スクワーム

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スクワーム
Squirm
監督 ジェフ・リーバーマン
脚本 ジェフ・リーバーマン
原作 リチャード・カーティス
製作 ジョージ・マナス
出演者 ドン・スカーディノ
パトリシア・ピアシー
ジーン・サリヴァン
R・A・ダウ
音楽 ロバート・プリンス
撮影 ジョーゼフ・マンジン
編集 ブライアン・スメッドリー・アストン
配給 アメリカ合衆国の旗 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
日本の旗 東宝東和
公開 アメリカ合衆国の旗 1976年7月30日
日本の旗 1977年5月21日
上映時間 92分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
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スクワーム』(原題:Squirm)は、1976年アメリカエドガー・ランズベリー=ジョーゼフ・ペラー・プロが製作したアニマル・ホラー映画。特殊メイクにはリック・ベイカーが参加している[1]

ミミズ(実際にはゴカイの類)の大群が凶暴化して人間を襲うという内容から、2015年にはカナダのホラー映画専門のニュースサイト「HORROR‐MOVIES.CA」で虫ホラー映画の1位に選ばれている[1]

日本では劇場公開後、日本テレビの『水曜ロードショー』枠にて佐藤由美子(ジェリー役)らによる日本語吹き替え版が放送された[2]

原作[編集]

原作はアメリカの作家リチャード・カーティス作の同名小説で、1976年に発表されている。日本では1977年に日本語訳(関口幸男)がサンケイ出版(現:扶桑社)から刊行された。 "Squirm" とは、ミミズや芋虫がのたくって這うという意味であり、日本語訳でも人間を襲うのはミミズとされているが、作中の説明ではグリケラ(イソチロリ)と呼ばれるゴカイの仲間となっており、映画でもゴカイとして描かれている。

映画は原作に極めて忠実であるが、原作で記述されていた、副主人公ロジャー・グライムズの少年当時のエピソードは省略されている。ロジャーが少年当時、ミミズ(ゴカイ。以後、原作に従いミミズと記述する。)養殖業を営む父は地面に電流を流すとミミズが地表に這い出てくることを発見したが(実際にはそのようなことは無く、作者の創作であろう)、それと同時にミミズは凶暴化して実験を見ていたロジャーの手の親指に食いつき、父がその指を切断するという部分があったが、映画では省略されて台詞による簡略な説明のみとなっており、ロジャーたちが成人済みの1975年に町が暴風雨に襲われる場面から始まる。

あらすじ[編集]

1975年9月29日、ジョージア州の大西洋沿岸で発生した激しい雷雨は送電線を切り、数十万ボルトの電流を地中に流した。この直後、海辺の小さな町フライ・クリークの人々は、この世のものとは思えぬ怪奇現象を目の当たりにした―――――――

ジョージア州フライ・クリークに住むジェリー・サンダース(パトリシア・ピアシー)は父を亡くし、母ナオミと妹アルマの3人暮らしである。

ジェリーはニューヨークから休みを利用して町の骨董品を見にやって来る恋人ミック(ドン・スカーディノ)を迎えに行くにあたり、嵐で水浸しに荒れた道を通るために、隣家のミミズ養殖業者の息子で幼馴染みのロジャー・グライムズ(R・A・ダウ)に作業用トラックを借りるが、彼女に恋慕していたロジャーは内心穏やかでなかった。

やっと辿り着いたミックを拾ったジェリーは荷台にミミズを満載したままのトラックで森を走りぬける。途中町で一旦トラックを停め、ジェリーは冷蔵庫に入れる氷を買いに車を離れた。その間にミックは近くの喫茶店に入りドリンクを注文したが、出された飲み物の中には1匹のミミズが生きたまま紛れ込んでいた。ミックは店主の女性に抗議するものの、常連として居合わせた保安官や町民たちはよそ者の言葉は信じず、自分で入れたんだろうと言う態度を取られる。その冷たい視線にミックは辟易するが、その時トラックの荷台に積まれていたミミズの箱はいつの間にか消えうせていた。

昼、ミックとジェリーは約束していた町の骨董品屋ピーズリー家へ行くが主人はおらず、探しているうちに裏庭で白骨化した死体を見つける。あわてて保安官を呼んできたものの、その間に白骨は消え失せていた。保安官はまたミックがなにかしでかしたんだろうと言う認識で心証が悪く、まともに取り合おうとしない。

腑に落ちないまま2人は町の居酒屋に出向き、独りで飲んでいたロジャーを釣りに誘った。3人は昼過ぎに礁湖のボート置き場で待ち合わせる事にした。

ミックは、喫茶店の自分のドリンクにミミズが入っていた時に誰かがトラックの荷台からミミズを盗んだのかも知れないと考えて、ロジャーのトラックの荷台を再確認しにジェリーと向かった。ところが荷台にはついさっきピーズリー家の裏庭から消えたものと同じとしか思えない白骨死体がシートに包まれて隠されていた。ミックはロジャーに知られないようにして白骨の身元を確認したいと考え、ある事をジェリーに提案する。

“釣りの間にジェリーがロジャーを足止めし、その間にミックが何かの理由をつけて陸に戻り、白骨の身元を調べる”と言う段取りにして3人での釣りが始まったが、途中ミックが餌のミミズに腕を噛み付かれ肉を食いちぎられると言う異常な出来事が起こる。ミックはその治療を口実にして急ぎボートを降り、気の進まないジェリーがロジャーと2人きりでボートに残った。

