ソユーズMS-09

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ソユーズMS-09
The Soyuz MS-09 spacecraft is pictured docked to the Rassvet module.jpg
任務種別ISS乗員輸送
運用者ロシアの旗 ロスコスモス
COSPAR ID2018-051A
任務期間196日 17時間 50分
特性
宇宙機種別ソユーズMS 11F747
製造者RKKエネルギア
乗員
乗員数3人
乗員セルゲイ・プロコピエフ英語版
アレクサンダー・ゲルスト
セリーナ・オナン=チャンセラー英語版
コールサインAltai
任務開始
打ち上げ日2018年6月6日 11:12:41 UTC [1][2]
ロケットソユーズFG
打上げ場所カザフスタンの旗 バイコヌール宇宙基地 LC 1/5
任務終了
着陸日2018年12月20日05:02 UTC[3]
着陸地点カザフステップ[3]
軌道特性
参照座標地球周回軌道
体制低軌道
ISSのドッキング(捕捉)
ドッキング ラスヴェット天底側
ドッキング(捕捉)日 2018年6月8日13:01 UTC
分離日 2018年12月20日01:42 UTC[3]
dock時間 194日 12時間 41分
Soyuz MS-09 crew during Routine Ops training at JSC.jpg
(左から) プロコピエフ, ゲルスト, オナン・チャンセラー
ソユーズ計画
(有人宇宙飛行)

ソユーズMS-09 (ロシア語: Союз МС-09) は2018年6月6日に打ち上げられたソユーズ宇宙船[1]。3人の第56次/第57次長期滞在の乗組員を国際宇宙ステーション(ISS)まで輸送した。MS-09は138回目のソユーズによる有人宇宙飛行である[4]。 ロシア人のコマンダ-とアメリカ人およびドイツ人のフライトエンジニアが搭乗した。このミッションは2018年12月20日05:02 UTCに完了した。

乗組員[編集]

外部船殻を調べるためのEVA中の、ストレラに立つオレグ・コノネンコ
地位 メンバー [* 1]
コマンダー ロシアの旗 セルゲイ・プロコピエフ英語版, RSA
第56次長期滞在
1回目の宇宙飛行
フライトエンジニア 1 ドイツの旗 アレクサンダー・ゲルスト, ESA
第56次長期滞在
2回目の宇宙飛行
フライトエンジニア 2 アメリカ合衆国の旗 セリーナ・オナン・チャンセラー英語版, NASA
第56次長期滞在
1回目の宇宙飛行

予備乗組員[編集]

地位[5] メンバー
コマンダー ロシアの旗 オレグ・コノネンコ, RSA
フライトエンジニア 1 カナダの旗 デイヴィッド・サン=ジャック英語版, CSA
フライトエンジニア 2 アメリカ合衆国の旗 アン・C・マクレイン英語版, NASA

空気漏れ[編集]

国際宇宙ステーションにドッキングしたソユーズMS-09モジュールの穴
エポキシ樹脂でふさがれた穴

2018年8月29日の夜[6]、地上管制によってISSにわずかな空気漏れが通知された。軌道モジュールに2mmの穴が見つかり[7]、後に「低品質のパッチジョブで隠された」と宣言された[8]。恒久的な補修が考案されるまで、ロシア人クルーは一時的な密閉にカプトンテープ英語版を使用した。漏洩はエポキシ樹脂を基本とした修理キットで成功裡に密閉され、8月31日以来、それ以上の圧力の変化は起きていない[7][9]。2018年9月4日に、この穴はドリルによるものだったと発表されたが、不慮のものなのか、意図的なもの中は明確にされなかった[10]。ロシア当局は、おそらく軌道モジュールの製造プロセスでのある種のサボタージュによるものとの見解を示した[8]。ロシア当局は、NASAの乗組員の一人が穴をあけたとも推測している[11][12]

2018年12月11日、コノネンコソユーズMS-11で到着)とプロコピエフ英語版船外活動を行い、外部船殻を調べるためにサーマルブランケットを切って断熱材を引っ張り出し、当該領域を撮影し、調査に使用する残留物のサンプルを取得した。この穴は、再突入前に投棄される軌道モジュールにあるので、帰還飛行が危険に晒されることはなかった[13]。MS-09乗組員の帰還は、ソユーズMS-10の打ち上げ失敗によって、ソユーズMS-11で次のクルーが到着するまで、しばらく延期された。MS-09は12月20日の05:03 UTCに着地した[3]

