シンファクシ級潜水空母

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シンファクシ級潜水空母(シンファクシきゅうせんすいくうぼ、:Scinfaxi class submersible carrier)は、ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)のプレイステーション2フライトシューティングゲームACE COMBAT 5 THE UNSUNG WAR』に登場する架空潜水艦

ユークトバニア連邦共和国が建造した戦略級ミサイル潜水空母で、多数の艦載機と戦略兵器を含む各種ミサイル数百発を搭載。随伴艦や衛星管制システムなどによる管制で目標に艦載攻撃機も含めた多面的な攻撃を行う。300m超の全長と、船体と一体化した低いセイルという独特の形状を持つ超巨大潜水艦である。

開発経緯[編集]

1980年代初頭、イデオロギー対立からオーシア連邦冷戦状態にあったユークトバニア連邦共和国では、当時の仮想敵国であったオーシア連邦と戦略兵器の開発競争を繰り広げていた。同時期にオーシア連邦はSDI計画を進めており、これに対抗する手段として海軍のレオノフ提督が提唱したアーセナルシップ(弾薬庫戦艦)構想が有力視され、本級の建造が計画された。

計画上の本来の設計目的は、ステルス性に優れた本級からのSLBM発射により、SDI計画による複数段階の弾道弾迎撃フェーズの中で、最も初期段階のブーストフェイズでの探知を避け、ブースト・ミッドコースフェイズでの迎撃の困難化を意図したものであったが、1991年9月2日に公表された実証建造艦は、SSBNとしての高い能力に加え、軽空母に匹敵する多数の艦載機の運用能力、大量搭載される各種ミサイルとデータリンク管制によるミサイル巡洋艦を超える制圧力など、単なる戦略原潜の枠に留まらない非常に野心的な設計がなされていた。

9月2日に首都シーニグラードで開催された党大会での実証建造艦の公表以降、ユークトバニア国内ではその新奇性から「新時代の戦艦」として広く喧伝されていたが、当時のオーシア連邦ハワーズ外務大臣は、FCU保有のドラゴネット級戦略原潜(『ACE COMBAT 2』参照)との類似性を指摘し、脅威ではないとしていた。しかし、オーシア連邦も実際には本級の対抗を目的として「アークバード」の開発計画をスタートしている。冷戦状態の中、本級もこういったプロパガンダ合戦に巻き込まれていたが、1990年代後半から両国は融和政策へと転換し冷戦構造は崩壊、二国関係は大きく改善され、2010年の環太平洋戦争での実戦投入まで本級の存在は事実上忘れ去られていた。

しかし、両国が非常に良好な関係を築いていたこの間も、本級の開発はオクチャブルスク市近郊の秘密都市で進められ、1番艦である「シンファクシ」が完成。さらに、艦載機の無人機化と水中射出能力の付加、運用システムの自動化による大幅な省力化、推進器の改良による航続距離の延長等を図った2番艦「リムファクシ」が就役し、この2艦が2010年までに実戦配備された。2番艦以降の本級の就役計画については、環太平洋戦争終結後にオーシア連邦との関係が再び修復されたこともあり不透明である。

※ 本項では便宜上「SSBN(弾道ミサイル原子力潜水艦)」の艦種記号を用いたが、本級の動力については公表されていない。

特徴[編集]

船体[編集]

船体はタイフーン級に似た非常に全幅の広い扁平形状をしており、その形状からツイン・プレッシャー・ハル(円筒型耐圧船殻を2つ横に並べた眼鏡型船殻)構造か、それに似た構造を採用していると推定される。船体の後部側面にはバルジ状の大型の張り出しがあり、この部分がメインバラストタンクと推進器の一部を構成する。船体各所には各種ミサイルの発射口と内蔵型の対空機銃があり、船体前部には補給時などに使用される汎用カーゴベイ、船体後部にはVTOL艦載機もしくは無人戦闘機の射出口を備える。セイル(艦橋部)は船体と一体化した低層形状で、全長300mを超える巨体であるにもかかわらず、船体自体も高度なステルス性を有している。

