スーパーマリオ 魔界帝国の女神

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スーパーマリオ 魔界帝国の女神
Super Mario Bros.
監督 ロッキー・モートン
アナベル・ヤンケン
脚本 エド・ソロモン
パーカー・ベネット
テリー・ランテ
製作 ジェイク・エバーツ
ローランド・ジョフィ
出演者 ボブ・ホスキンス
ジョン・レグイザモ
デニス・ホッパー
サマンサ・マシス
音楽 アラン・シルヴェストリ
撮影 ディーン・セムラー
編集 マーク・ゴールドブラット
配給 アメリカ合衆国の旗 ブエナ・ビスタ(BVPD、現WDSMP)
日本の旗 日本ヘラルド映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1993年5月28日
日本の旗 1993年7月10日
上映時間 105分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $48,000,000[1]
興行収入 $20,915,465[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
配給収入 3億円日本の旗
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スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(スーパーマリオ まかいていこくのめがみ、原題: Super Mario Bros.)は、テレビゲームスーパーマリオブラザーズ』を元に1993年アメリカ合衆国で50億円の制作費を投じて製作された実写映画である。

任天堂のゲーム『スーパーマリオブラザーズ』とは一部設定が異なるものがある。この映画の中でマリオブラザーズの所謂、姓がマリオであり、マリオはマリオ・マリオ、ルイージはルイージ・マリオであることが紹介される。一方でヒットにならなかったことからも日本においては知られておらず、2015年9月13日に開催されたスーパーマリオ30祭において宮本茂氏が発言したことにより日本においては正式に情報の確認がされたとされている。

ビデオ化の際にタイトルは「スーパーマリオ」へ変更されたが、DVD化の際に原題に戻された。著作権標記は1983 ALLIED FILMMAKERS NV と1983 NINTENDO と記載され2社による制作であることがわかる。

キャッチコピーは、「マリオが、ハリウッドを本気にさせちゃった。」「映画のマリオは、やることでかい。」「このヒゲオヤジが、超つよい。

ストーリー[編集]

6500万年前、巨大隕石の落下によって、恐竜世界と人間世界が2つに引き裂かれた。絶滅したと思われていた恐竜は進化し、独自の世界を地下に作り上げていった。

そして、現代のニューヨークブルックリン。一人の女性が教会の前で大きな卵と小さな石を置き、その場を去って行く。それを拾った教会のシスターたちの前で、卵から人間の赤ん坊が生まれた。

それから20年後。ブルックリンで配管工の仕事を請け負うマリオルイージの兄弟は、地下の下水路で化石発掘を行う調査チームのリーダーであるデイジーと知り合う。ある日、マリオとルイージはデイジー、マリオの恋人ダニエラと外食を楽しむ。食事後、マリオとルイージと別れたダニエラが突然二人の男に誘拐され、その次にデイジーも誘拐されてしまった。マリオとルイージは後を追い地下を訪れる。そこで、デイジーが謎の入り口に引きずり込まれ、マリオとルイージもその入り口に飛び込んだ。入口の先には、恐竜人たちが暮らす国「ダイノハッタン」が存在した。デイジーを見失ったマリオとルイージは、ダイノハッタンの支配者クッパを非難するトードが警察に捕まる現場を目撃し、ともに逮捕される。クッパは、デイジーが持っていた、地上世界と地下世界の次元を分断した隕石の欠片を探しており、その在り処を知っているマリオとルイージを問い詰めるが、隙を突かれ逃げられてしまう。

クッパから砂漠に逃れたマリオとルイージは、追いかけてきたイギーとスパイクを捕まえ、デイジーの居場所を聞き出し、地上世界の征服を目論むクッパの野望を阻止するためクッパの城に向かう。一方、監禁場所から逃げ出したデイジーは、クッパから寝返ったイギーとスパイクに案内され、クッパによってキノコの姿に変えられた父親と再会する。デイジーと合流したマリオとルイージは地上世界に向かおうとするが、クッパに見付かってしまう。マリオは一人クッパに立ち向かい、ルイージとデイジーは隕石がある場所に向かい、二つの世界の融合を阻止しようとする。何とか融合を阻止したルイージはマリオのもとに戻り、力を合わせてクッパを倒しダイノハッタンをクッパの支配から解放する。歓喜に沸く恐竜人たちを尻目に、マリオとルイージはデイジーに別れを告げ、地上世界に戻る。

それから暫くしたある日、朝食を食べていたマリオとルイージ、ダニエラのもとに戦闘服に身を包んだデイジーが現れる。地下世界に再び騒動が起きたことを予感させつつ物語は幕を閉じる。

登場人物[編集]

