セガ・システム32

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セガ・システム32とは、セガ(後のセガ・インタラクティブ)初の32ビットCPUを採用したアーケードゲーム基板であり、過去の2Dシステムボードの集大成のようなハードウェア構成となっている。具体的にはSystem16のBG機能、System18のサウンド、Y-BOARDのスプライトを統合したような構成になっている(それぞれ、小改良は施されているが、基本仕様は同一)。

第一弾は1991年に発売されたロサンゼルスニューヨークを横断するレーシングゲームラッドモビール』である。

発売当時としては最高のスプライト機能を持ち、稼働したゲームも膨大なスプライトを並べて3次元を表現し、ポリゴンによる3Dゲームに対抗した作品が多い。

スペック[編集]

CPU
NECV60(NECオリジナルの内部32bit/外部バス16bitのCPU)が使われている。
BG
4画面分使える。拡大縮小機能はあるが、回転機能は無い。自動車ゲーム等でよく使われる、擬似的な道路表現をハード的に行える。
スプライト
表示個数は無制限。拡大縮小機能、αチャンネルをサポート。フレームバッファ式の実装であるため、フレームバッファとして確保された1画面分のビットマップ面に転送できるピクセル数の範囲内はスプライト表示個数に制限は無い。ただし1タイミング内に全てのスプライトの転送が追いつかなかった場合は、フレームごとコマ落ちしたり優先度の低いスプライト群がまるごと表示されないことはある。
サウンド
YM3438YM2612のCMOS版)を2つとリコー製のRF5c68を搭載する。YM3438の一つは内蔵タイマ機能として使っている。

実力的には演算能力やスプライト機能は優秀だったが、BG面やサウンド周りは量的に必要十分であるものの細かい部分では同世代のシステムボードや汎用設計のボードに多少の遅れをとりつつあった。

バリエーション[編集]

1枚の基板にSystem32の2セット分の機能を統合した、セガ・システム マルチ32が存在する。

CPU(V70に変更)、音源周(YM3438+カスタムPCM28chに変更)、BG用IC、ROMボードは共有されており、1セット分しか搭載されていない。しかしI/O、スプライトIC、BG、スプライトを合成するVDP/Mixerは双発の構成となっている。

当時は既にMODEL1基板が開発中であり、まったくの新規で2D系のボード開発を行うわけにも行かないが、対戦ゲームのブームがありセガが得意なコクピットタイプのゲームのTwin筐体で対戦ブームに乗るためかなり無理をして開発したと思われる(ただし、原則的にセガは、100%が新規設計というハードは作らないので、キャリーオーバーの部分があること自体は不思議ではない)。

したがって過渡期の製品らしく、対応タイトルは4作品(『アウトランナーズ』、『スタジアムクロス』、『タイトルファイト』、『ハードダンク』)しか存在しない。後に中解像度(24kHz)をターゲットにした似たようなコンセプトの基板、H1システムが誕生するがこちらも単発で終わった(対応ソフトは『クールライダーズ』のみ)。

よく誤解される点[編集]

好事家の間で「System32は、『ギャラクシーフォース』で使われたY-BOARDより機能が劣る」という評価がよくあるが、これは誤りである。

Y-BOARDのグラフィック機能はスプライト機能しか搭載しておらず、BG面を全く持たない。System32のスプライト機能は、基本的にY-BOARDの改訂版であり、さらにBG面も持っているので実際はSystem32の方が機能は上である。