武装[編集]

ミサイルVLS
本級はアーセナルシップ(弾薬庫戦艦)の概念を基に設計されており、VLSには戦略、戦域、戦術の各用途、射程領域のミサイルを数百発以上内蔵している。しかし、本級はあくまでも発射プラットフォーム艦であり、一部のミサイルを除き、誘導管制については随伴する航空機や艦船、人工衛星による管制システムに依存する。
散弾ミサイル
本級が搭載する多種多様なミサイルの中でも、最も特徴的なミサイルは通称「散弾ミサイル(Burst Missile)」と呼ばれる特殊炸裂弾頭ミサイルである。制空と広域面制圧を目的とする多用途型潜水艦発射弾道ミサイルで、発射後弾道軌道で慣性飛行した後、高度4000フィート前後で弾頭が炸裂し子爆弾を散布、起爆地点を中心とした広範囲の地上、水上目標及び高度5000フィート以下の空中目標に相当の損害を与える。オーシア軍からは「鉄の雨(molten steel rain/metal rain)」などと呼ばれ恐れられた。
※ 『ACE COMBAT 5』開発時、この兵器と同種の特殊兵装を使用可能なプレイヤー機として「ADLER」の登場が予定されていたが、ゲーム開発スケジュールの都合でカットされている。この特殊兵装案は次回作である『ACE COMBAT ZERO THE BELKAN WAR』まで持ち越され、「MPBM」として実装された。
近接防空兵器
本級は補給等による水上航行時の対空防御を目的として、複数の対空機銃や短射程艦対空ミサイルを装備している。これらは全て内蔵型で潜航時は船体に格納される。

艦載機[編集]

シンファクシ
VTOL潜水空母としての能力を有するシンファクシは、艦載機としてハリアーおよびF-35Cを搭載する。F-35CはVTOL機ではないが、発艦時はカタパルト射出を行っている形跡があり、有人機であることから使い捨てとも考え難く、着艦に関しても何らかの方法で可能としていると推定される。搭載機数については公表されておらず、通常艦内に格納されていることもあり明確ではないが、戦時中に確認された本艦の最大同時運用機数は、ハリアーが18機とF-35Cが5機の計23機である。
リムファクシ
リムファクシは艦載機のUCAV化が図られており、艦橋後方のVLSより同時に3機の垂直射出が可能である。潜航中の水中射出も可能であるが、リムファクシには着艦機構が見られないことから、回収は着水後に行うものと推定される。本艦搭載のUCAVは小型高機動の戦闘機タイプで、主にリムファクシ上空の直掩任務に使用された。搭載機数に関しては、無人機化によってシンファクシよりも増大している可能性もあるが、具体的な機数についてはやはり公表されていない。
※ 戦略原潜のSLBM発射管を転用した、「MPUAV」と呼ばれる潜水艦射出型無人機が実際に研究されており、これが本艦搭載のUCAVの原型と思われる。

同型艦[編集]

シンファクシ(Scinfaxi)[編集]

本艦はシンファクシ級の初号艦(ネームシップ)であり、その機能は1991年9月2日に公表された実証試験艦と同様となっている。このことから、本艦と実証試験艦は同一の艦である可能性が高いが、実際に同一の艦であるか否かの確定的資料はない。本艦は2番艦であるリムファクシとは異なり、艦載攻撃機や搭載ミサイルによる近接作戦支援や、単艦での接近奇襲攻撃といった、高いステルス性と制圧力を生かした、攻撃型潜水艦に近い運用が行われた。

シンファクシの戦歴[編集]