マリオ・マリオ
ニューヨークで配管工を営む中年の男性。弟のルイージと共に地下帝国の冒険に巻き込まれる。やや融通の利かない面もあるが、配管工としての腕や誇りは高い。弟のルイージを育ててきた苦労から現実主義な性格をしていたが、地下帝国での冒険を経て、次第に自らの目の前で起こっている常識から大きく離れた現実を認めるようになっていく。
ルイージ・マリオ
マリオの弟で、兄と共に配管工を営んでいる。今時の若者。子供っぽいところもあるが、兄思いの優しい青年。デイジーと出会い惹かれあっていく。劇中ではマリオに拾われたと話す場面があり、原作と違って血の繋がった兄弟ではなく、孤児院からマリオに引き取られて育てられた。そのため、マリオとはかなり歳が離れている。
デイジー
大学の化石発掘調査チームの女性リーダー。マリオとルイージに出会い、ルイージと惹かれあっていく。ダイノハッタンの王女であり、赤ん坊だった頃に母に連れられ、クッパの起こしたクーデターを逃れて地上の教会に託され、孤児として育てられてきた。タマゴのようなものに入れられており、クリスタルをはめると開く仕掛けだった。そのため、クリスタルをネックレスにしてつけている。
地上世界と恐竜帝国の次元を分断した隕石の欠片を持っており、両世界の征服を企むクッパに狙われる。ゲーム版とは異なり、紫色のワンピースとクリスタルの飾りを着用。
ダニエラ・ポリーン・ベルダッチ[2]
マリオの恋人。デイジーと間違われて誘拐される。日焼けサロンで働いている。セクシーな風貌で一見すると高飛車だが、連れて来られたデイジーを気遣っていたほか、脱出の際マリオに協力的な姿勢を見せるなど、実際はフランクで常識人。
終盤ではマリオと結婚し同居している。
クッパ
地下に広がる恐竜帝国「ダイノハッタン」の大統領。デイジーの父親である国王を追い落として国を乗っ取り、独裁者として君臨している。白髪でオールバック。
原作ではだが、本作ではティラノサウルスから進化した恐竜族。自らが開発した生物の進化や退化を促すシステムによって極限までの進化を遂げており、逆らう者はグンバに退化させ、知能が低下した彼らを私兵として扱っている。地上世界と恐竜帝国の次元を融合して両世界を征服しようと企む。
マリオと激戦を繰り広げた末、逆進化銃でティラノサウルス、原始生物へと戻されていき、最後は蛍光緑色のアメーバ状の液体化して倒された。
ダイノハッタンの国王でデイジーの父親。キノコから人間への進化を経たキノコ族である。逆進化銃という特別な銃によりオレンジ色のキノコに退化されてしまい、囚われているが、クッパが倒された後に人間の姿に戻った。町中のあちこちにキノコやパサパサした蜘蛛の巣のようなものがあるのはその名残であり、作中それらキノコの力でマリオ達をピンチから救った。
王妃
デイジーの母親。20年前にブルックリンの教会の前で大きな卵と小さな石を置いて姿を消した。地下に逃げ込むもののクッパに見つかり、殺された。
ヨッシー
クッパのペットの恐竜。舌を伸ばすことが出来る。デイジーにすぐ懐いた。最初は鎖に繋がれていた。体が小さく声も高いため子供と思われる。
イギー
クッパの手下[3]で原作と違い、人間の姿をしている。スパイクと共に行動する。ドジを踏んでばかりで、クッパによって知能を進化させられても全く変わらずじまいだった。
しかし、知能を進化させられた事でクッパに反骨的な発言をした為に彼の怒りを買い、処刑されそうになる。すんでのところで逃げ出し、更にクッパの手からデイジーを救い、彼女をキノコに退化されている父の元へ案内した。その後の動向は不明である。
スパイク
クッパの手下で、イギー同様に人間の姿をしている。イギーと共に行動する。やはりドジな性格で、クッパによって知能を進化させられても全く変わらずじまいだった。イギーより頭が悪い。
終盤でイギーと共にデイジーを救い、その後の動向は不明。
レナ
クッパと行動を共にする女性。死んだデイジーの母親とも顔見知りであったらしく、デイジーが彼女と生き写しであると語っている。
マリオ達から隕石の欠片を手に入れるも、恐竜帝国の未来にしか感心を示さないクッパに愛想を尽かし、彼を出し抜いて地上侵攻を企てる。更にクッパが自分に感心を示さなくなった矛先をデイジーに向け、彼女をナイフで刺し殺そうとするも、ヨッシーに阻止されてしまう。挙句の果てにクッパの部下に捕らえられ、欠片も奪われてしまった。
終盤再び欠片を取り返した彼女は、それを利用して地上と地下を融合させようとするが力を制御出来ず吹き飛ばされ、骨になって死亡した。
グンバ
クッパの手下の軍団で、マリオとルイージの敵として登場。逆進化銃という、生物を退化させる光線を放つ特殊な銃を持つ。ゲーム版と違い、人間よりも大柄。猿のような頭のものと蛇のような頭のものがおり、猿のようなグンバは、クッパの逆進化装置によって退化した恐竜人の成れの果てである。頭が異様に小さく、体が異様に大きい。マリオやルイージにエレベーターで体を揺さぶられているうちにダンスをしてしまうなど攻撃的な面ばかりではない。
トード
ダイノハッタンの住人である音楽家。音楽家というよりも、流しのギター持ち。陽気な性格で楽天家。クッパに逆らう歌を歌ったという理由で逮捕されてしまい、グンバに退化させられてしまうが、知能は低下しても良心は失っておらず、デイジーに親身に接したり、ルイージ達に逆進化銃を手渡している。グンバが攻撃しようとした際には、ハーモニカを奏でることで彼らの集中力を削いだ。クッパが倒れた後、地上世界のテレビに一瞬だけ彼の姿が映っている。
人間の時はギターを弾いており、グンバにされてからはネックレス状のハーモニカで演奏する。
ビッグ・バアサ
ブンブンバーのボディーガードをしている太った女性。トゲつきの赤い服を身にまとい、ジャンプブーツを履いている。マリオ達と初めて出会った時に石を奪うが、終盤のクッパとの戦いの際にはマリオに好意を寄せ、彼らをサポートした。
サイモン巡査部長[4]
ダイノハッタンの国王の警官。取り調べでマリオとルイージの名前を聞いたりクッパのもとへ二人を連れていたりした。
レナから隕石を奪い返しクッパの元へ届けるなど、彼に絶対的な忠誠心を持っている。
スカペリ
マリオブラザーズ配管工のライバルである建設業界オーナー。デイジー達が発掘調査を行う現場で開発を行っている。一見紳士的な印象であるが、部下に配管を破壊させ発掘現場の洞窟を水浸しにしようとするなど、野蛮で横暴な人物。
実はその開発工事が原因で、地上世界と地下帝国を隔てる封印を破壊し、クッパ達が地上世界へと侵攻するきっかけを生み出していた。
物語終盤で一時地上と地下の世界が結合しクッパ達が地上世界に来た際、彼が持っていた退化銃の光線を浴びてチンパンジーにされ、大衆の笑い者となった[5]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 日本テレビ
マリオ・マリオ ボブ・ホスキンス 富田耕生
ルイージ・マリオ ジョン・レグイザモ 辻谷耕史 島田敏
クッパ デニス・ホッパー 穂積隆信 有川博
デイジー サマンサ・マシス 日高のり子 岡本麻弥
ランス・ヘンリクセン 黒沢良 小山武宏
ダニエラ・ポリーン・ベルダッチ ダナ・カミンスキー 滝沢久美子 小宮和枝
イギー フィッシャー・スティーヴンス 井上和彦 牛山茂
スパイク リチャード・エドソン 千葉繁 納谷六朗
レナ フィオナ・ショウ 来宮良子 沢田敏子
ビッグ・バアサ フランチェスカ・ロバーツ 藤生聖子 高乃麗
トード モジョ・ニクソン 荒川太朗 古田信幸
サイモン巡査部長 ドン・レイク 福田信昭
スカペリ ジャンニ・ルッソ 有本欽隆 小山武宏
ジェームス プレストン・レーン 桜井敏治
ヨッシー/グンバ フランク・ウェルカー(声) 原語音声
TVアナウンサー ロバート・D・レインフォード 田原アルノ 西村知道
リポーター#2 パット・ノーデイ 古田信幸 大滝進矢
ナレーター ダン・カステラネタ 黒沢良

