ソボレフ共役

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学において、空間の次元を n とするとき、 を満たす pソボレフ共役(ソボレフきょうやく、: Sobolev conjugate)は

で与えられる。このパラメータは特にソボレフ不等式において重要となる。

動機[編集]

ある q >p に対し、ソボレフ空間 の元 u に属するかという問題が考えられる。より具体的に、 を制御するのはいつか、という問題が考えられる。次の不等式が任意の q に対して成立することはないということは、容易に確かめられる。

(*)

コンパクトな台を持つ無限回微分可能な函数 を考える。 とすると、次が成り立つ。

に対する不等式 (*) の結果、 に対する次の不等式が得られる。

なら、 をゼロあるいは無限大とすることで矛盾が導かれる。したがって不等式 (*) は

に対してのみ成立する。これがソボレフ共役である。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Lawrence C. Evans. Partial differential equations. Graduate studies in Mathematics, Vol 19. American Mathematical Society. 1998. ISBN 0-8218-0772-2