ジュネーヴシール

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ジュネーヴシール(英:Geneva Seal 、仏:Poinçon de Genève 、独:Genfer Siegel )は、スイスジュネーヴ市及びジュネーヴ州紋章であり、スイス政府及びジュネーヴ州によって規定された基準に基づいた品質規定における最高級スイス時計の証としても用いられる。後者の場合には、ジュネーヴスタンプとも呼ばれる。

概要[編集]

ジュネーヴシールの時計の品質証明としての使用は1886年11月6日ジュネーヴ市議会がジュネーヴで製造された機械式ムーブメントの製造技術を保護するために「ジュネーブ天文台の時計作動検査に関する法律」(仏:Loi sur le contrôle facultatif des montres )を可決したことに始まる。

基準は12条からなり、認定を受けたムーブメントの受け(ブリッジ)にジュネーヴ市かつジュネーヴ州の紋章が刻印される。スイスの国家機関に準じるスイス公認クロノメーター検定協会(COSC、Controle Officiel Suisse des Chronometres )が認定する「クロノメーター」と共に機械式ムーブメントの一つの基準、あるいは付加価値として認知されている。

品質保証と排他性[編集]

ジュネーブシールの規定の中には精度に関するチェックは一切含まれない。(審美面のみのチェックである) しかし、メーカーが希望をすればジュネーブシールのついた時計には無条件でクロノメーター合格証明証が発行される。 これは、これだけ手間をかけたのだから精度がよくて当然 というジュネーブ州の方針からである 元来が、ジュラ渓谷の時計産業に負けて、活気を失っていたジュネーブ州の時計産業の保護を目的として生まれたため、 ジュネーブ州で製造したムーブメント(後述の抜け道はある)のみを対象としていた。 

一時期は、パテック・フィリップの新型ムーブメントを相応しくないと不合格にするなど (翌年パテック・フィリップは該当部分を修正して検査に合格)一定のチェック機能があったが、 現在は新規申請メーカーには非常に厳しい審査を行うものの一度審査を通過したという実績さえ生まれてしまえば、 新型ムーブメントに対するチェックはほぼ行われない。 (ロジェ・デュブイの明らかに適合しないムーブメントへの 合格等)

ジュネーヴに本社があればどこで製造しようが現在は審査対象となる(パテック・フィリップがレマニア、 ルクルトなどからムーブメントを購入しているにもかかわらず、ほぼ無条件でスタンプされることに当時の知事が疑問を持ったため)。

最初の1つを審査合格してしまえば残りの製品は無条件で刻印することが出来たパテック・フィリップ(この品質保証の9割近くを同社製品が占めていた) が一部大手グループ(検査機関への資金援助を行っている)所属のブランドへの甘い検査への不信感を示し、 自社独自の品質検査 に移行するなど ジュネーブスタンプへの信頼度は揺らいでいる