となった[8][9][7][10]

出典[編集]

  1. ^ a b 荒俣蓮, 三上拓哉, 藤木淳「単語の構成文字に対する人間の認知特性に着目したアナログゲームデザイン」『エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集』第2019号、2019年9月、 60-63頁、 NAID 170000180336
  2. ^ a b Davis, Matt (2012年). “Aoccdrnig to a rscheearch at Cmabrigde Uinervtisy, it deosn't mttaer in waht oredr the ltteers in a wrod are, the olny iprmoetnt tihng is taht the frist and lsat ltteer be at the rghit pclae. [...]”. MRC: Cognition and Brain Sciences Unit. Cognition and Brain Sciences Unit, Cambridge University. 2016年7月4日閲覧。
  3. ^ Rawlinson, Graham (29 May 1999). “Reibadailty”. New Scientist (2188). https://www.newscientist.com/letter/mg16221887-600-reibadailty/ 2016年7月4日閲覧。. 
  4. ^ Rawlinson, G.E. (1976). The Significance of Letter Position in Word Recognition (Ph.D.). Psychology Department, University of Nottingham, Nottingham UK(unpublished).(Cited in Davis 2012)
  5. ^ Massaro, Dominic; Jesse, Alexandra (17 March 2005), “The Magic of Reading: Too Many Influences for Quick and Easy Explanations”, in Trabasso, Thomas R.; Sabatini, John P.; Massaro, Dominic W. et al., From Orthography to Pedagogy: Essays in Honor of Richard L. Venezky, p. 42, ISBN 978-0805850895 
  6. ^ mojiru (1533308400). “中尾清月堂がタイポグリセミア現象を使用した広告で話題” (日本語). mojiru【もじをもじる】. 2021年10月22日閲覧。
  7. ^ a b 「なにしから はけっんが あるでものす」 間違っているのに読める!広告が反響「日本語すごい」” (日本語). J-CAST ニュース (2021年10月19日). 2021年10月22日閲覧。
  8. ^ 真平, 若松. “「みさなん、おつれまかでさす」 変なのにちゃんと読める看板が話題” (日本語). withnews.jp. 2021年10月22日閲覧。
  9. ^ 本当は“変”なのにちゃんと読める?秋葉原にある「不思議な看板」”. FNNプライムオンライン. 2021年10月22日閲覧。
  10. ^ 日本テレビ. “微妙に間違えてる看板 そのメッセージは?|日テレNEWS24” (日本語). 日テレNEWS24. 2021年10月22日閲覧。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]