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ジャンダルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンダルム
奥穂高岳山頂から望むジャンダルム
奥穂高岳山頂から望むジャンダルム
標高 3,163[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県松本市岐阜県高山市
位置 北緯36度17分16秒 東経137度38分37秒 / 北緯36.28778度 東経137.64361度 / 36.28778; 137.64361
山系 飛騨山脈
種類 氷食尖峰
ジャンダルムの位置(日本内)
ジャンダルム
プロジェクト 山
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ジャンダルム (Gendarme) は、飛騨山脈(北アルプス)穂高連峰・奥穂高岳の西南西にあるドーム型の岩稜。標高は3,163 m[1][注 1]

名称はスイスアルプス山脈アイガーにある垂直の絶壁(高さ約200 m)の通称に由来する[3][4]が、本来はフランス語国家憲兵のこと[2]。転じて山岳用語としては、尾根上の通行の邪魔をする岩をいう (en)。奥穂高岳ジャンダルムは奥穂高岳の前衛峰として名付けられた[2]

概要

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中部山岳国立公園内の、西穂高岳と奥穂高岳との縦走路途上にある。南北3.5km、東西1.5km[2]。大きく天を突く特異な形から山岳写真被写体としてよく選ばれる。ジャンダルムの北側にも、ロバの耳、さらに北側に馬ノ背と呼ばれる急峻な痩せ尾根の難所が続く。ジャンダルムを含めこれらの名が付けられたのは、昭和になってからである[5]。この奥穂高岳のジャンダルムが最も著名だが、他にも剱岳チンネのジャンダルムなど、同じような前衛峰にも同じ名が付けられている。岩壁は閃緑斑岩柱状節理で出来ている[2]

登山コース

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この頂上は岩塔のため360度の絶景が得られる。北側から稜線を直登するコースは、登下降にクライミングロープが必要な絶壁の岩壁となっている。一般には、南西の飛騨側から回り込んだ往復のコースが用いられるが、岩登り経験がある熟達者向けである。信州側の巻道でこの基部を通り、頂上を通らないで迂回(トラバース)することができる[6]。積雪期の不安定な状態の時は、この基部で迂回できない場合があり[7]、北側に稜線を下る場合はクライミングロープが必須となる。

出来事

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2009年平成21年)8月23日に、登山家田部井淳子NHKアナウンサーの内多勝康が、NHK総合テレビジョンの中部7県向けの番組『金とく』の「北アルプス大縦走(後編)ついに来た!夢の頂」でここに登頂した[8]。危険が伴うため、番組中ではプロの山岳ガイドがクライミングロープでサポートを行った。番組は翌月の9月18日に放送され、DVDも『夏の北アルプス あぁ絶景!雲上のアドベンチャー』としてNHKエンタープライズから発売されている。

同年9月11日に、この南側すぐ近くで遭難者救助中の岐阜県防災ヘリコプターが、岩壁に衝突して墜落し、3名が死亡した[9]

関連画像

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注釈

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  1. ^ 原山智「上高地地域の地質」地質調査所(1990年、平成2年)の記載では標高3,180m[2]

脚注

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  1. ^ a b 地図閲覧サービス(ジャンダルム)”. 国土地理院. 2013年4月6日閲覧。
  2. ^ a b c d e 原山智. “上高地地域の地質”. 地質調査所. 2021年1月7日閲覧。
  3. ^ NHK. “スイスアルプス ユングフラウとアレッチュ2”. 世界遺産ライブラリー. http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/card/cards910.html 2014年6月16日閲覧。 
  4. ^ NHK. “スイス・アイガー”. 世界の名峰グレートサミッツ エピソード100. http://www.nhk-g.co.jp/program/documentary/great_sumits_100/011/index.html 2014年6月16日閲覧。 
  5. ^ 深田久弥日本百名山朝日新聞社、211頁、ISBN 4-02-260871-4
  6. ^ 『ヤマケイ アルペンガイド19 上高地・槍・穂高』山と溪谷社、87頁、ISBN 4-635-01319-7
  7. ^ 『日本雪山登山ルート集』山と溪谷社、14頁、ISBN 4-635-18003-4
  8. ^ 金とくの番組ブログ
  9. ^ 航空事故調査報告書』(PDF)(プレスリリース)運輸安全委員会、2011年10月28日https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/rep-acci/AA2011-7-1-JA96GF.pdf2023年1月20日閲覧 

参考文献

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ウィキメディア・コモンズには、ジャンダルムに関するカテゴリがあります。