スウェーデンの福祉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

スウェーデン一般政府
2013年歳出[1]

  一般公共サービス (14.56%)
  防衛 (2.78%)
  公共秩序・安全 (2.57%)
  経済業務 (8.13%)
  環境保護 (0.62%)
  住宅・地域アメニティ (1.38%)
  保健 (13.12%)
  地域・文化・宗教 (2.05%)
  教育 (12.41%)
  社会保護 (42.32%)

スウェーデン福祉(Welfare in Sweden)は、社会民主主義福祉レジームノルディックモデル)国に位置づけられ、国民の家構想に基づく高負担高福祉国家として知られている[2][3]。 大部分が税金を原資としており、どの分野も公的・民間の両方が存在する。

所管は複数の省庁に分かれており、保健・社会政策はスウェーデン保健・社会政策省、教育はスウェーデン教育研究省英語版、労働政策はスウェーデン雇用省英語版となっている.[4]

また全国民に国民番号制度が採用されており、確定申告、社会保障給付申請、免許証新成人申請時の個人認証、自動車登録、建築許可申請、出生届、婚姻届、年金手続、医療機関予約など、幅広く使用される[5]

財政[編集]

OECD各国税収のタイプ別GDP比(%)。
水色は国家間、青は連邦・中央政府、紫は州、橙は地方、緑は社会保障基金[6]

2003年では、GDPに占める租税率は35.5%(OECDで3位)、さらに社会保障負担を含めると50.6%(OECDで1位)であった[7]。個人所得税はGDP比で15.8%(OECDで2位)、地方税率は平均32%ほどである(2005年)[7]

スウェーデン財務省のシミュレーションでは、納めた税・保険料のうち、45%はその年のうちに本人にサービス還元され、また38%は生涯のうちに本人に還元され、残り18%は他者への再配分となる[8]

コミューン歳出 [7]
健康・社会サービス 24%
個人・家庭ケア 24%
児童福祉 10%
教育 24%
その他 18%

保健・社会政策[編集]

OECD各国のGDPにおける社会的支出割合(公費および私費)[9]
スウェーデンの人口ピラミッド

スウェーデン保健・社会政策省は、傷病・高齢者・社会サービス・医療・健康づくり・こどもの権利・障碍者支援・政府の障碍者政策策定などを所管している[10]

保健医療[編集]

医療はランスティング、高齢者看護はコミューンと役割分担が徹底されている[11]。不要な入院の場合はコミューンにペナルティ支払いが生じ、社会的入院防止措置がなされている[11]

老人介護[編集]

スウェーデンでは親を介護する責務はコミューンにあり、その子供への扶養義務は廃止されている(1956 年社会福祉法)[2]在宅医療老人福祉施設の両面について、コミューンが責務を持つ。

社会保障[編集]

スウェーデンの社会保障は主にスウェーデン社会保険庁英語版が所管しており、他にも個別に保障制度が存在する[12] 主なものは以下。

  • 児童手当(Barnbidrag)および両親手当(Föräldrapenning):子供の16歳までの金銭的支援、および子供一人あたり480日分の育児休業支援。加えて疾病および障害児への手当もある[13]
  • 住宅手当(Bostadsbidrag):住居を持つことについての支援。所得制限がある[13]
  • 傷病手当(Sjukpenning)、傷病補償年金(Sjukersättning)、障害者所得補償金(Handikappersättning):病気や障害で働けない場合の手当[13]
  • 生計費補助(Försörjningsstöd):適正な生計を立てられない人全て(子供を含む)に支給される。純粋にこの支援を必要とするものだけに支給され、サービスは地方自治体によって管理される[14]

年金[編集]

年金は全国共通制度であり、主に賦課方式の所得比例年金(年金保険)と、補助的な最低保証年金(一般税原資)の組み合わせである[15]。最低保証年金はミーンズテストに基づいており、所得比例年金が増えるにしたがって減額され、ある基準以上では完全にゼロになる[15]。所得比例年金の支給額については、積立高を平均寿命で割った金額として機械的に決定される[15]

教育[編集]

労働市場[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Government at a Glance (Report). OECD. (2015). doi:10.1787/22214399. 
  2. ^ a b (PDF) スウェーデンの地方自治 (Report). 財団法人自治体国際化協会. (2004年3月). http://www.clair.or.jp/j/forum/series/pdf/j15.pdf. 
  3. ^ 平成24年版厚生労働白書 (Report). 厚生労働省. (2012). pp. 81-82. http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/12/. 
  4. ^ Regeringskansliet med departementen” (Swedish). 2010年2月26日閲覧。
  5. ^ 翁百合ほか 2012, Chapt.3.4.
  6. ^ Revenue Statistics (Report). OECD. doi:10.1787/19963726. 
  7. ^ a b c 星野泉 (2006-03). スウェーデンの地方財政と地方財政調整制度 (PDF). 平成17年度比較地方自治研究会調査研究報告書 (財団法人自治体国際化協会). http://www.clair.or.jp/j/forum/series/pdf/h17-7.pdf. 
  8. ^ 飯野靖四「スウェーデンの社会保障と所得再分配」、『海外社会保障研究』第159巻、国立社会保障・人口問題研究所2007年、 40-41頁。
  9. ^ OECD Social Expenditure Statistics (Report). OECD. (2011). doi:10.1787/socx-data-en. http://www.oecd.org/els/soc/expenditure.htm. 
  10. ^ Socialdepartementets ansvarsområden” (Swedish). 2010年2月26日閲覧。
  11. ^ a b 翁百合ほか 2012, p. 204.
  12. ^ Social Insurance in 10 minutes (PDF)”. Försäkringskassan. 2011年5月15日閲覧。
  13. ^ a b c 海外情勢報告 2013, p. 285.
  14. ^ Ekonomiskt bistånd” (swedish). Government offices of Sweden. 2011年5月15日閲覧。
  15. ^ a b c 翁百合ほか 2012, Chapt.5.

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]