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タイキフォーチュン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タイキフォーチュン
引退後のタイキフォーチュン
(2024年8月20日撮影)
欧字表記 Taiki Fortune[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1993年2月9日[1]
死没 2025年2月21日(32歳没)
Seattle Dancer[1]
パテントリークリア[1]
母の父 Miswaki[1]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国[1]
生産者 Taiki Farm[1]
馬主 (有)大樹ファーム
調教師 高橋祥泰美浦北[1]
競走成績
生涯成績 15戦4勝[1]
獲得賞金 1億6324万2000[1]
勝ち鞍
GI NHKマイルカップ 1996年
GIII 毎日杯 1996年
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タイキフォーチュン(欧字名:Taiki Fortune1993年2月9日 - 2025年2月21日[1]は、日本競走馬種牡馬

主な勝ち鞍に、1996年NHKマイルカップGI)、毎日杯GIII)。

戦績

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  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[2]

1993年2月9日、アメリカ合衆国に誕生[3]。アイルランドで調教が施されたのち、日本で外国産馬としてデビューした[3]

1995年11月5日、東京競馬場の新馬戦に出走し、8着。翌週の新馬戦に連闘で出走して初勝利を挙げる。中山競馬場の葉牡丹賞をレコードタイムで制して西下し、ラジオたんぱ杯3歳ステークスに出走もロイヤルタッチの11着に終わる。年明けて弥生賞から始動しダンスインザダークの7着ののち再び西下して毎日杯に出走して優勝した。

新設されたNHKマイルカップへ出走、18頭中14頭が外国産馬となった[3]。レース前にはマイル戦への対応が不安視されたが、逃げたバンブーピノが作り出した前半1000メートル通過56秒7というハイペースの展開が中距離向きの馬の台頭を促した形となり、直線では鋭く伸びて最後は遊びつつ勝利、NHKマイルカップ初代王者に輝いた[4]。このレースで記録された1分32秒6というレースレコードタイムは、当時の東京芝1600メートル全体のレコードタイムである1分32秒4(1990年第40回安田記念オグリキャップが記録したタイム)とコンマ2秒しか違わないもので異様とも評され[4]2004年キングカメハメハが更新するまで維持された[5]。実際、フジテレビでこのレースを実況した三宅正治アナウンサーは4歳馬(現:3歳馬)でこの勝ちタイムを叩き出したため驚愕し、解説の吉田均に「これは…!電光掲示板、間違ってないですよね?」と確認を求める程であった。

秋は毎日王冠から始動して1番人気に支持されるもアヌスミラビリスの8着。続く2戦、ジャパンカップは6着、有馬記念11着と連敗を重ね、古馬になっても勝ち星とは縁遠く、1997年マイルチャンピオンシップ(競走中止)から連闘で挑んだジャパンカップ(14着)が最後のレースとなった。

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[2]およびnetkeiba.com[6]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
1995.11.05 東京 3歳新馬 ダ1400m(良) 14 7 12 002.60(2人) 08着 R1:30.1(41.0) -2.2 0柴田善臣 54 タイキフォレスト 488
0000.11.11 東京 3歳新馬 芝1800m(良) 9 3 3 003.00(1人) 01着 R1:52.9(35.5) -0.1 0柴田善臣 54 (シロキタクロス) 480
0000.12.02 中山 葉牡丹賞 500万下 芝2000m(良) 11 3 3 021.60(5人) 01着 R2:01.6(36.7) -0.4 0柴田善臣 54 (マキノプリテンダー) 480
0000.12.23 阪神 ラジオたんぱ杯3歳S GIII 芝2000m(良) 15 8 15 005.20(3人) 11着 R2:04.0(36.3) -1.3 0坂本勝美 54 ロイヤルタッチ 478
1996.03.03 中山 弥生賞 GII 芝2000m(良) 13 1 1 017.80(4人) 07着 R2:03.7(36.3) -1.0 0柴田善臣 55 ダンスインザダーク 490
0000.03.24 阪神 毎日杯 GIII 芝2000m(良) 16 3 6 005.80(3人) 01着 R2:01.1(35.3) -0.2 0柴田善臣 55 (ナムライナズマ) 486
0000.05.12 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 4 7 011.80(4人) 01着 R1:32.6(34.8) -0.1 0柴田善臣 57 ツクバシンフォニー 486
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 12 8 12 003.60(1人) 08着 R1:46.8(35.7) -1.0 0柴田善臣 57 アヌスミラビリス 500
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 15 2 3 012.10(5人) 06着 R2:24.3(36.2) -0.5 0柴田善臣 55 シングスピール 494
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 14 8 13 016.90(7人) 11着 R2:36.5(38.7) -2.7 0柴田善臣 55 サクラローレル 496
1997.04.05 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(重) 13 7 11 006.70(4人) 09着 R1:37.2(38.0) -1.7 0柴田善臣 57 ロイヤルスズカ 496
0000.05.10 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 16 5 10 007.40(4人) 04着 R1:20.9(33.5) -0.4 0柴田善臣 58 タイキブリザード 494
0000.06.08 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 8 006.00(2人) 11着 R1:34.9(35.6) -1.1 0柴田善臣 58 タイキブリザード 498
0000.11.16 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 5 9 067.8(14人) 競走中止 0柴田善臣 57 タイキシャトル 498
0000.11.23 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 14 7 11 056.9(11人) 14着 R2:28.3(37.5) -2.5 0柴田善臣 57 ピルサドスキー 492

