ゼンノエルシド

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ゼンノエルシド[1]
欧字表記 Zenno El Cid[1][2]
香港表記 禪宗勝者[3]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[1]
生誕 1997年3月26日[1]
登録日 1999年9月30日
抹消日 2003年1月24日
Caerleon[1]
エンブラ[1]
母の父 Dominion[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産 Orpendale [1]
馬主 大迫忍[1]
調教師 藤沢和雄美浦[1]
厩務員 川越靖幸[4]
競走成績
生涯成績 18戦6勝
中央競馬17戦6勝)
香港1戦0勝)
[1]
獲得賞金 2億336万6000円[1]
 
勝ち鞍
GI マイルチャンピオンシップ 2001年
GIII 京成杯オータムH 2001年
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ゼンノエルシドは、アイルランド生産、日本で調教された競走馬である。2001年マイルチャンピオンシップなど、中央競馬重賞2勝を挙げた。芝1600メートルの元日本レコードホルダー。馬名の「ゼンノ」は馬主の冠名、「エルシド」はスペインの貴族ロドリゴ・ディアス・デ・ビバールの通称エル・シドに由来している。

※以下、馬齢は2000年以降に制定された現表記(満年齢)で記述する。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

アイルランド生産の外国産馬。父カーリアンは2度のリーディングサイアーを獲得した名種牡馬、母エンブラは1985年の英最優秀2歳牝馬という良血で、デビュー前から注目を集めた。1999年10月の東京開催でデビューし、初戦勝利を挙げる。しかし以後は脚部不安などもあり順調に勝ち上がれず、2年近くを条件馬として過ごした。

2001年8月に摩周湖特別(1000万下条件戦)で4勝目を挙げると、次走は格上挑戦で京成杯オータムハンデキャップ (GIII) に出走。1600万下条件馬でありながら当日はGI優勝馬イーグルカフェらを抑えての単勝1番人気に支持されると、先行策から直線半ばで抜け出し、2着クリスザブレイヴに4馬身差を付けて重賞初制覇を果たした。降雨・強風のなかでの競走だったが、優勝タイム1分31秒5は当時の芝1600メートルの日本レコードとなった。

これを受け、GI競走初出走となったスプリンターズステークスでも1番人気に推されたが、ここでは10着と大敗を喫する。次走のマイルチャンピオンシップでは、フランス人騎手オリビエ・ペリエが初騎乗。4番人気に支持されたゼンノエルシドは、2着エイシンプレストン以下を抑え、GI制覇を果たした。

年末にはエイシンプレストンらとともに香港国際競走に参加し、香港マイルに出走。当日1番人気に支持された。しかし直線でまったく伸びず、エイシンプレストン優勝の後方で最下位に終わった。翌2002年は極度の不振に陥り、4走して二桁着順が3回という成績で、秋に出走したマイルチャンピオンシップ14着を最後に競走生活から退いた。

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[5]、JBISサーチ[6]および香港賽馬會[7]の情報に基づく。

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム
騎手 斤量 勝ち馬/(2着馬)
1999.10.10 東京 新馬 10 10 10 01.4 0(1人) 01着 芝1800(良) 1:49.9 (36.6) -0.3 岡部幸雄 53kg (ユーワシーザー)
0000.10.31 東京 いちょうS OP 8 6 6 01.4 0(1人) 06着 芝1600(良) 1:36.2 (35.5) -0.6 岡部幸雄 53kg マチカネホクシン
2000.05.13 東京 夏木立賞 500 14 6 10 01.4 0(1人) 01着 芝1800(良) 1:49.0 (36.6) -0.7 岡部幸雄 55kg (セキサンデインヒル)
0000.07.08 函館 STV杯 900 12 6 8 02.1 0(1人) 05着 芝2000(良) 2:03.0 (37.3) -0.6 岡部幸雄 54kg クリミナーレ
0000.07.29 函館 洞爺湖特別 900 12 5 6 02.0 0(1人) 01着 芝1800(良) 1:49.3 (37.2) -0.4 横山典弘 54kg (ニシキオーカン)
0000.12.23 中山 クリスマスC 1600 13 5 7 04.8 0(2人) 03着 芝1800(良) 1:49.0 (37.6) -0.0 岡部幸雄 55kg リトルダンサー
2001.01.30 東京 東京新聞杯 GIII 13 8 12 05.2 0(3人) 08着 芝1600(稍) 1:35.2 (36.4) -1.0 岡部幸雄 53kg チェックメイト
0000.04.29 京都 朱雀S 1600 14 4 6 05.0 0(2人) 02着 芝1600(良) 1:33.5 (35.1) -0.3 横山典弘 56kg スカイアンドリュウ
0000.05.13 京都 下鴨S 1600 13 7 10 02.1 0(1人) 04着 芝1800(良) 1:45.3 (35.8) -0.6 K.デザーモ 56kg マルカキャンディ
0000.08.05 札幌 摩周湖特別 1000 12 5 6 01.7 0(1人) 01着 芝1500(良) 1:28.0 (35.2) -0.6 横山典弘 57kg (グラスベンチャー)
0000.09.09 中山 京成杯AH GIII 11 5 5 02.6 0(1人) 01着 芝1600(良) R1:31.5 (34.6) -0.7 横山典弘 53kg クリスザブレイヴ
0000.09.30 中山 スプリンターズS GI 12 5 6 02.8 0(1人) 10着 芝1200(良) 1:07.5 (34.6) -0.5 横山典弘 57kg トロットスター
0000.11.18 京都 マイルCS GI 18 7 14 07.8 0(4人) 01着 芝1600(良) 1:33.2 (34.2) -0.1 O.ペリエ 57kg エイシンプレストン
0000.12.16 沙田 香港マイル G1 14 5 13 02.0 0(1人) 14着 芝1600(GF) 1:36.9 (00.0) -2.1 O.ペリエ 126lbs Eishin Preston
2002.05.12 東京 京王杯SC GII 18 3 6 07.7 0(3人) 08着 芝1400(良) 1:20.8 (34.8) -0.5 横山典弘 59kg ゴッドオブチャンス
0000.06.02 東京 安田記念 GI 18 6 12 08.0 0(3人) 18着 芝1600(良) 1:35.1 (36.9) -1.8 横山典弘 58kg アドマイヤコジーン
0000.10.26 京都 スワンS GII 18 2 3 08.0 0(3人) 16着 芝1400(良) 1:22.4 (37.2) -2.6 O.ペリエ 59kg ショウナンカンプ
0000.11.17 京都 マイルCS GI 18 6 11 27.7 (12人) 14着 芝1600(良) 1:33.5 (35.6) -0.7 O.ペリエ 57kg トウカイポイント
  • 香港マイルのオッズおよび人気は、香港賽馬會によるもの。また、「Draw」が枠番、「Horse No.」が馬番に該当。
  • 馬場状態:GF=Good to firm