評価[編集]

北米興行収入が2100万米ドル、日本配給収入が3億円と、日米ともにヒットはしなかった。

『スーパーマリオブラザーズ』を制作した宮本茂は本作に対し、「作家性の持った違う解釈ができる作品は面白いです」と語っている[6]

ダニー・デヴィートの代役で主演したボブ・ホスキンスは、2人の監督を辛辣に批判しつつ、作品についても「僕の生涯で一番最悪な作品だった」「金のために出たのだが、それでもギャラを投げ返したいぐらい」「なにもかもが素人っぽく、あれほどひどい映画は類を見ないね」と酷評した[7]

ソフト化[編集]

ビデオは字幕吹き替え版ともに、発売元:日本ヘラルド映画、販売元:ポニーキャニオン販売となっている。DVDは公開20年目に当たる2013年に発売。発売・販売共にTCエンタテインメントに変わっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b Super Mario Bros. (1993)”. Box Office Mojo. 2010年1月4日閲覧。
  2. ^ smbmovie.com
  3. ^ 日本語字幕版ではクッパのいとこという設定になっている。
  4. ^ トードをグンバに変異させた男もサイモンである。
  5. ^ 最終的にクッパによって猿に退化させられた唯一の人間となった。
  6. ^ マリオの生みの親・宮本茂、初アニメーションを手掛けたきっかけや、実写版マリオへの思いを語る!【第27回東京国際映画祭】”. シネマトゥデイ (2014年10月26日). 2014年10月26日閲覧。
  7. ^ 「成田陽子の忘れられないスター 第242回 追悼 ボフ・ホスキンス」『キネマ旬報』2014年6月下旬号、p.120

外部リンク[編集]