ズルチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ズルチン
ズルチンの構造式
IUPAC名 4-エトキシフェニル尿素
別名 Sucrol, Valzin, Dulcine, Suesstoff
分子式 C9H12N2O2
分子量 180.20
CAS登録番号 [150-69-6]
形状 無色固体
融点 173 °C

ズルチン (dulcin)(IUPAC名:4-エトキシフェニル尿素) は、かつて人工甘味料として用いられていた有機化合物である。尿素誘導体化学式は C9H12N2O2CAS登録番号は [150-69-6]。1884年ドイツでヨーゼフ・ベルリナーバウ(Joseph Berlinerbau)により発見され、1891年に生産が開始された。

ショ糖の約250倍の甘さを持つ無色または白色の結晶粉末である。エタノールアセトンエーテルに溶けやすく、にはほとんど溶けない[1]

サッカリンと違って苦い後味がなく、製造に要するコストも低かったため日本では太平洋戦争後になって大量に使用された。しかし、中毒事故が多発したこと、肝機能障害や発癌性等の毒性が認められたため1969年昭和44年)1月1日より食品への添加が全面禁止された(アメリカ合衆国では動物実験の結果に基づき1954年に使用が禁止されている)。その後も中国から輸入された食品から検出されたことがあり、現在も検疫所などでは検査が続けられている[1]

アマチャの甘み成分フィロズルチンとは別の物質である。

中毒事故の事例[編集]

日本での例

  • 1947年(昭和22年) - 幼児が5 gのズルチンをなめて死亡
  • 1963年(昭和38年) - 両親の留守中に大量になめた子供2人が死亡。
  • 1966年(昭和41年) - 73歳の老女がぼたもちに大量に加えて6人が中毒、うち73歳の老女が死亡[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b ズルチン標準品和光純薬工業
  2. ^ ズルチンによる食中毒事件食品衛生学雑誌 Vol. 10 (1969) No. 2 P 112-113

外部リンク[編集]