ジャヤント・ナーリカー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
ジャヤント・ヴィシュヌ・ナーリカー
Jayant Vishnu Narlikar
Jayant Vishnu Narlikar - Kolkata 2007-03-20 07324.jpg
ジャヤント・ナーリカー
生誕 (1938-07-19) 1938年7月19日(81歳)
イギリス領インド帝国の旗 イギリス領インド帝国 コールハープル・マラーター王国コールハープル
(現 インドの旗 インド マハーラーシュトラ州
居住 インドの旗 インド プネー
国籍 インドの旗 インド
研究分野 物理学・天文学
研究機関 ケンブリッジ大学
タタ基礎研究所英語版
インド天文学大学連合機関英語版
出身校 バナーラス・ヒンドゥー大学英語版
ケンブリッジ大学
博士課程
指導教員
フレッド・ホイル
博士課程
指導学生
タヌー・パドマナブハン英語版
主な業績 疑似定常宇宙論
ホイル・ナーリカーの重力理論英語版
主な受賞歴 スミス賞 (1962)
パドマ・ブーシャン英語版 (1965)
パドマ・ビブーシャン英語版 (2004)
ピエール・ジャンサン賞英語版 (2004)
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

ジャヤント・ヴィシュヌ・ナーリカー(Jayant Vishnu Narlikar、1938年7月19日 - )は、インド天体物理学者である。

彼は、ホイル・ナーリカーの重力理論英語版として知られる共形重力英語版の理論をフレッド・ホイルと共に構築した。これは、アルベルト・アインシュタイン相対性理論マッハの原理を統合するものである。それは、粒子の慣性質量が他の全ての粒子の質量に宇宙期の関数である結合定数を乗じた関数であると提案している。

若年期[編集]

ナーリカーは1938年7月19日、インド・コールハープルで学者の家族の元に生まれた。彼の父・ヴィシュヌ・ヴァスデヴ・ナーリカー英語版は、ヴァーラーナシーバナーラス・ヒンドゥー大学英語版の数学科の教授と学科長を務めた数学者であり、母・スマティ・ナーリカーはサンスクリットの学者だった[1][2]。母方の叔父は著名な統計学者のV・S・ハズルバザール英語版だった[3]

業績[編集]

ナーリカーは1957年にバナーラス・ヒンドゥー大学でBScの学位を取得した。その後1959年にケンブリッジ大学で数学のBAの学位を取得し、シニアラングラー英語版(首席)の栄誉を得た[4]。1960年に、天文学のタイソン・メダル英語版、1962年にスミス賞を受賞した。1963年にフレッド・ホイルの指導の下でPh.D.を取得した後、キングス・カレッジでベリー・ラムゼイ・フェローを務め、1964年に天文学と天体物理学の修士号を取得した。その後1972年までキングス・カレッジでフェローとして研究を続けた。

1966年、フレッド・ホイルがケンブリッジ理論天文学研究所を設立し、ナーリカーは研究所の創立スタッフとして1972年まで務めた。1972年、ナーリカーはインド・ムンバイタタ基礎研究所英語版(TIFR)で教授を務めた。TIFRでは理論天体物理学の研究グループを担当していた。1988年、インド大学助成金委員会はプネーにインド天文学大学連合機関英語版(IUCAA)を設立し、ナーリカーはIUCAAの初代理事長に就任した。1981年、ナーリカーは世界文化理事会の創設メンバーになった[5]

ナーリカーは宇宙論の研究において、一般的なビッグバン宇宙モデルとは違う、定常宇宙モデルの擁護者として知られている[6]。1994年から1997年にかけて、彼は国際天文学連合の宇宙学委員会の議長だった。彼の研究には、マッハの原理、量子宇宙論遠隔作用論などがある。

栄誉[編集]

ナーリカーは国内外の賞や名誉博士号を多数授与されている。

2004年、彼の研究を讃えて民間人に対する栄誉としてはインドで2番目に高位となるパドマ・ビブーシャン英語版が授与された[7]。それ以前に、3番めに高位となるパドマ・ブーシャン英語版は1965年に授与されていた[7]

シャンティ・スワロープ・バットナガー科学技術賞英語版、M.P. Birla賞、フランス天文学会英語版からピエール・ジャンサン賞英語版を受賞している。ロンドンの王立天文学会の准会員であり、インド国立科学アカデミー英語版世界科学アカデミー英語版のフェローである。

科学的研究は別に、ナーリカーは本、記事、ラジオ番組、テレビ番組を通して科学のコミュニケーターとしてよく知られている。これらの努力により、彼は1996年にユネスコからカリンガ賞英語版を受賞した[8]。1980年代後半、彼はカール・セーガンのテレビ番組『コスモス』に出演した。彼は1990年にインド国立科学アカデミーからインディラ・ガンジー賞を受賞した[9]

