シーバックソーン

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シーバックソーン
Hippophae rhamnoides-01 (xndr).JPG
Hippophae rhamnoides
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ヤマモガシ目 Proteales
: グミ科 Elaeagnaceae
: ヒッポファエ属 Hippophae L.
和名
スナジグミ(砂地茱萸)など
英名
Sea-buckthorn
Seaberry
下位分類群
  • 本文参照

シーバックソーン(英語:Sea-buckthorn)は、グミ科ヒッポファエ属(Hippophae)の落葉低木の総称。

概要[編集]

果実は食用になり、最近健康食品として注目されている。ユーラシア大陸の中・北部に広く野生するが、日本には野生せず、北海道などで試験的に栽培されているだけである。名前もシーバックソーン(英語:Seabuckthorn)、サジー(日本語:Saji)、シーベリー(英語:seaberry)、チャチャルガンモンゴル語: Чацаргана)、サージ中国語: Shaji/沙棘)、サンドーン(ドイツ語:Sanddorn)、ティンブド(デンマーク語:Tinved)、メルク(パキスタンゴ語:Milech)、ヒッポファエ(学名:Hippophae rhamnoides)など、さまざまな名で呼ばれる。代表的な種のHippophae rhamnoidesには、スナジグミ(砂地茱萸)という和名も付けられている。

普通6種および12亜種に分類される。西はイギリスを含む西欧北欧から東は中国モンゴルシベリア、南はパキスタンインドの高山まで分布する。特にH. rhamnoidesが西欧から中国西部まで広く分布し、よく利用されている。中国では、これを用いた砂漠緑化や果実の利用に力を入れている。

性質[編集]

高さは0.5から6m(一部さらに高木になる種もある)で、乾燥した砂地に多い。乾燥と塩分に強いが、日照を要する。寒さにも強いものが多い。西欧ではもっぱら海岸に育つが、中央アジアでは乾燥地に広く分布するうえ、高山にもある。棘が多く、シーバックソーン(「海のクロウメモドキ」という意味〈クロウメモドキには棘が多い〉)や沙棘という名はこれによる。は緑白色で細長い。雌雄異株で、実がなるには雌雄の樹がともに必要である。果実は橙色または黄色で径6から9mmほどの円い液果。日本に多いグミ属同様、フランキア属放線菌が共生して窒素固定を行うため、やせた土地にも育ちやすい。

利用[編集]

Hippophae rhamnoidesの果実

果実にはビタミンCが豊富で、ビタミンAビタミンE、さらに果物としては珍しく油脂を含む。

フィンランドなどでは古くからジャム果実酒などで食用にされており、ソ連東ドイツでは栽培品種の改良が盛んに行われた。

甘味もあるが、酸味と渋味が強いためそのまま食べることは少なく、冷凍して渋味を弱めたり、他の果物とともにミックスジュースにしたり、パイ、ジャムや果実酒の材料にすることが多い。

果肉および種子に油脂が含まれ、ジュースを搾ると上層にはクリーム状および液状の油脂が浮かぶ。これは化粧品に用いられている。特にこの油脂は不飽和脂肪酸が多いことや、抗酸化作用が高いことで注目されている。

棘が多いことから収穫が困難で、枝ごと切って冷凍して実を取る方法、樹からふるい落とす方法、専用の収穫器具を使う方法などが用いられている。生け垣にも適し、果実が美しいことから観賞用にもよく栽培される。

砂丘に根を張って安定させる効果があり、やせた塩分の多い土地にも育つので、砂漠緑化にも適するといわれる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]