ジョゼフ・ヴァンドリエス

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ジョゼフ・ヴァンドリエス(Joseph Vendryes[1]1875年1月13日1960年1月30日)は、フランス言語学者インド・ヨーロッパ語族、とくにケルト語が専門。主著『言語学概論』は日本語を含む多くの言語に翻訳されている。

生涯と業績[編集]

ヴァンドリエスはパリに生まれた。1894年に大学を卒業した後、高等研究実習院アントワーヌ・メイエ比較言語学を、シルヴァン・レヴィサンスクリットを、アンリ・ゲドズとアルボア・ド・ジュバンヴィルにケルト語を学んだ。1898年から翌年にかけてフライブルク大学に留学して、ルドルフ・トゥルナイゼンにケルト語を学んだ。

帰国後、1901年に高等研究実習院のサンスクリット講師の職を得た。その後クレルモン=フェラン大学、カーン大学で教え、1907年にパリ大学のインド・ヨーロッパ語比較言語学の教授となった(1946年に退官)。1925年にはゲドズの後任として高等研究実習院のケルト語学主任もつとめた。

主著『言語学概論』(Le Langage : introduction linguistique à l'histoire)が書かれたのは1914年だが、第一次世界大戦のために出版されたのは1921年になってからだった。この著作でヴァンドリエスは生きた言語の共時的・静態的な研究の重要性を説き、言語を人類学的・心理学的・社会学的な存在とした。邦訳がある。

  • 『言語学概論:言語研究と歴史』藤岡勝二訳、刀江書院、1938年。

ヴァンドリエスは、メイエ・コーアン編『世界の言語』(1924)のインド・ヨーロッパ諸語の部分を担当している。やはりメイエと共著で『古典語比較文法概論』(Traité de grammaire comparée des langues classiques、1924初版)を著している。

ケルト語研究においては、アルファベット順の『古アイルランド語語源辞典』を編集した。2巻分(A, MNOP)を出版したところでヴァンドリエスが没した。没後5巻(B, C, D, RS, TU)が出版されたが、未完に終わっている。

ほかに、ケルト人の宗教に関する著書もある。

脚注[編集]

  1. ^ Vendryès とも書かれる

参考文献[編集]

  • Benveniste, Émile (1967) [1960]. “Joseph Vendryes (1875-1960)”. Portraits of Linguists: A Biographical Source Book for the History of Western Linguistics, 1746-1963. 2 (2nd ed.). Indiana University Press. pp. 385-393.  (フランス語)