スンダ
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スンダ(梵: सुन्द, Sunda)は、インド神話に登場するアスラあるいはヤクシャである。主に、
の2人が知られている。以下に説明する。
ウパスンダの兄弟
[編集]ダイティヤ族に属するアスラである。ニクムバ[1][2]あるいはニスンダ(Nisunda)の息子[3]。兄弟はウパスンダ。
スンダとウパスンダ兄弟は三界(天上界、地上界、地下界)を征服してデーヴァ神族からの支配をアスラ族の元へと奪還した。そこでブラフマー神は三界奪回のためにスンダとウパスンダを自滅に追い込むべく、ヴィシュヴァカルマンが作り上げた絶世の美女、アプサラスのティローッタマーを二人に差し向けた。ティローッタマーを見たとたん、スンダとウパスンダはティローッタマーを奪い合い、やがて兄弟でありながら死闘を繰り広げ、自滅した[4][5][6]。これは『マハーバーラタ』に登場する有名なシーンでもある。
ターラカーの夫
[編集]ヤクシャ族のジャンバの息子。ヤクシャの王スケートゥの娘ターラカーと結婚し、息子マーリーチャをもうけた。スンダが聖仙アガスティヤに滅ぼされたとき、ターラカーとマーリーチャはアガスティヤに復讐しようとした。しかし逆に呪われてターラカーは醜い人喰いのヤクシニーに、マーリーチャはラークシャサと化した[7][8]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『原典訳 マハーバーラタ2』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2002年。ISBN 978-4480086020。
- 『ラーマーヤナ1』岩本裕訳、平凡社東洋文庫、1980年。ISBN 978-4582803761。
- 『ラーマーヤナ 世界文学全集III-2』阿部知二訳、講談社、1966年。
- 『インド神話 マハーバーラタの神々』上村勝彦訳、ちくま学芸文庫、2003年。ISBN 978-4480087300。
- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月、pp.94-95頁。ISBN 978-4-490-10191-1。
- 渡邉たまき 著「ティローッタマー」、松村一男他編 編『神の文化史事典』白水社、2013年2月、p.335頁。ISBN 978-4-560-08265-2。