種牡馬時代

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引退後はイーストスタッドで種牡馬として供用され、2000年から2004年までの供用で血統登録頭数29頭、出走頭数23頭を記録[7]2005年以降は種付け記録がなく種付料も2012年の時点ではプライヴェートに設定されていた[8]。その後、イーストスタッドからの申し出があって認定NPO法人引退馬協会のフォスターホースの一頭に加わることになり[5][注釈 1]2020年1月18日に新ひだか町の本桐牧場に移動した[9]。高齢のため、去勢手術は見送られた[5]

2024年4月にはフラワーパークの死亡により、同時点で存命最年長のJRA・GI競走優勝馬およびJRA重賞優勝馬となった。

2025年2月21日、繋養されていた本桐牧場で死亡。当日はいつも通り放牧され飼葉も完食していたが16時頃に倒れそのまま立ち上がれず、呼吸が荒れ心拍数も上昇したため、苦痛を長引かせないよう安楽死処分されたという。本馬の死亡により、同時点で存命最年長のJRA・GI競走優勝馬およびJRA重賞勝利馬はメジロファラオ(1999年中山グランドジャンプ勝ち馬)[注釈 2]となった。

血統表

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タイキフォーチュン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ニジンスキー系
[§ 2]

*Seattle Dancer II
1984 鹿毛
父の父
Nijinsky
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
父の母
My Charmer
1969 鹿毛
Poker Round Table
Glamour
Fair Charmer Jet Action
Myrtle Charm

*パテントリークリア
Patently Clear
1988 鹿毛
Miswaki
1978 栗毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Hopespringseternal Buckpasser
Rose Bower
母の母
Badge of Courage
1983 鹿毛
Well Decorated Raja Baba
Paris Breeze
Tamerett Tim Tam
Mixed Marriage
母系(F-No.) パテントリークリア(USA)系(FN:2-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Native Dancer5×5、Tom Fool5×5、Princequillo5×5、Striking・Busher5×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [10]
  2. ^ [11]
  3. ^ [10][11]
  4. ^ [10][11]

参考文献

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ イーストスタッドからは、過去にタイキシャトルメイショウドトウを引退馬協会のフォスターホースとして送り出している。
  2. ^ 平地重賞のみに限定するとテイエムオオアラシ(1997年カブトヤマ記念福島記念勝利馬)が存命最年長のJRA平地重賞勝利馬に、メジロドーベル(GI・5勝含む重賞7勝)が存命最年長のJRA平地GI勝利馬となる。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n タイキフォーチュン(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月24日閲覧。
  2. ^ a b タイキフォーチュン(USA) 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月24日閲覧。
  3. ^ a b c 優駿』1996年6月号 通巻630号 5頁
  4. ^ a b c 【G1温故知新】1996年NHKマイルC優勝 タイキフォーチュン”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2017年5月3日). 2020年4月24日閲覧。
  5. ^ a b c タイキフォーチュン”. フォスターホース紹介. 認定NPO法人引退馬協会. 2020年4月24日閲覧。
  6. ^ タイキフォーチュンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月24日閲覧。
  7. ^ タイキフォーチュン(USA) 種牡馬情報:世代・年次別(サラ系総合)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月24日閲覧。
  8. ^ イーストスタッドで新種牡馬バンブーエールなどがお披露目”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2012年2月26日). 2020年4月24日閲覧。
  9. ^ 2020年1月22日”. フォーチュンだより. 認定NPO法人引退馬協会 (2020年1月22日). 2020年4月24日閲覧。
  10. ^ a b c タイキフォーチュン(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年4月24日閲覧。
  11. ^ a b c d タイキフォーチュンの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月24日閲覧。
  12. ^ タイキクラリティの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年4月24日閲覧。

外部リンク

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