ジェフリー・エプスタイン

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ジェフリー・エプスタイン
Jeffrey Epstein mug shot.jpg
2006年7月のエプスタイン
生誕 Jeffrey Edward Epstein
(1953-01-20) 1953年1月20日
ニューヨークブルックリン区
死没 2019年8月10日(66歳没)
ニューヨーク、メトロポリタン矯正センター
死因 首吊りによる自殺 (異論あり)
住居 ニューヨーク市
フロリダ州パームビーチ
ニューメキシコ州スタンリー英語版
パリ
アメリカ領ヴァージン諸島
国籍 アメリカ合衆国
教育 クーパー・ユニオン
ニューヨーク大学
職業 投資家
ジェフリー・エプスタインVI財団のオーナー
罪名 性犯罪、性的人身売買
刑罰 仕事中は釈放される禁固13か月(2008年)

ジェフリー・エドワード・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein、1953年1月20日 - 2019年8月10日[1])は、アメリカ合衆国実業家。姓について、実際の発音に近い表記は、エプスティーンとされる[2]

概要[編集]

1980年のエプスタイン

エプスタインは1953年にニューヨーク市ブルックリン区でポーリーン(1918年–2004年)[3]とシーモア(1916年–1991年)[4]ユダヤ人の両親の下に生まれた[5][6]。高校教師をしていた20代の頃に金融業界のつてを得て金融業界に転職した[7]。その後、独立、ヘッジファンドの経営を通じて財を成し、富豪と呼ばれる立場となったが、児童買春の罪で有罪判決を受けた。この児童買春はギレーヌ・マクスウェルが仲介していたと関係者は主張している[8]。交友関係にイギリス王室アンドルー王子など著名人が多数存在し、エプスタイン逮捕後には、彼らにも疑念の目が向けられている[9]ビル・クリントンドナルド・トランプとも親交を持っていた[8]

トランスヒューマニズム生命科学に強い関心を抱いており、「何者かに観察されているという感情を持つ粒子」の発見にも投資すると述べていた[10]。有罪判決を受けた後もMITメディアラボなどに寄付をしていたことが判明し、当時所長であった伊藤穰一が辞任した。また、この寄付はマサチューセッツ工科大学理事長のL・ラファエル・ライフも当時から関知していたことが判明した[11]

フロリダ州での裁判[編集]

フロリダ州パームビーチの邸宅で少女らに金を払い、性的な行為をしたとして2006年に起訴され、2008年に禁錮18ヵ月という判決が言い渡されている。この際の検事は、後にアメリカ合衆国労働長官となるアレクサンダー・アコスタであり、児童買春1件の罪を認めて性犯罪者として登録する見返りに減刑、連邦レベルでの起訴を免れるとする司法取引が行われていた。エプスタインは日中に刑務所から外出して普通に働き、夜に刑務所に戻ることが認められ[12]、収監から13ヵ月で出所した[13]。後に、アコスタが行った司法取引が非難の対象とされ、2019年7月に労働長官の職を辞している[14]

2019年7月6日パリから自家用機で帰国した際、ニュージャージー州の空港で逮捕。容疑は、2002年から2005年までの間、マンハッタンニューヨーク、パームビーチの自宅で14歳を含む未成年の少女数十人を性的に搾取した疑い[15]。同年7月8日、エプスタインはニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所の法廷で無罪を主張したが、担当検事はインタビューでニューヨーク州南部地区の判断はフロリダ州での司法取引に影響されないと述べている[16]

私生活[編集]

トランプ大統領は「パームビーチの誰もが彼を知っているように、彼を知っていた」と述べている。ホワイトハウスが公開した2019年7月の動画。

エプスタインはビル・クリントンジョージ・ステファノプロスドナルド・トランプ[17]ケイティ・クーリックウディ・アレン[18]ハーヴェイ・ワインスタイン[19]などの著名人とパーティーで同席した。彼が交流関係を持つ者にはルパート・マードックマイケル・ブルームバーグリチャード・ブランソンマイケル・ジャクソンアレック・ボールドウィンケネディ家ロックフェラー家ロスチャイルド家[20]、イスラエル首相エフード・バラック、イギリス首相トニー・ブレア、サウジアラビアの王太子ムハンマド・ビン・サルマーンが含まれていた[21][22][23]

エプスタインは「ロリータ・エクスプレス」と呼ばれるプライベートジェット機のボーイング727を所有し、来客と共に年間600時間飛行していた[24][25]

死去[編集]