ミックが邪魔でイライラしていたロジャーは、ここぞとばかりジェリーに恋を打ち明け、驚かす事があると告げる。綺麗な白骨はそれだけで標本として価値があるため、ロジャーは高く売ってジェリーの気を惹こうと考えていたのだった。ロジャーは嫌がるジェリーを無理やり抱き寄せようとして突き飛ばされる。ボートには餌用のミミズの箱が何箱も積まれていたが、倒れ込んだロジャーはそのミミズに襲われ、顔の肉を何箇所も食い破られながら湖に落ち一旦行方不明となった。ジェリーはロジャーを助けようとしたが、その余りに凄惨な光景に為すすべが無く、1人で家に戻った。

その間、陸に戻ったミックはトラックの荷台から白骨の頭部分を持ち出して、好奇心旺盛なジェリーの妹のアルマと2人で町の歯科医院に出向く。白骨の歯には特徴があった為、カルテを見れば持ち主が判ると思ったからだったが、訪ねた歯医者も又不在だった。ミックとアルマは勝手に歯科医院に侵入し、カルテを白骨と見比べて骨はやはり骨董屋のピーズリーのものだと確認はしたが、死体がなぜわずか1日足らずで骨だけになったのかその理由は判らなかった。

ジェリーとミックは家で落ち合い、ロジャーがミミズに襲われた話を聞いたミックはロジャーが海に近い仕事場に戻っているかもしれないと考え、2人でミミズの養殖場へと探しに向かう。しかし養殖場でミックが発見したのはロジャーではなく、ロジャーの父のウィリーの、今まさにミミズに食われながら白骨化しつつある無残な姿だった。そして車でミックを待つジェリーは、自分をつけ狙うおかしな気配と視線を感じ始める。

“1日に2つ死体を見たら、次は君の番” 焦るミックとジェリーは保安官に、ピーズリーの白骨の事やウィリーも殺された事、ロジャーがミミズに襲われて姿を消した事を訴えるも、ミックに良い印象を持っていない保安官は恋人との食事優先で2人の話など一切聴こうとしない。

仕方なく2人は家に戻り、母、ジェリー、アルマ、ミックの4人で夕食を摂り始めたが、突如倒れてきた庭の巨木が家の半分を押しつぶし、4人はからがら脱出した。ミックは木の根本を見て、何万というミミズが押し倒したのだと知り愕然とする。

崩れた家の壁を少しでも塞ごうと、ミックは板の調達の為に少し離れたところにあると言う壊れた精米所に向かったが、薄暗くなった森の中でロジャーに襲われ、人肉を喰らうミミズが潜むくぼ地に落とされてしまう。ロジャーは嫉妬心から高圧線の電気で凶暴化したミミズを利用し、ミックを亡き者にしようとしていたのだった。が、ミックは着ていたシャツを松明代わりにして火をともし、間一髪のところでくぼ地から脱出した。その時にミミズは火と光を恐れるらしい事でコントロール出来ると気づく。

切れたままの高圧線の電気は依然として地面に流れ続けていた。凶暴化していたミミズは人を食う大群となって町民たちを次々に襲う。すべてを食い尽くすミミズたちは、水道の蛇口やシャワーヘッドからも大量にあふれ出し、床を埋め尽くし、窓からなだれ込み、町は凄まじい有様となっていた。牢屋の中で逢瀬を楽しんでいた保安官と恋人もミミズに襲われてしまう。

ミックはやっとの事で真っ暗なジェリーの家に戻ったが、先に侵入したロジャーがジェリーを縛り、屋根上に隠していた。母とアルマも室内でミミズに襲われており、屋内はついにミミズの海と化す。ジェリーを助けたミックは2階から外の木の枝へと逃げようとしたが、もはや全身ミミズまみれとなって狂乱したロジャーが今度こそミックを殺そうと襲い掛かって来た。ミックは格闘の末にロジャーを倒し、ロジャーは階下で波打つミミズの海へと飲み込まれていった。

ミックとジェリーはなんとか木の枝の上で恐怖の一夜をやり過ごした。夜が明けるとミミズの姿は消え失せていた。

室内で襲われたと思われたアルマは大きな箱に隠れて助かっており、3人は再会する。そこへ事情を知らない電力会社の作業員がやって来て、高圧線と電話線の修理が無事終わった事、しかし町のどこに電話しても誰も受話器を取る人がいない事を伝え、物語の幕は下りる。

キャスト[編集]

※括弧内は日本テレビ版の日本語吹替(2017年2月2日発売のブルーレイに収録)

  • ミック - ドン・スカーディノ(神谷和夫
  • ジェリー・サンダース - パトリシア・ピアシー(佐藤由美子
  • ロジャー・グライムズ - R・A・ダウ(宮村義人
  • ナオミ・サンダース - ジーン・サリヴァン(高村章子
  • ジム・レストン - ピーター・マクリーン(仁内建之
  • アルマ・サンダース - フラン・ヒギンズ(鵜飼るみ子
  • 初回放送 - 1980年9月3日『水曜ロードショー』
    • 演出:蕨南勝之、翻訳:大野隆一、制作:東北新社

スタッフ[編集]

出典[編集]

外部リンク[編集]