2010年9月30日:初の実戦参加。航空攻撃圏外であるオーシア西部の内海を目指し、イーグリン海峡に集結していたオーシア国防海軍第3艦隊に対して、艦載攻撃機による奇襲を行った。攻撃圏外と思われていた海域での奇襲により、オーシア艦隊を一時的に混乱させることに成功したが、直掩航空部隊による反撃を受け、攻撃機部隊は壊滅。これに伴い、散弾ミサイルによる直接制圧に作戦を変更。二度に渡る散弾ミサイルによる攻撃で、空母ヴァルチャー、バザードを含む多数の艦艇を撃沈。同時に、低空に留まっていた空母艦載機を含む敵航空部隊をほぼ壊滅させ、オーシア海軍の空母機動戦力に大打撃を与えた。

2010年10月4日:オーシア最西部の空軍基地、サンド島基地への上陸制圧作戦の支援に参加。散弾ミサイルによる敵航空部隊の掃討を狙ったが、シンファクシの実戦配備を受けて投入された特殊攻撃衛星「アークバード」のレーザー砲によって散弾ミサイルを迎撃される。これに対して散弾ミサイルの連続発射による飽和攻撃で対抗。敵航空部隊の一部に打撃を与えた。しかし、この間に敵対潜哨戒機が投下したソノブイにより探知され、その位置情報を基に行われたレーザー攻撃によって損傷、潜航不能となり浮上を余儀なくされた。艦載機と対空火器、散弾ミサイルによる応戦と離脱を試みたが、再度のレーザー攻撃によって艦載機発進口付近が大きく損傷。その後、さらなる航空攻撃を受けたことで撃沈された。

リムファクシ(Hrímfaxi)[編集]

シンファクシ級の2番艦ではあるが、2番艦にして既に各所に大幅な改良が施されており、運用上もシンファクシとは異なる任務が与えられた。主な改良点は、搭載艦載機のUCAV化とVLSによる水中射出能力の付加、運用システムの省力化による運用人数40人という、巨大な船体規模からは考えられないほどの運用効率の向上、推進器の改良による航続距離の延伸である。本艦はミサイルプラットフォーム艦としての任務を主眼としており、搭載されるUCAVもシンファクシとは異なり艦隊直掩が目的である。実際の運用では、12隻のタイフーン級大型原潜で構成される随伴艦隊と輪形陣を組み、厳重なレーダーピケット警戒網の下で、弾道弾による遠距離火力投射任務を行った。

リムファクシの戦歴[編集]

2010年11月初旬:初の実戦参加。ユークトバニア本土南東のバストーク半島に上陸、橋頭堡を築いたオーシア軍に対して、ユークトバニア北方に遠く離れたアネア大陸北部ラーズグリーズ海峡より弾道ミサイルによる長距離攻撃を行った。しかし、既に敵主力部隊は橋頭堡より前線へ移動、準備展開を終えており、攻撃は事実上失敗に終わる。また、この攻撃でミサイルの補給が必要となり、本土より補給潜水艦が向かっていたが、航行中のこの艦をオーシア側に探知される。

2010年11月14日:補給潜水艦の探知により、補給会合予定時刻が漏洩。浮上補給中に低空で侵攻したオーシア空軍部隊による奇襲を受ける。緊急潜航により致命的損傷は避けられたが、ミサイル発射系統を一部損傷、ミサイルの水中発射が不可能となる。同時刻に、この空襲に連動してオーシアの本土侵攻軍が大規模攻勢を開始したため、潜水艦隊司令部はリムファクシに弾道ミサイルによる対地支援を発令、この命令により浮上しての弾道弾発射を試みた。支援攻撃は一定の成果を挙げたが、浮上した本艦に対してオーシア空軍部隊が再度攻撃を敢行。バラストタンクを破損し、潜行そのものが不可能となってしまう。やむを得ず海上に浮上したリムファクシは、搭載UCAVや対空火器、さらに散弾ミサイルのターゲットをオーシア空軍部隊に切り替えて応戦を行ったが、随伴潜水艦隊と共に甚大な被害を受け、ラーズグリーズ海峡の氷海に没した。

参考資料[編集]

関連項目[編集]