シヴ・クマール・シャルマ

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シヴ・クマール・シャルマ

生い立ち[編集]

 シヴ・クマール・シャルマ(英語: Shiv Kumar Sharma, ヒンディー語: शिवकुमार शर्मा 1938年1月13日生〜)は北インドの古典音楽ヒンドゥスターニー音楽を代表する、サントゥール奏者。

 北インドのジャンムー・カシミール州Jammu&Kashimirの宮廷音楽家であった、ウマー・ドゥット・シャルマUma Dutt Sharmaの一人息子として生まれたシャルマ氏は、幼少からヒンドゥスターニー音楽の声楽と打楽器タブラーの英才教育を受けた[1]

 14歳のとき、スリナガルSrinagar(カシミールの首都)の全インド・ラジオ局(All India Radio)で専属の音楽家として働いていた父から、カシミールの宗教音楽であるスーフィアーナ・ムースィーキーsufiyana musiqiの伴奏楽器として演奏されていたサントゥールSantoorを与えられた[2]

この時、父はシャルマ氏に言われた。

 「将来、サントゥールはシヴ・クマール・シャルマの代名詞になるだろう。無から有を生み出しなさい。そうすれば、パイオニアとして人々に賞賛されることだろう[3]。」

古典音楽家として[編集]

 シャルマ氏の最大の功績は、それまで古典音楽では使われていなかったサントゥールをインドを代表する古典音楽の楽器へと創り上げた事である。しかし、実際はその道のりは平坦ではなかった。

 古典音楽のラーガragaの演奏は、声楽を基礎にしているため、声を模写した音を引き伸ばし、音程を上げ下げするミーンドmeendという奏法が重要であった。しかし、サントゥールは木の胴体に張られた弦を叩いて音を出すという構造上の問題から、ミーンドが困難であった。そのため、当初サントゥールの演奏に対する人々の反応は、二つに分かれたと言う。つまり、新しい音楽の誕生を喜ぶ人々と、それまでの固定観念に縛られ、シャルマ氏の演奏に批判的であった人々がいたのであった。

 そのようなさまざまな声が渦巻くなか、シャルマ氏はサントゥールの楽器としての質を向上させ、撥さばきによって歌を歌うようなミーンド奏法を編み出し、独自の音楽スタイルを確立していった[4]。それはメロディーとリズムがバランス良く、高いクオリティーで融合された、甘美な芸術音楽であった。

受賞[編集]

 シャルマ氏は、国内外のさまざまな賞を受賞している。

 ・1985年 アメリカ、バルチモア州の名誉市民賞

 ・1986年 サンギータ・ナータク・アカデミー賞

 ・1991年 パドマシュリPadma Shri (インド国勲章)

 ・2001年 パドマヴィブーシャンPadma Vibhushan(インド国人間国宝)

CDリリース[編集]

アルバムリリース

 ・Santoor & Guitar (1964年) 

 ・Shivkumar Sharma (1967年) - ( 2005再発 "First LP Record of Pandit Shivkumar Sharma")

 ・Call of the Valley (1967年) 

 ・...When Time Stood Still! (1982年)

 ・Rag Madhuvanti & Rag Misra Tilang (1987年)

 ・Hypnotic Santoor (1988年)

 ・Maestro's Choice, Series One (1991年)

 ・A Sublime Trance (1991年)

 ・The Glory of Strings (1991年)

 ・Raga Purya Kalyan (1991年)

 ・Rag Rageshri (1993年)

 ・Raga Bhopali vol I (1993年)

 ・Raga Kedari vol II (1993年)

 ・Varshā – A Homage to the Rain Gods (1993年)

 ・Sound Scapes, Music of the Mountains (1994年)

 ・Hundred Strings of Santoor (1994年)

 ・The Pioneer of Santoor (1994年)

 ・Raag Bilaskhani Todi (1994年)

 ・A Morning Raga Gurjari Todi (1994年)

 ・Feelings (1994年)

 ・The Valley Recalls - In Search of Peace, Love & Harmony (1996年)

 ・The Valley Recalls - Raga Bhoopali (1996年)

 ・Yugal Bandi (1996年)

 ・Maestro's Choice, Series Two (1999年)

 ・Sampradaya (1999年)

 ・Rasdhara (1999年)

 ・Ananda Bliss (2002年)

 ・The Flow of Time (2002年)

 ・Sangeet Sartaj (2002年)

 ・Vibrant Music for Reiki (2003年)

 ・Sympatico (Charukeshi – Santoor)(2004年)

 ・The Inner Path (Kirvani – Santoor) (2004年)

 ・Essential Evening Chants, with Hariprasad Chaurasia (2007年)

脚注[編集]

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  1. ^ Shiv Kumar Sharma with Ina Puri, Journey with a hundred strings my life in music, Viking,2002, pp.8-9.
    <references></references>
  2. ^ Shiv Kumar Sharma with Ina Puri, Journey with a hundred strings my life in music, Viking,2002, pp.14.
  3. ^ Shiv Kumar Sharma with Ina Puri, Journey with a hundred strings my life in music, Viking,2002, pp.8-9.
  4. ^ Shiv Kumar Sharma with Ina Puri, Journey with a hundred strings my life in music, Viking,2002, p.23.