著書[編集]

ナーリカーは、科学論文や書籍、一般向けの科学書のほか、英語ヒンディー語マラーティー語によるSF・小説・短編小説を書いている。

ノンフィクション[編集]

英語:

  • Facts and Speculations in Cosmology, ジェフリー・バービッジとの共著, Cambridge University Press 2008, 978-0-521-13424-8
  • Current Issues in Cosmology, 2006
  • A Different Approach to Cosmology: From a Static Universe through the Big Bang towards Reality, 2005
  • Fred Hoyle's Universe, 2003
  • Scientific Edge: The Indian Scientist from Vedic to Modern Times, 2003
  • An Introduction to Cosmology, 2002
  • A Different Approach to Cosmology, ジェフリー・バービッジ、フレッド・ホイルとの共著, Cambridge University Press 2000, 0-521-66223-0,
  • Quasars and Active Galactic Nuclei: An Introduction, 1999
  • From Black Clouds to Black Holes, 1996
  • From Black Clouds to Black Holes (Third Edition), 2012,[10]
  • Seven Wonders of the Cosmos, 1995
  • Philosophy of Science: Perspectives from Natural and Social Sciences, 1992
  • The extragalactic universe: an alternative view, フレッド・ホイル、チャンドラ・ウィクラマシンゲ英語版との共著, Nature 346:807–812, 30 August 1990
  • Highlights in Gravitation and Cosmology, 1989
  • The Primeval Universe, 1988
  • Violent Phenomena in the Universe, 1982
  • The Lighter Side of Gravity, 1982
    • 日本語訳: 重力―宇宙を支配する力の謎, 中村孔一 訳, 日経サイエンス社, 1986年, 4-532-06264-0
  • Physics-Astronomy Frontier, フレッド・ホイルとの共著, 1981
    • 日本語訳: 宇宙物理学の最前線, 桜井邦朋・深田豊・星野和子 訳, みすず書房, 1991年, 4-622-04084-0
  • The Structure of the Universe, 1977
  • Creation of Matter and Anomalous Redshifts, 2002
  • Absorber Theory of Radiation in Expanding Universes, 2002

マラーティー語:

  • आकाशाशी जडले नाते, नभात हसरे तारे.

フィクション[編集]

英語:

  • The Return of Vaman, 1990
  • The Adventure
  • The Comet

マラーティー語:

  • वामन परत न आला, यक्षांची देणगी, अभयारण्य, व्हायरस, प्रेषित, अंतराळातील भस्मासूर, टाईम मशीनची किमय, ujavya sondecha ganpati

ヒンディー語:

  • paar najar ke

私生活[編集]

ナーリカーは数学者のマンガラ・ラジワデ英語版と結婚した。2人の間には3人の娘がいる。

脚注[編集]

  1. ^ “Jayant Vishnu Narlikar”. Biographical Memoirs of Fellows of the Indian National Science Academy 19: 123–127. (1994). https://books.google.com/books?id=2qzaAAAAMAAJ 2015年7月27日閲覧。. 
  2. ^ Dadhich, Naresh (10 July 2014). “Jayant Vishnu Narlikar”. Current Science 107 (1): 113–120. http://www.currentscience.ac.in/Volumes/107/01/0113.pdf 2015年7月27日閲覧。. 
  3. ^ “Vasant Shankar Huzurbazar”. Biographical Memoirs of Fellows of the Indian National Science Academy: 45–50. http://insaindia.res.in/BM/BM20_9504.pdf 2016年10月28日閲覧。. 
  4. ^ Mitton, Simon (2005). Fred Hoyle: A Life in Science. Aurum. p. 275. ISBN 978-1-85410-961-3. 
  5. ^ About Us”. World Cultural Council. 2016年11月8日閲覧。
  6. ^ Monte, Leslie (2015年1月24日). “I don't subscribe to the bandwagon idea of Big Bang: Jayant Vishnu Narlikar”. Live Mint. http://www.livemint.com/Leisure/5BzUHIqBzqdx9dJS9netTN/I-dont-subscribe-to-the-bandwagon-idea-of-Big-Bang-Jayant.html 2015年7月27日閲覧。 
  7. ^ a b Padma Awards”. Ministry of Home Affairs, Government of India (2015年). 2014年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年7月21日閲覧。
  8. ^ Kalinga Prize laureate”. UNESCO. 2015年7月27日閲覧。
  9. ^ Jayant Vishnu Narlikar”. Meghnad.iucaa.ernet.in (1938年7月19日). 2016年10月29日閲覧。
  10. ^ Jayant V Narlikar. “From Black Clouds to Black Holes”. World Scientific Series in Astronomy and Astrophysics 13. http://www.worldscibooks.com/physics/8148.html 2016年10月30日閲覧。. 

外部リンク[編集]