ジェームズ・アレン・ガレス

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ジェームズ・アレン・ガレス
ジェームズ・アレン・ガレス(2011年)
基本情報
出生名 James Allen Gähres
生誕 (1943-08-05) 1943年8月5日(80歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ペンシルベニア州ハリスバーグ
学歴 ピーボディ音楽院ウィーン国立音楽大学
ジャンル クラシック音楽
職業 指揮者ピアニスト作曲家
担当楽器 指揮ピアノ
活動期間 1969年 -

ジェームズ・アレン・ガレス(James Allen Gähres, 1943年8月5日 - )は、アメリカ合衆国出身のピアニスト指揮者

人物・来歴[編集]

ジェームズ・アレン・ガレスは、1943年にペンシルベニア州ハリスバーグで生まれた。ボルチモアピーボディ音楽院で音楽、指揮、作曲、ピアノを学び、最終学年にはピーボディ交響楽団の副指揮者であった。その後、フルブライト・フェローシップの対象者としてウィーン国立音楽大学に留学し、ハンス・スワロフスキーに指揮法を学んだ。また、ザルツブルクブルーノ・マデルナのマスタークラスに参加した。

ガレスは、ドイツのいくつかの歌劇場で指揮者を務めた。そのうち、ハノーファー州立劇場では第一カペルマイスターを10年間務めた。ここではシーズンごとにおよそ15作のオペラとミュージカルを上演した。その後、ブラウンシュヴァイク州立劇場で首席指揮者を3年間務めた。

ジェームス・アレン・ガレスは、ニューヨーク・シティ・オペラハイデルベルク音楽祭ポズナン大劇場ベルリン・ドイツ交響楽団ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団バイエルン放送交響楽団などにたびたび指揮者として客演した。1989年にはベルリン・ドイツ・オペラによるレナード・バーンスタインキャンディード』のドイツ初演に招かれた。

1994年から2011年にかけて、ガレスはウルムのウルム劇場で音楽総監督を務め、シーズンごとにいくつかのオペラ・プロダクションを行った。 彼はこの時期にフィルハーモニー・コンサートも毎回指揮し、また首席指揮者としてウルム・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した。ガレスのコンサート・レパートリーにはとりわけ、ウィーン楽派ロマン派音楽からバルトークのモダニズムの作品までが含まれる。ヨハン・ゼバスティアン・バッハベートーヴェンブラームスモーツァルトブルックナーシューベルトシューマンエクトル・ベルリオーズムソルグスキーショスタコーヴィチラフマニノフドヴォルザークウィリアム・シューマンコープランドバーバーヴォーン・ウィリアムズホルストエルガーアイヴズシチェドリンチャイコフスキーワーグナーマーラーメンデルスゾーンシベリウスブルッフベルク、そしてリヒャルト・シュトラウスである。

ガレスは1994年9月にR・シュトラウスの『薔薇の騎士』を指揮して、音楽監督としてウルム劇場で成功裏にデビューした。 アンジェラ・デノークは、このプロダクションでタイトルロールを歌ったが、これはデノークの「元帥夫人」のデビューだった。ガレスのオペラ・レパートリーには、『リゴレット』、『カルメン』、『カヴァレリア・ルスティカーナ』、『道化師』、『ファウスト博士』(ブゾーニ)、『イル・トロヴァトーレ』、『ドン・カルロ』、『オテッロ』、『コジ・ファン・トゥッテ』、『魔笛』、『運命の力』、『ノルマ』、『マクベス』、『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『ラ・ボエーム』、『蝶々夫人』、『さまよえるオランダ人』、『トスカ』、『エレクトラ』、『フィデリオ』、『ニーベルングの指環』、『タンホイザー』、『ナクソス島のアリアドネ』、『アンドレア・シェニエ』、『青ひげ公の城』、『ヴォツェック』、『サロメ』などがある。

ガレスはウルム・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督および指揮者として、ニューイヤー・コンサートの伝統と、ヘルベルト・フォン・カラヤン記念コンサートの伝統を確立した。さらに、首席指揮者時代には15枚以上のCDを発売している。その中でも特筆すべきは最初のライブ録音盤で、シチェドリンの『カルメン組曲』、『自画像』、『2つのタンゴ(アルベニスによる)』が収録されている。

客演指揮者としては、とりわけ、ドルトムント歌劇場での『リゴレット』、シュトゥットガルト州立劇場での同作と『ノルマ』が特筆される。バイエルン国立歌劇場での『魔笛』がこれに次ぐ。ナポリサン・カルロ劇場におけるシンフォニー・コンサートに招かれた際には、ベートーヴェンとバルトークの作品を指揮した。レーゲンスブルクでのバイエルン放送交響楽団のコンサートや、エアフルト・フィルハーモニー管弦楽団によるいくつかのコンサートでは、チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』やショスタコーヴィチの『交響曲第5番』を指揮した。ガレスはウェストバージニア交響楽団(チャールストン)、マイニンゲン宮廷楽団の客演指揮者も務め、それらではエクトル・ベルリオーズレスピーギ、チャイコフスキー、またメンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』を指揮している。

2008年にはマイニンゲン州立劇場に、2011年1月と2月にはベルリン・ドイツ・オペラに招かれ、ジョルダーノの『アンドレア・シェニエ』を何度か指揮した。同年はまた、ウルフ・シルマーの招きによりライプツィヒ歌劇場(オーケストラはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団)で『魔笛』を指揮した。2016年には、ヒルデスハイムのニーダーザクセン劇場におけるフィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートのいくつかを指揮した。

2016年6月、ガレスはサンタ・クルス・デ・ラ・パルマのラパルマ音楽祭の音楽監督を務め、ベートーヴェンの『交響曲第7番』、ブルッフの『ヴァイオリン協奏曲第1番』、メンデルスゾーンの『フィンガルの洞窟』、ブラームスの『ピアノ協奏曲第1番』を演奏した。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]