その後、追加の報告と調査が実施された[14]。プロコピエフが、ドリル穴は内側から開けられていたと述べたと伝えられたが、それがいつ開いたのかは未だに不明である[15]。2019年9月、ロスコスモス長官のディミトリー・ロゴジンは、ロスコスモスは何が起きたのかを厳密に知っているが、当局はこの情報を秘密にしておくと主張した[16]。2021年4月20日、有名なロシア語タブロイド紙モスコフスキー・コムソモーレツは、ヴァディム・ルカシェヴィッチがフェイスブックに投稿した、この穴はセリーナ・オナン=チャンセラーが開けたという主張を掲載したが[17]、この主張はNASAによって異議が唱えられ、Ars Technicaによって「ばかげている」とされた[18]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ カタカナ表記はJAXA広報資料[1]によった。

出典[編集]

  1. ^ a b Evans, Ben (2018年6月6日). “Soyuz MS-09 Launches U.S., Russian, German Spacefarers to Space Station”. AmericaSpace. 2018年12月4日閲覧。
  2. ^ http://www.americaspace.com/2017/12/17/soyuz-ms-07-crew-launches-bound-for-six-month-space-station-increment/
  3. ^ a b c d Gebhardt, Chris (2018年12月19日). “Soyuz MS-09 lands after unprecedented on-orbit repairs, inspections” (英語). 2018年12月20日閲覧。
  4. ^ “Soyuz MS-07 Crew Launches, Bound for Six-Month Space Station Increment” (英語). AmericaSpace. (2017年12月17日). http://www.americaspace.com/2017/12/17/soyuz-ms-07-crew-launches-bound-for-six-month-space-station-increment/ 2018年6月12日閲覧。 
  5. ^ astronaut.ru (2013年). “Орбитальные полёты”. 2018年6月12日閲覧。
  6. ^ Gebhardt, Chris (2018年8月30日). “Soyuz/Station atmosphere leak no threat to Crew as repairs continue”. 2021年10月11日閲覧。
  7. ^ a b Clark, Stephen (2018年8月30日). “Cosmonauts plug small air leak on the International Space Station”. Spaceflight Now. https://spaceflightnow.com/2018/08/30/cosmonauts-plug-small-air-leak-on-the-international-space-station/ 2018年9月2日閲覧。 
  8. ^ a b Wehner, Mike (2018年12月26日). “What does it mean if the hole in the ISS was drilled from the inside?”. en:Boy Genius Report. 2018年12月27日閲覧。
  9. ^ Roscosmos (2018年). “Роскосмос. Информационное сообщение”. 2021年10月11日閲覧。
  10. ^ Harwood, William (2018年9月4日). “Russians investigate cause of Soyuz leak, focus on human error”. Spaceflight Now. https://spaceflightnow.com/2018/09/04/russians-investigate-cause-of-soyuz-leak-focus-on-human-error/ 2018年9月5日閲覧。 
  11. ^ “U.S., Russia Respond to Space Station Leak Rumors”. The New York Times. (2018年9月13日). https://www.nytimes.com/2018/09/13/science/space-station-leak-russia.html 
  12. ^ “整備中過失でソユーズ宇宙船に穴か ロシア関係者「怠慢が原因」”. 産経ニュース. (2018年9月4日). https://www.sankei.com/life/news/180904/lif1809040004-n1.html 2018年9月5日閲覧。 
  13. ^ Bergin, Chris. “Russian EVA examines hole repair area on Soyuz MS-09 – NASASpaceFlight.com”. NASASpaceflight.com. https://www.nasaspaceflight.com/2018/12/russian-eva-hole-soyuz-ms-09/ 2018年12月17日閲覧。 
  14. ^ Russian spacewalkers cut into Soyuz spaceship to inspect leak repair – Spaceflight Now”. 2021年10月11日閲覧。
  15. ^ Mandelbaum, Ryan F. (2018年12月25日). “Report: ISS Hole Drilled From the Inside, Cosmonaut Says”. Gizmodo. 2018年12月25日閲覧。
  16. ^ “NASA mystery: Russians 'know exactly what happened' to hole on international space station” (英語). Express.co.uk. (2019年9月23日). https://www.express.co.uk/news/science/1181524/nasa-news-iss-leak-us-and-russia-news-international-space-station-roscosmos 
  17. ^ Whose holes are there in space? Moskovskij Komsomolets”. translate.google.com. 2021年4月30日閲覧。
  18. ^ Berger, Eric (2021年8月12日). “Russia’s space program just threw a NASA astronaut under the bus”. Ars Technica. https://arstechnica.com/science/2021/08/russias-space-program-just-threw-a-nasa-astronaut-under-the-bus/ 2021年8月17日閲覧。