ジュール・ド・グランダン

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ジュール・ド・グランダンJules de Grandin)は、シーベリイ・クインによって創造され、1925年から1951年にわたりパルプ・マガジンウィアード・テイルズ」に93篇が掲載されて人気を博した架空の探偵である。

フランス人。ソルボンヌ大学と聖ラザロ病院の教授。「加速進化」という著書がある。

副業に犯罪学者、オカルト研究家。「幽霊退治人(The Phantom Fighter)」の異名を持つオカルト探偵。

金髪、きっちり整えられた口ひげ、深く窪んだ小さな青い目が印象的である。身長はやや低めだが、猫を思わせるしなやかな動作の持ち主。流暢な英語をしゃべるが、感嘆や悪態には母語であるフランス語が出る。

シャーロック・ホームズに対するワトソン博士のような存在として、トロウブリッジ医師(Dr. Trowbridge)が彼のアシスタントを勤めた。二人はニュージャージー州ハリソンヴィル在住とされた。

ド・グランダン教授は、幽霊悪霊人狼、様々な極悪人たちと戦った。超自然的存在の仕業と思われた様々な怪奇事件が実は、狂気や邪悪な人間によるものであったというエピソードも多い。

日本語訳作品[編集]

  • 『悪魔の花嫁』(長編 創元推理文庫 2010年) The Devil's Bride (Weird Tales, Feb. 1932 - Jul. 1932) 
  • 『グランダンの怪奇事件簿』(論創社、ダーク・ファンタジー・コレクション(4)、2007年)
    • 「ゴルフリンクの恐怖」Horror on the Links (Weird Tales, Oct 1925):『慄然の書 ウィアード・テイルズ傑作集』(継書房、1975年)に「ゴルフ・リンクの恐怖」として収載
    • 「死人の手」The Dead Hand (Weird Tales, May 1926)
    • 「ポルターガイスト」 The Poltergeist(Weird Tales, Oct 1927)
    • 「眠れぬ魂」 Restless Souls(Weird Tales, Oct 1928)
    • 「死体を操る者」 The Corpse-Master(Weird Tales, Jul 1929)
    • 「銀の伯爵夫人」 The Silver Countess(Weird Tales, Oct 1929)
    • 「ウバスティの子どもたち」 Children of Ubasti(Weird Tales, Dec 1929)
    • 「フィップス家の悲運」 The Curse of the House of Phipps (The Doom of the House of Phipps) (Weird Tales, Jan 1930)
    • 「ウォーバーグ・タンタヴァルの悪戯」 The Jest of Warburg Tantavul(Weird Tales, Sep 1934)
  • 「呪いの家」The House of Horror (Weird Tales, Jul 1926):『アンソロジー・恐怖と幻想(2)』(月刊ペン社、1971年)に収載
  • 『魔の配剤 <イギリス恐怖小説傑作選>』(朝日ソノラマ、ソノラマ文庫海外シリーズ、1985年)に「恐怖の館」として収載
  • 「影のない男」 The Man who Cast No Shadow(Weird Tales, Feb 1927):『吸血鬼伝説 ドラキュラの末裔たち』(原書房、1997年)に収載
  • 「恐怖の鐘楼」 The Chapel of Mystic Horror(Weird Tales, Dec 1928) :『ウィアード・テールズ(2)』(国書刊行会、1984年)に収載
  • 「月の光」 Clair De Lune(Weird Tales, Nov 1947):ミステリマガジン1974年7月号に収載