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ジョン・ベイツ・クラーク賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ジョン・ベイツ・クラーク賞(John Bates Clark Medal)は、1947年以降アメリカ経済学会が授与している経済学賞である。賞の名前は、アメリカにおける近代経済学の創始者であるジョン・ベイツ・クラークコロンビア大学教授、1895-1913)に因む。対象となるのは40歳以下のアメリカの経済学者であり、かつては隔年且つ生涯に一度しか授与されなかったことから、アメリカの経済学者にとっては、ノーベル経済学賞より受賞が難しいとも言われている(ただし、2010年からは毎年授与されるようになっている)。

2022年9月現在で、受賞者総数44名中14名(31.8%)が後に、ノーベル経済学賞を受賞していることから、数ある経済学賞の中でも最もノーベル賞に近い賞とされている。経済学における最高の賞の一つである。

第1回受賞者のポール・サミュエルソン以下、ミルトン・フリードマンゲーリー・ベッカー、比較的最近の例ではジョセフ・E・スティグリッツジェームズ・ヘックマンといった面々が受賞している。 同賞受賞からノーベル賞受賞までの最短記録は、ケネス・アローの15年で、最長記録は、ジェームス・トービンロバート・ソローの26年である。平均は、22年である。ポール・サミュエルソンは、同賞(32歳)最年少受賞記録保持者である。

2007年には、初の女性受賞者が誕生した。

過去の受賞者

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受賞者[1] 所属(受賞時) 出身 (博士号) 国籍 ノーベル賞
1947 ポール・サミュエルソン マサチューセッツ工科大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国 1970
1949 ケネス・E・ボールディング ミシガン大学 オックスフォード大学 アメリカ合衆国
1951 ミルトン・フリードマン シカゴ大学 コロンビア大学 アメリカ合衆国 1976
1955 ジェームズ・トービン イェール大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国 1981
1957 ケネス・アロー スタンフォード大学 コロンビア大学 アメリカ合衆国 1972
1959 ローレンス・クライン ペンシルバニア大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国 1980
1961 ロバート・ソロー マサチューセッツ工科大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国 1987
1963 ヘンドリック・ハウタッカー ハーバード大学 アムステルダム大学 オランダ
1965 ツヴィ・グリリカス ハーバード大学 シカゴ大学 イスラエル
1967 ゲーリー・ベッカー シカゴ大学 シカゴ大学 アメリカ合衆国 1992
1969 マーク・ナーラブ イェール大学 ジョンズ・ホプキンズ大学 アメリカ合衆国
1971 デール・ジョルゲンソン ハーバード大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国
1973 フランクリン・M. フィッシャー マサチューセッツ工科大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国
1975 ダニエル・マクファデン カリフォルニア大学バークレー校 ミネソタ大学 アメリカ合衆国 2000
1977 マーティン・フェルドシュタイン ハーバード大学 オックスフォード大学 アメリカ合衆国
1979 ジョセフ・E・スティグリッツ プリンストン大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国 2001
1981 マイケル・スペンス ハーバード大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国 2001
1983 ジェームズ・ヘックマン シカゴ大学 プリンストン大学 アメリカ合衆国 2000
1985 ジェリー・A・ハウスマン マサチューセッツ工科大学 オックスフォード大学 アメリカ合衆国
1987 サンフォード・J・グロスマン プリンストン大学 シカゴ大学 アメリカ合衆国
1989 デイヴィッド・クレプス スタンフォード大学 スタンフォード大学 アメリカ合衆国
1991 ポール・クルーグマン マサチューセッツ工科大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国 2008
1993 ローレンス・サマーズ 世界銀行 ハーバード大学 アメリカ合衆国
1995 デヴィッド・カード カリフォルニア大学バークレー校 プリンストン大学 カナダ 2021
1997 ケビン・M・マーフィー シカゴ大学 シカゴ大学 アメリカ合衆国
1999 アンドレ・シュライファー ハーバード大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2001 マシュー・ラビン カリフォルニア大学バークレー校 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2003 スティーヴン・レヴィット シカゴ大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2005 ダロン・アシモグル マサチューセッツ工科大学 ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス トルコ・アメリカ合衆国
2007 スーザン・エイシー スタンフォード大学 スタンフォード大学 アメリカ合衆国
2009 エマニュエル・サエズ カリフォルニア大学バークレー校 マサチューセッツ工科大学 フランス
2010 エスター・デュフロ マサチューセッツ工科大学 マサチューセッツ工科大学 フランス 2019
2011 ジョナサン・レビン スタンフォード大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2012 エイミー・フィンケルスタイン マサチューセッツ工科大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2013 ラジ・チェティ ハーバード大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国
2014 マシュー・ジェンツコウ英語版 シカゴ大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国
2015 ローランド・G・フライヤー・Jr英語版 ハーバード大学 ペンシルベニア州立大学 アメリカ合衆国
2016 ユリ・サニコフ プリンストン大学 スタンフォード大学 ウクライナ
2017 デイブ・ドナルドソン[2] スタンフォード大学 [3] ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス カナダ
2018 パラグ・パサク英語版[4] マサチューセッツ工科大学 ハーバード大学 アメリカ合衆国[5]
2019 エミ・ナカムラ[6] カリフォルニア大学バークレー校 ハーバード大学 アメリカ合衆国・カナダ
2020 メリッサ・デル英語版[7] ハーバード大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2021 イサイア・アンドリュース英語版[8] ハーバード大学 マサチューセッツ工科大学 アメリカ合衆国
2022 オレグ・イツコキ英語版[9] カリフォルニア大学ロサンゼルス校 ハーバード大学 ロシア・アメリカ合衆国
2023 ガブリエル・ズックマン カリフォルニア大学バークレー校 パリ経済学院 フランス
2024 フィリップ・シュトラックドイツ語版 ボン大学 イェール大学 ドイツ

脚注

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  1. ^ American Economic Association”. www.aeaweb.org. 2019年6月26日閲覧。
  2. ^ A trade economist wins the John Bates Clark medal”. 2019年6月26日閲覧。
  3. ^ Professor Dave Donaldson awarded the 2017 John Bates Clark Medal – Economics”. economics.stanford.edu. 2019年6月26日閲覧。
  4. ^ Parag Pathak, Clark Medalist 2018”. American Economic Association. 20 April 2018閲覧。
  5. ^ Parag Pathak, 2003”. P.D. Soros Fellowship for New Americans. 20 April 2018閲覧。
  6. ^ Emi Nakamura, Clark Medalist 2019”. American Economic Association. 2019年6月26日閲覧。
  7. ^ Melissa Dell, Clark Medalist 2020”. American Economic Association. 2020年6月19日閲覧。
  8. ^ Isaiah Andrews, Clark Medalist 2021”. American Economic Association. 2022年1月29日閲覧。
  9. ^ Isaiah Andrews, Clark Medalist 2022”. American Economic Association. 2022年9月8日閲覧。

関連項目

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