ステーシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ステーシー』は、大槻ケンヂのホラー小説である。

本記事では漫画版、映画版、舞台版についても解説する。

あらすじ[編集]

時は21世紀初頭。15歳から17歳の少女たちが突然変死を遂げ、その屍が数十分から半日の内にゾンビとなって蘇り、人間を襲って喰らうという現象が世界中で蔓延した。さまよえる屍少女たちは、誰言うとなしに「ステーシー」と名付けられた。

用語[編集]

臨死遊戯状様(ニアデスハピネス N.D.H=near death happiness)
ステーシー化を間近に控えた少女たちに見られる、特有の多幸感に満ちた状態。一切の恐怖心は消し飛び、言動は支離滅裂さを帯びる。
再生屍体蝶羽状輝微粉(B.T.P=butterfly twinkle powder)
ステーシーの体表に浮き出す、特殊な体液が結晶化したともされる、紫がかった銀色の微細な粉。ハーブティーの香りがするそれは、昼間は陽光を照り返して輝き、夜の闇の中では燐光を発する。
再殺(repeat kill)
ステーシーを165分割以上の肉塊になるまで解体し、二度目の死を与える行為。“ライダーマンの右手”と呼ばれる小型チェーンソーが最適とされる。
再殺権は親族・恋人にのみ行使を許され、それができない場合は「ロメロ再殺部隊」に依頼せねばならない。
ロメロ再殺部隊
ステーシーと化した少女の親族・恋人以外で、再殺権を持つ部隊。名前はジョージ・A・ロメロより。

登場人物[編集]

渋川
主人公。原作では、恋人・詠子の再殺を行った後、ロメロ再殺部隊に入隊した。
ドリュー
超能力少女。
本名は明音公恵で、あだ名はハム恵である。
モモ
有田約使
学者。映画版では元医学生という設定になっている。

映画版のみの登場人物[編集]

ドリュー違法再殺団
映画版のみ登場。違法再殺を生業とする3人の少女のぞみ・かなえ・たまえによるチームである。
3人ともステーシー化を控えており、違法再殺によって1人100万円の資金を集める事で歌舞伎町の人気ホストであるソリマチ君に再殺してもらえる権利を買おうとする。
須永隊長
「若い娘が気に入らない」という理由でロメロに志願した中年女性。若い新入隊員を自らの愛人としてしまう癖がある。
犬神助清博士
ステーシー研究の権威。凄惨な実験をも嬉々として行う狂気の男。

コミカライズ版[編集]

作画は長田ノオトぶんか社ホラーM』に連載され、単行本も同社(レーベル:ホラーMコミックス)、文庫本は角川書店(レーベル:角川ホラー文庫)より刊行。

映画版[編集]

STACY
監督 友松直之
脚本 大河原ちさと
音楽 特撮
配給 ギャガ
公開 2001年8月18日
上映時間 80分
テンプレートを表示

小説としてのステーシーをもとにした日本のホラー映画。2001年に公開されたこの映画の監督は友松直之。

なお、大槻ケンヂがこの映画に出演しているだけでなく、大槻ケンヂ自身のバンド特撮がこの映画の音楽も担当している

キャッチコピーは「新世紀に舞い降りた、戦慄の純愛。」。

登場人物[編集]

原作との相違点[編集]

渋川と詠子
作中におけるステーシー達の外見や描写は原作に非常に近いものとなっており、凄惨な再殺や実験の様子も映画ならではの特殊効果で前面に強く押し出されている。
またステーシー化現象が蔓延し混乱する世界が舞台となっている事からもその全体像は原作に準じていると言える。
しかし時間軸は原作と異なり、渋川と詠子の物語とリルカにおけるロメロ再殺部隊のエピソード等は全て同時進行で描かれている。
その為に、原作において物語の起点となっていた「渋川による詠子の再殺」が映画版では物語の最後のエピソードとして用意されている。 
それに伴って映画版の渋川は原作のようにロメロ再殺部隊には入隊せず、無人となった人形アトリエに1人残る市井の人間として描かれる。そのアトリエに詠子が現れ、再殺の権利を渋川に託そうとする事から物語は動き出す。
ロメロ再殺部隊
全寮制リルカ女子美術学院は映画版オリジナルキャラクターである犬神助清博士のステーシー研究施設として描かれている。
原作で学者であった有田は元医学生となっており、渋川と同じアトリエにいた青年松井と共にロメロ再殺部隊新入隊員としてリルカに配属される。

舞台版 ステーシーズ 少女再殺歌劇[編集]

モーニング娘。による「ステーシーズ」を原作としたミュージカル。

キャスト[編集]

モーニング娘。

スタッフ[編集]

原作との相違点(舞台版)[編集]

有田とモモ
モモが全寮制リルカ女子美術学院で捕えられたステーシーであることは、原作も舞台版も共通項である。しかし、原作では有田が再殺した恋人に瓜二つであったのに対し、舞台版では再殺した妹に瓜二つであるという設定になっている。また、原作においては生き残り、作品の結末にも重要な役割を持つ2人であるが、劇中では両名とも死亡してしまう。
モモは有田達がステーシーに対して行った全てを「ただ自分の仕事をしただけ」と許した後、有田を噛み殺してしまう。そこに敵意や怒りは無く、ただステーシーとして為すべきことを為しただけと言わんばかりの優しい笑みを、モモも噛まれた有田すらも浮かべていた。その後、同じ現場に居た渋川によりモモも再殺されることとなる。
洞木祐助と東野砂也子
原作では再殺部隊により射殺されてしまう両名だが、舞台版では生存して追手からの逃亡を続ける。逃亡劇の結末は語られていないが、砂也子の台詞から人間とステーシーが共存する世界を見据えていたことがうかがえる。
東野砂也子と砂置子
舞台の脚本・演出を手掛けた末満健一は、この両名を名前の類似性から姉妹と考えていたと述べている(『BS-TBS サマーパーティー2012 ステーシーズ大感謝祭』における発言)。その場にいた原作者の大槻ケンヂは、これに対して「そこまで考えておらず名前の類似もたまたま」という旨を述べたが、末満により舞台版での両名は姉妹であるという設定がその場で定められた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]