ジャイアントパンダ属

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ジャイアントパンダ属
生息年代: 2.00–0 Ma
Ailuropoda fovealis skull.jpg
Chengdu pandas eating.jpg
(上) 化石種の一つ Ailuropoda fovealis [1][2]
(下) 現生のジャイアントパンダ
地質時代
約200万年前 - 現世
新生代第四紀更新世前期ジェラシアン - 完新世サブアトランティックja])
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
(もしくは)
四肢動物上綱 Tetrapoda
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
階級なし : (未整理[3]
北方真獣類 Boreoeutheria
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
階級なし : (未整理)ペガサス野獣類 Pegasoferae
(未整理)友獣類 Zooamata
(未整理)野獣類 Ferae
(未整理)食肉形類 Carnivoramorpha
: ネコ目(食肉目) Carnivora
亜目 : イヌ亜目 Caniformia
下目 : クマ下目 Arctoidea
上科 : クマ上科 Ursoidea
: クマ科 Ursidae
亜科 : ジャイアントパンダ亜科 Ailuropodinae
: ジャイアントパンダ属 Ailuropoda
学名
genus Ailuropoda
Milne-Edwards1870
タイプ種
A. melanoleuca
(David1869)
シノニム

Aeluropus Lydekker1891
Ailuropus Milne-Edwards1871
Pandarctos Gervais1870 [4]

和名
ジャイアントパンダ属
下位分類群(
本文にて詳述する
ジャイアントパンダの生態図
アルフレート・ブレーム編著『ブレーム動物事典 (Brehms Tierleben)』を飾る挿絵の一枚として、画家フレデリック・ヴィルヘルム・クネルト (de) が1927年に描いたもの。[5]

ジャイアントパンダ属(ジャイアントパンダぞく、学名genus Ailuropoda)は、約200万年前[6][7][8]新生代第四紀更新世前期ジェラシアン)の中国大陸に出現し、進化した、植物食性傾向、特に食への偏向が強く認められる[7]雑食性クマ科哺乳類の一分類群(1)。

現在(2010年時点)は、ネコ目(食肉目)- イヌ亜目- クマ下目 (en) 中のクマ科- ジャイアントパンダ亜科に分類する説と、クマ科中のジャイアントパンダ (tribus Ailuropodini) に分類する説[9]がある。 5種が知られている[7]なか、1種・ジャイアントパンダのみが現存し、他の4種は有史以前に絶滅している[7]

本属は、約800万年前(中新世後期前半トートニアン)の熱帯多雨林を中心としてユーラシア大陸に広く分布していたアイルアラクトス属(学名:Ailuaractos [語義:猫熊、含意:パンダ熊]。異称:始熊猫中国語名:始熊貓始熊猫])の、中国大陸南部の種である A. Lufengensis (狭義の「始熊猫」)と系統上つながっているものと考えられる[6][7]

呼称[編集]

学名については、別項「ジャイアントパンダ#学名」、同じく、標準和名については「ジャイアントパンダ#日本語名」にて詳述する。

分類[編集]

上位分類[編集]

ジャイアントパンダ類がクマ科の下位分類であることに異説は無いが、分類群(タクソン)としての束ね方で、「クマ科- ジャイアントパンダ亜科」とする説と「クマ科- クマ亜科- ジャイアントパンダ族」とする説に分かれる。しかしいづれにしても、その下位を構成するのは、化石種も含めて、ジャイアントパンダ属のみである。

上位分類説 (1)[編集]

ジャイアントパンダ亜科[編集]

ジャイアントパンダ亜科の姉妹群は、メガネグマ亜科とクマ亜科である。

上位分類説 (2)[編集]

クマ亜科[編集]

下位分類[編集]

表記内容は左から順に、学名和名もしくは仮名表記(無記は現状未確認の意)、英語名、中国語名(繁体字簡体字)、特記事項。 なお、ジャイアントパンダ属の中国語表記には、ジャイアントパンダとおおよそ同様に、大熊貓屬(大熊猫属)大貓熊屬(大猫熊属)熊貓屬(熊猫属)貓熊屬(猫熊属)があって統一されていないため、ここでは代表的なもののみを記すこととする[10][11]


