スコット・ベッセント
| スコット・ベッセント Scott Bessent | |
|---|---|
 2025年 | |
| 生年月日 | 1962年8月21日（62歳） |
| 出生地 |
 アメリカ合衆国 サウスカロライナ州コンウェイ |
| 出身校 | イェール大学（BA） |
| 配偶者 | John Freeman |
| 子女 | 2人 |
| 内閣 | 第2次トランプ内閣 |
| 在任期間 | 2025年1月28日 - 現職 |
| 大統領 | ドナルド・トランプ |
スコット・ベッセント（英語: Scott K. H. Bessent, 1962年8月21日 - ）は、アメリカ合衆国の投資家、ヘッジファンドマネージャー。現在、同国財務長官（第79代）。キー・スクエア・グループ（Key Square Group）の創立者である[1][2]。ベッセントはドナルド・トランプの選挙キャンペーンの主な資金提供者の一人である。
幼少期と学生時代
[編集]スコット・ベッセントはサウスカロライナ州コンウェイ出身、父親は不動産業者だった[3][4][5]。1984年、ベッセントはイェール大学の政治科学学士号を修了した[4][6]。
キャリア
[編集]ベッセントはジャーナリストを当初は志していたが、母校のイェール大学で募集していた投資家ジム・ロジャーズのインターンに応募したことを機にロジャーズのアパートへの居候などを通じてロジャーズに師事した[7][8]。1991年にロジャーズと関わりがあったジョージ・ソロスが経営するソロス・ファンド・マネジメント（SFM）に入社し、1990年代を通してパートナーを務め、ロンドンオフィスのトップになった[3][9][10][11][12]。1992年、ベッセントはポンド危機を主導した一人であり、イギリス・ポンドを暴落させたことで会社に10億ドル以上の利益を稼いだ。2013年、ベッセントはソロスの紹介で日本の浜田宏一らの知己を得て[7]、円安に賭けたことで利益をさらに拡大させた[13][14]。
ベッセントは2000年にソロス・ファンド・マネジメントを離職し、自分のファンドを立ち上げたが、2005年にそれを閉鎖した[3][15]。2011年から2015年まで、ベッセントはソロス・ファンド・マネジメントに復帰した[10][16]。2015年、ベッセントがキー・スクエア・グループを立ち上げた[17]。2017年年末時点、キー・スクエアの資産規模が51億ドルにのぼった[18]。ウォール街では、ベッセントは『静かな殺し屋（Silent Killer）』の異名を持っていた[7]。
政治
[編集]ベッセントは2000年にアル・ゴアのための募金活動を主催したことがあった[19]。彼はヒラリー・クリントンやバラク・オバマに献金したこともあった[20]。2016年、ベッセントはドナルド・トランプに100万ドルを献金した[21]。
2024年2月、ベッセントがトランプの選挙活動募金イベントを主催し、700万ドル近くの資金を集めた[22]。2024年4月、ベッセントはトランプの選挙キャンペーンのために募金イベントを主催し、5000万ドルを集めた[23]。2024年7月、ブルームバーグ ビジネスウィークはベッセントがトランプの重要な経済アドバイザーに就任したと報じた[24]。ベッセントは安倍晋三の「三本の矢」をモデルにした三つの経済プランをトランプに提案し[25]、トランプの高関税政策にも賛成した[26]。第2次トランプ政権の財務長官候補として有力視されていたが、トランプ陣営内でもイーロン・マスクやロバート・ケネディ・ジュニアは政権移行チーム共同議長のハワード・ラトニックを財務長官に推して特にマスクは「ベッセントは変化をもたらさない」と述べて公然と反対しており[27][28]、これを受けてベッセントはマスクと会談したとも報じられた[29]。
2024年11月、トランプがベッセントを次期アメリカ合衆国財務長官に指名した[30]。2025年1月27日に上院において人事案が賛成68票、反対29票で承認され[31]、翌28日に就任宣誓を行った[32]。同性愛者（ゲイ）であることを公表しているアメリカ史上初の財務長官となった[33]。また2月3日にはトランプより、共和党が長年廃止を求めている消費者金融保護局(CFPB)の局長代理に任命され、調査や訴訟、規則の制定、広報活動といったCFPBの業務をほぼすべて停止させたほか、職員や請負業者に対し、新たな行動を起こさないよう命じた[34]。2月7日に行政管理予算局長として就任したばかりのラッセル・ボートが局長代理に任命され、ベッセントはわずか4日間で局長代理を退任した[35]。
2025年3月4日、アメリカはカナダとメキシコに対して25%の関税措置を発動。両国も報復関税を発動させた。カナダのジャスティン・トルドー首相が、トランプが実行に移した関税を「愚か」と批判[36]すると、ベッセントは、報復措置を打ち出したトルドーを「ばか者」とののしり泥仕合の様相を見せた[37]。
2025年4月5日、トランプ政権が発動した相互関税の影響で暴落する株式市場に関して、「MAGAではなく、中国製人工知能（AI）DeepSeekに始まるマグニフィセント・セブンの問題」という見方を示した[38]。9日に一部の相互関税が停止された際は推進派のピーター・ナヴァロの不在中にベッセントとラトニック商務長官がトランプ大統領に働きかけて決定されたと報じられた[39]。
2025年4月7日、トランプ大統領はアメリカ合衆国通商代表のジェミソン・グリアとともにベッセントを対日通商交渉の責任者に任命し[40]、翌8日に日本の石破茂首相は赤沢亮正経済再生相を対米通商交渉のカウンターパートに指名した[41]。ベッセントは全世界への相互関税を受けていち早く交渉に名乗りを上げた日本に優先的交渉権が与えられたと述べた[42]。
2025年4月18日、アメリカ合衆国内国歳入庁（IRS）をめぐって、3日前に就任したゲイリー・シャプリーが解任されて財務副長官のマイケル・フォークエンダーがIRSの長官代行に任命された背景には人事を強行したマスクとの対立があったとされ[43]、穏やかな性格で知られるベッセントがマスクから「ソロスの手下」と罵倒されたことに対して「Fワード」で言い返すという激しい口論が報じられた[44]。
社会活動
[編集]2006年から2011年まで、ベッセントはイェール大学にて経済史の非常勤教授を務め、三つのコースを講義した[9]。ベッセントはイェール大学の大学評議会のメンバーであり[45]、妹とともにイェール大学にベッセント図書館を寄贈した[46]。
ベッセントは2022年に二つの財団法人を設立した[47][48]。
私生活
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ベッセントはサウスカロライナ州チャールストンに在住している[49]。ベッセントと夫ジョン・フリーマン（John Freeman）の間には2人の子供がいる[50]。
2016年、ベッセントは歴史建築John Ravenel Houseを購入した。この建築の復旧プロジェクトは2021年にチャールストン歴史保全学会から賞を与えられた[47][51][52][53]。
出典
[編集]- ^ Foley, Stephen (2015年8月4日). “Scott Bessent quits Soros group to launch hedge fund”. Financial Times 2024年11月12日閲覧。
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- ^ Riddle, Lyn (2024年11月15日). “SC historic John Ravenel house on High Battery in Charleston is for sale for $22.25M”. The State
| 大統領継承順位 | ||
|---|---|---|
| 上位 マルコ・ルビオ 国務長官 |
第5位 財務長官 |
下位 ピート・ヘグセス 国防長官 |
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