セックスワーカー

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セックスワーカー (sex worker) とは、金銭の授受を伴う性行動を職業として行う者のことである。日本語では性労働者と訳される。性交の有無、行為者本人または対象の性別などにかかわらない包括的な呼称である。

セックスワーカーの一部は金銭を受け取りさまざまな度合いの身体の接触を伴う性的行動に従事する(ヘルス嬢ソープ嬢コールガール、「女王様」など)。アダルトモデルポルノ女優AV男優AV女優は性的行動を行いビデオや写真を撮影させる。ライブチャットでのセックスやテレホンセックス[原 1]や生のセックスショーなど、ライブの性的パフォーマンスに従事するセックスワーカーもいる。エロティックなダンスなどを観客のために披露するセックスワーカーもいる(ストリップの踊り子(ストリッパー)、のぞき部屋など)。

アムステルダム赤線地区「飾り窓」の、「旧教会」前にあるブロンズ像Belle。2007年3月に除幕式が行われ、「全世界のセックスワーカーに敬意を表して」の銘がある。

合法性と社会的観点[編集]

その地域の法により、セックスワーカーの活動は規制・制限されていたり、許容されていたり、禁止されていたりする。性的労働を合法としている地域でも、営業形態や年齢などが厳しく制限されていることが多い。これには公衆倫理や青少年の健全な育成、未成年者や経済的弱者が強制的に性的労働に従事させられることを防ぐ目的がある。

また多くの国では、性的労働が合法であってさえも、セックスワーカーたちは汚名を着せられたり軽んじられたりし、差別からの法的な回復を求めることが難しくなっている(ストリップクラブのオーナーによる人種差別、客の不払い、暴力強姦など)。社会的不公平や貧困も問題を助長している[原 2][原 3]

支援運動[編集]

セックスワーカーの権利運動の支援者たちは、セックスワーカーも他の労働者と同じ基本的人権労働基本権を持つべきであると主張している[原 4]

例えば、「性的労働のためのカナダのギルド」は性的労働の合法化、他の産業に課されているものに比べ弾圧的な国家による規制の除去、労働・雇用諸法の下での承認と保護、専門職協会や労働組合を組織し加入する権利、仕事のために合法的に国境を越える権利などを要求している。

また、公娼制度のような性的労働の合法化によって、より秩序立った状況で行うことも可能になり、法規によって(例えば売春宿の合法化により、コンドームの使用や定期的な健康診断を義務付けるなどで)HIVやその他の性行為感染症の伝染を減らすこともできるようになるとしている。

セックスツーリズム[編集]

セックスツーリズム(買春ツアー、売春ツアー)は人々が娼婦売春婦)や男娼との性交や性的行為を目的として海外に旅行すること。典型的には日本を含む先進国からの発展途上国への旅行者によって世界的に行われている。

国際連合の専門機関である世界観光機関は、セックスツーリズムを「観光分野、もしくは観光分野ではないがその構造とネットワークを利用して、目的地の住人と旅行者が営利的な性的関係を持つことを主目的に行われる旅行」と定義している[原 5]。国連は旅行者の自国と旅行先国の双方への健康的・社会的・文化的影響を理由にセックスツーリズム、とりわけ旅行先国での性別・年齢や社会的・経済的格差を悪用した状況でのそれに反対している[原 5][原 6][原 7]

「セックスツーリズム」という語はさまざまな営利目的の性的活動を指しうるが、各種機関や研究者たちは個別の事例を差すために「成人セックスツーリズム」「児童セックスツーリズム(児童買春ツアー)」「女性セックスツーリズム」などの語を用いることもある。セックスツーリストを引き寄せる要因としては、相手国でのサービスの安さや、売買春が合法もしくは取り締まりが緩いことや、児童買春の機会があることなどがある。

業績評価[編集]

異った地域のセックスワーカーたちの業績評価が、世界規模のコールガールのレビュー掲示板や、顧客になるかもしれない人々とセックスワーカーとが情報交換したりさまざまなサービスを宣伝したりするオンラインフォーラムなどといった場所に見出される。

軍隊との関わり[編集]

セックスワーカーは事実上あらゆる国で常に軍隊を相手に仕事を行ってきた。例えば、19世紀にはイギリスの海軍港ポーツマスで性産業が繁栄していたし、1990年代前半まではフィリピンの米軍基地近くに広大な赤線地域が存在していた。タイバンコクパッポン通りの歓楽街は1970年代前半にベトナム戦争に配属された米軍兵の保養休暇(R&R)の場所として始まったものである。

原注[編集]

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  1. ^ Weitzer, Ronald. 2000. Sex For Sale: Prostitution, Pornography, and the Sex Industry (New York: Routledge Press)
  2. ^ Ethiopia: Poverty forcing girls into risky sex work
  3. ^ Kenya: Desperate times: women sell sex to buy food
  4. ^ [Weitzer, Ronald. 1991. "Prostitutes' Rights in the United States," Sociological Quarterly, v. 32, no.1, pages 23-41]
  5. ^ a b “WTO Statement On The Prevention Of Organized Sex Tourism”. Adopted by the General Assembly of the World Tourism Organization at its eleventh session - Cairo (Egypt), 17-22 October 1995 (Resolution A/RES/338 (XI)). Cairo (Egypt): World Tourism Organization. (17-22 October 1995). http://www.world-tourism.org/protect_children/statements/wto_a.htm 2006年12月20日閲覧。 
  6. ^ U.N. Office of the Special Adviser on Gender Issues and Advancement of Women (OSAGI) Gender Mainstreaming Mandates
  7. ^ U.N. Congress On The Prevention Of Crime And The Treatment Of Offenders Press Release New Global Treaty to Combat Sex Slavery of Women and Girls

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

支援運動[編集]

国際的[編集]

日本[編集]

アフリカ[編集]

オーストラリア[編集]

ヨーロッパ[編集]

北米[編集]

反セックスワーカー活動[編集]