タイダル (アルバム)

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タイダル
フィオナ・アップルスタジオ・アルバム
リリース
録音 カリフォルニア州ロサンゼルス ソニー・ミュージック・スタジオ、オーシャン・ウェイ・レコーダーズ、4thストリート・レコーディング
ジャンル オルタナティヴ・ロックバロック・ポップ
時間
レーベル Clean Slate / Work
プロデュース アンドリュー・スレイター
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 15位(アメリカ[1]
  • 21位(フランス[2]
  • 22位(ニュージーランド[3]
  • 43位(オーストラリア[4]
  • 48位(ベルギー・ワロン地域[5]
  • フィオナ・アップル アルバム 年表
    タイダル
    (1996年)
    真実
    (1999年)
    テンプレートを表示

    タイダル[6]』(Tidal)は、アメリカ合衆国シンガーソングライターフィオナ・アップル1996年に発表した初のスタジオ・アルバム

    背景[編集]

    アップルの所属レーベルであるクリーン・スレイトのオーナー、アンドリュー・スレイターがプロデュースした。スレイターはアップルのデモ・テープを聴いて彼女に興味を持ち、後のインタビューにおいて「彼女はヒップホップに魅せられていた一方、クラシック音楽の作曲家にも通じていた。その上、彼女はエラ・フィッツジェラルドのようなオールド・スクールの歌手も愛していた。私は、そうした要素すべてを融合してみたんだよ」と語っている[7]

    当時スレイターはザ・ウォールフラワーズ英語版のマネージャーも務めており[7]、本作のレコーディングには、当時ザ・ウォールフラワーズに在籍していたグレッグ・リッチリングも参加している。また、ザ・ウォールフラワーズのアルバム『Bringing Down the Horse』(1996年)でサポート・ドラマーを務めたマット・チェンバレンも起用され[8]、チェンバレンはアップルの次作『真実』(1999年)にも引き続き参加した。

    反響・評価[編集]

    母国アメリカでは、総合アルバム・チャートのBillboard 200で15位に達し、『ビルボード』のトップ・ヒートシーカーズでは2位を記録して[1]、1996年12月にRIAAによってゴールドディスクの認定を受け、1999年4月にはトリプル・プラチナの認定を受けた[9]。収録曲「クリミナル」は、1997年にBillboard Hot 100で21位、モダン・ロック・チャートで4位を記録するシングル・ヒットとなり、アップルはこの曲でグラミー賞最優秀女性ロック・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞した[1]

    フランスでは1996年9月14日付のアルバム・チャートで初登場49位となり、11月9日には最高21位を記録して、合計10週トップ50入りした[2]

    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、歌や演奏については「彼女の声は、10代としては驚くほどの豊かさとしなやかさに恵まれ、ジャジーで洗練されたピアノ演奏も年齢を感じさせない」と高く評価する一方、ソングライティングに関しては「深遠で重要なことを語ろうと努めているとはいえ、歌詞の大部分は決まり文句にとどまっている」と評している[10]。『ローリング・ストーン』誌が選出した「1990年代のベスト・アルバム100」では83位にランク・イン[11]

    収録曲[編集]

    前曲ともフィオナ・アップル作。

    1. スリープ・トゥ・ドリーム - "Sleep to Dream" - 4:09
    2. 夜の果ての少女 - "Sullen Girl" - 3:54
    3. シャドウボクサー - "Shadowboxer" - 5:24
    4. クリミナル - "Criminal" - 5:43
    5. スロー・ライク・ハニー - "Slow Like Honey" - 5:57
    6. ザ・ファースト・テイスト - "The First Taste" - 4:46
    7. ネヴァー・イズ・ア・プロミス - "Never Is a Promise" - 5:54
    8. ザ・チャイルド・イズ・ゴーン - "The Child Is Gone" - 4:14
    9. ペイル・セプテンバー - "Pale September" - 5:50
    10. キャリオン〜愛はやがて朽ちてゆく - "Carrion" - 5:44

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注・出典[編集]

    1. ^ a b c Fiona Apple | Awards | AllMusic
    2. ^ a b lescharts.com - Fiona Apple - Tidal
    3. ^ charts.org.nz - Fiona Apple - Tidal
    4. ^ australian-charts.com - Fiona Apple - Tidal
    5. ^ ultratop.be - Fiona Apple - Tidal
    6. ^ 日本初回盤(SRCS-8102)の表記はラテン文字の『TIDAL』だったが、2012年再発CD (EICP-1530)の帯ではカタカナ表記に変更された
    7. ^ a b Interview with ANDREW SLATER, manager for Macy Gray, Fiona Apple, The Wallflowers”. HitQuarters (2001年9月10日). 2015年10月1日閲覧。
    8. ^ Dawson, Michael (2011年12月6日). “Matt Chamberlain on the Making of a Career in the Studio”. Modern Drummer Magazine. 2015年10月1日閲覧。
    9. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - "TIDAL"と入力して検索すれば表示される
    10. ^ Erlewine, Stephen Thomas. “Tidal - Fiona Apple”. AllMusic. 2015年10月1日閲覧。
    11. ^ Fiona Apple, 'Tidal' - 100 Best Albums of the Nineties”. Rolling Stone. 2015年10月1日閲覧。