引退後[編集]

引退後は種牡馬となり、北海道静内町アロースタッドで供用のあと、2006年秋よりビッグレッドファームに移動した。同年に初年度産駒がデビュー、この中からマイネルシーガルが2008年に富士ステークスを制し、産駒の重賞初勝利となった。しかし種付け数は初年度の66頭から漸減を続け、翌2009年も8頭にとどまった。これを受けて同年8月より繋養先が青森県八戸市の山内牧場に移された。2013年は再びアロースタッドで、2014年は村上牧場で供用され、2014年を最後に供用停止となった[8]

主な産駒[編集]

エピソード[編集]

デビュー戦のパドックにおいて、出走中唯一の牝馬であったマルターズスパーブの姿に興奮して陰茎勃起させ、その状態のままレースに勝利したことが、一部雑誌で笑い話として取り上げられた[9]。以後本馬の出走時には、パドックに「男を魅せろ!ゼンノエルシド」といった横断幕が掲げられ[10]、重賞初勝利時には競馬漫画家のよしだみほが「恥ずかしい過去」として物語題材に取り上げている。

血統表[編集]

ゼンノエルシド血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ニジンスキー系
[§ 2]

Caerleon
1980 鹿毛
父の父
Nijinsky II
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
父の母
Foreseer
1969 黒鹿毛
Round Table Princequillo
Knight's Daughter
Regal Gleam Hail to Reason
Miz Carol

Embla
1983 黒鹿毛
Dominion
1972 鹿毛
Derring-Do Darius
Sipsey Bridge
Picture Palace Princely Gift
Palais Glide
母の母
Kaftan
1975 栗毛
Kashmir Tudor Melody
Queen of Speed
Blessed Again Ballymoss
No Saint
母系(F-No.) 16号族(FN:16-g) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ ゼンノエルシド 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com ゼンノエルシド 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ ゼンノエルシド 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ ゼンノエルシド 5代血統表2017年9月12日閲覧。


脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ゼンノエルシド(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  2. ^ ZENNO EL CID (CB614) - Racing Information” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月7日閲覧。
  3. ^ 禪宗勝者 (CB614) - 馬匹資料 - 賽馬資訊” (中国語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月7日閲覧。
  4. ^ 【英・インターナショナルS】日本馬として初めて参戦したゼンノロブロイ 元厩務員が明かす遠征の舞台裏”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月19日閲覧。
  5. ^ ゼンノエルシドの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月20日閲覧。
  6. ^ ゼンノエルシド(IRE) 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月20日閲覧。
  7. ^ RACE 7 (243) - THE HONG KONG MILE” (英語). 香港賽馬會(The Hong Kong Jockey Club). 2019年8月7日閲覧。
  8. ^ 2014年供用停止種雄馬一覧 (PDF) ジャパン・スタッドブック・インターナショナル 2015年2月23日
  9. ^ 『競馬名馬&名勝負読本1999-2000』p.192「競馬カレンダー10月 - 東京2Rで終始馬っ気出しながらゼンノエルシドが勝利」
  10. ^ 平成の競馬“珍”&“怪”事件18(1)「男を魅せろ!」の横断幕が… アサヒ芸能、2019年4月6日、2019年9月5日閲覧

外部リンク[編集]