2019年8月10日、再審の申し立てで逮捕・拘留されていたニューヨーク州の拘置所内で首を吊って自殺したと発表された[26]。しかし、エプスタインの遺族や弁護団は、この自殺という判断に異を唱えている。ジェフリーの弟のマーク・エプスタインから、鑑定を依頼された法医学者マイケル・バーデンは、2019年10月30日、他殺されたことを示す証拠があると発表している[27]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Jeffrey Epstein dies by suicide in Manhattan jail (英語)”. ABC (2019年8月10日). 2019年8月10日閲覧。
  2. ^ “自分はアンドリュー英王子に「売られた」と 死亡の米富豪を訴えた女性”. BBC. (2019年9月21日). https://www.bbc.com/japanese/49779130 2019年9月25日閲覧。 
  3. ^ Dantus, Larry (2019年7月6日). “Pauline Epstein (Stolofsky)”. Gen. 2019年8月12日閲覧。
  4. ^ Volscho, Thomas (2019年7月13日). “Jeffrey Epstein Dodged Questions About Sex With His Dalton Prep-School Students”. The Daily Beast. https://www.thedailybeast.com/jeffrey-epstein-dodged-questions-about-sex-with-his-dalton-prep-school-students 2019年8月12日閲覧。 
  5. ^ Billionaire sex offender Jeffrey Epstein charged with sex trafficking”. The Jerusalem Post (2019年7月7日). 2019年8月12日閲覧。
  6. ^ Feldman, Ari (2019年7月15日). “What We Know About Jeffrey Epstein's Childhood”. The Forward. https://forward.com/news/427614/jeffrey-epstein-childhood-brooklyn/ 2019年8月12日閲覧。 
  7. ^ 未成年買春で逮捕された米大富豪の「性愛島」と「友達リスト」 トランプ、クリントンに英王子まで”. 文春オンライン (2019年7月30日). 2019年8月13日閲覧。
  8. ^ a b 英王子から米大統領まで、少女性的搾取疑惑のエプスタイン被告に連なる紳士録”. フランス通信社 (2019年8月14日). 2019年8月15日閲覧。
  9. ^ 英アンドルー王子に少女買春疑惑、英王室は否定”. AFP (2015年1月3日). 2019年7月13日閲覧。
  10. ^ 【アメリカを読む】少女虐待の米富豪 ユニークな教師から転身 生命科学に「異様な関心」”. 産経新聞 (2019年7月13日). 2019年7月13日閲覧。
  11. ^ 少女虐待容疑の米富豪のMIT寄付、理事長が容認 大学ぐるみで匿名化”. フランス通信社 (2019年9月13日). 2019年9月15日閲覧。
  12. ^ 米労働長官が辞任否定、エプスタイン被告への「手心」批判に反論”. ロイター (2019年7月11日). 2019年9月29日閲覧。
  13. ^ 米富豪 未成年者の人身取引罪で起訴”. Fujisankei Communications International (2019年7月11日). 2019年9月29日閲覧。
  14. ^ 米労働長官、辞任を表明 少女虐待事件の司法取引に批判”. AFP (2019年7月13日). 2019年7月13日閲覧。
  15. ^ 好みは「経済的に恵まれない少女」、アドレス帳に100人以上 エプスタイン被告”. フランス通信社 (2019年8月11日). 2019年8月15日閲覧。
  16. ^ トランプ氏やクリントン元大統領と交流の米富豪、少女性的搾取で起訴”. AFP (2019年7月9日). 2019年7月13日閲覧。
  17. ^ Fisher, Marc (2017年3月21日). “Trump's Labor nominee Acosta cut deal with billionaire in underage sex abuse case”. The Washington Post. 2019年11月20日閲覧。
  18. ^ Harris, Paul (2011年3月12日). “Prince Andrew's link to sex offender Jeffrey Epstein taints royalty in US”. The Guardian. https://www.theguardian.com/uk/2011/mar/13/prince-andrew-jeffrey-epstein 
  19. ^ Jaeger, Max (2019年9月8日). “Jeffrey Epstein, Harvey Weinstein attended party for Prince Andrew's daughter”. New York Post. 2019年11月20日閲覧。
  20. ^ Fisher, Marc (2019年7月9日). “Jeffrey Epstein, accused of sexually abusing teenage girls, surrounded himself with influential network of defenders”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/politics/jeffrey-epstein-accused-of-sexually-abusing-teenage-girls-surrounded-himself-with-influential-network-of-defenders/2019/07/09/67069e12-a259-11e9-bd56-eac6bb02d01d_story.html 
  21. ^ Farrell, Greg (2019年7月9日). “If You Flew Epstein's 'Lolita Express' Private Jet—the Feds Want to Talk to You”. 2019年11月20日閲覧。
  22. ^ Sommer, Allison Kaplan (2019年7月7日). “Netanyahu Trades Barbs With Barak Over Epstein Sex Trafficking Scandal”. Haaretz. https://www.haaretz.com/israel-news/elections/.premium-netanyahu-trades-barbs-with-barak-over-epstein-sex-trafficking-scandal-1.7453690 2019年11月20日閲覧。 
  23. ^ Stewart, James B. (2019年8月12日). “The Day Jeffrey Epstein Told Me He Had Dirt on Powerful People”. The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2019/08/12/business/jeffrey-epstein-interview.html 2019年11月20日閲覧。 
  24. ^ Ostler, Catherine (2015年1月29日). “Jeffrey Epstein: The Sex Offender Who Mixes With Princes and Premiers”. Newsweek. https://www.newsweek.com/2015/02/06/sex-offender-who-mixes-princes-and-premiers-302877.html 2019年11月20日閲覧。 
  25. ^ Bryant, Nick (2015年1月22日). “Flight Logs Put Clinton, Dershowitz on Pedophile Billionaire's Sex Jet”. Gawker. https://gawker.com/flight-logs-put-clinton-dershowitz-on-pedophile-billio-1681039971 2019年11月20日閲覧。 
  26. ^ Jeffrey Epstein killed himself in prison, report says (英語)”. The Guardian (2019年8月10日). 2019年8月10日閲覧。
  27. ^ “エプスタイン被告は「他殺」 遺族が依頼した法医学者が主張”. AFPBB News. (2019年10月31日). https://www.afpbb.com/articles/-/3252401 2019年11月1日閲覧。 
  28. ^ 白人エリート小児性愛者御用達「ロリコン島」でのヤバすぎる乱交パーティが発覚! 中心人物エプスタインの顧客に超有名セレブの名も”. TOCANA (2017年7月23日). 2019年7月13日閲覧。