Genus Ailuropoda ジャイアントパンダ属 Genus Ailuropoda 大熊貓屬(大熊猫属), 熊貓屬(熊猫属)等

ピグミージャイアントパンダ Pygmy Giant Panda 小種熊貓(小种熊猫)等
既知で最古[8]のジャイアントパンダ属であり、既に竹食への強い偏向が認められる[7]体長約90cm(約3 ft[7])と最小種の一つ。約200万年前(更新世前期ジェラシアン)、中国南部のカルスト洞窟広西省の Jinyin cave[6]重慶市巫山県廟宇鎮の竜骨坡洞窟[12][Longgupo cave[6]]、ほか)より、1個の下顎骨と2- 3個のが見つかっている[7][13]
和名・英名未確認 武陵山熊貓(武陵山熊猫)等
鮮新世後期- 更新世前期。
和名・英名未確認 巴氏熊貓(巴氏熊猫)等
約50万年前[13](中期更新世[en])に棲息した、同属中の大型種[7]
ドワーフパンダ Dwarf Panda 矮熊貓(矮熊猫)等
更新世。体長約90cm(約3 ft)、最大約152.4cm(約5 ft)。
ジャイアントパンダ Giant Panda 大熊貓(大熊猫)等
現生。模式種。体長約120-150cm。上述の竜骨坡洞窟にて2005年、約10万- 約8万年前(更新世後期、リス氷期中。cf.)のジャイアントパンダの化石を中仏共同考古学調査隊が発見しており、これによって、ジャイアントパンダが揚子江流域で進化・繁殖していた可能性が高まった。
Ailuropoda melanoleuca melanoleuca (David1869)
和名未確認(四川亜種) Giant Panda 四川大熊貓(四川大熊猫), 大熊貓四川亞種(大熊猫四川亚种)等
Ailuropoda melanoleuca qinlingensis Wan Q.H., Wu H. et Fang S.G., 2005
和名未確認(秦嶺亜種) Qinling Panda 秦嶺大熊貓(秦岭大熊猫), 大熊貓秦嶺亞種(大熊猫秦岭亚种)等
Ailuropoda melanoleuca hastorni 和名未確認 Eastern Panda 中国名未確認
  • † ?Ailuropoda fovealis (Matthew et Granger, 1923) [2] 和名・英名・中国名未確認

脚注・出典[編集]

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  1. ^ 未同定種。
  2. ^ a b Ailuropoda fovealis” (en). The Paleobiology Database. National Science Foundation. 2010年5月3日閲覧。
  3. ^ 分類学上、未整理の分類群(タクソン)。以下同様。
  4. ^ GENUS Ailuropoda” (en). Mammal Species of the World (2005年). 2010年5月3日閲覧。
  5. ^ Giant Panda” (en). artinthepicture.com. 2010年5月3日閲覧。
  6. ^ a b c d Jin, Changzhu; Russell L. Ciochon, Wei Dong, Robert M. Hunt Jr., Jinyi Liu, Marc Jaeger and Qizhi Zhu (2007-06-19). “The first skull of the earliest giant panda” (PDF; fee required). Proceedings of the National Academy of Sciences 104 (26): 10932–10937. doi:10.1073/pnas.0704198104. PMID 17578912. http://www.pnas.org/cgi/reprint/0704198104v1 2010年5月3日閲覧。.  (英語)
  7. ^ a b c d e f g h i The first skull of the earliest giant panda” (en). 2010年5月3日閲覧。
  8. ^ a b さらに古い祖先形の種が約300万年前に棲息していた可能性が指摘されている。
  9. ^ Tribe Ailuropodini” (en). The Paleobiology Database. National Science Foundation. 2010年5月3日閲覧。
  10. ^ 中国語表記のみ参考 :猫熊的鼻祖-Ailuaractos Lufengensis” (zh). 百度贴吧. 2010年5月3日閲覧。
  11. ^ 中国語版ウィキペディアの表記も一部参考とした。
  12. ^ 海抜1,200m地点に位置する、高さ8m、約400の洞窟。1985年1988年の、中仏共同考古学調査隊?(もしくは中国考古学調査隊)による発見。約248万- 約180万年前の化石。
  13. ^ a b ジャイアントパンダ類、最古種の頭骨化石発見 - AFP-News” (jp). asahi.com. 朝日新聞社 (2007年6月19日). 2010年5月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]