シリア・フローレス
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| シリア・フローレス Cilia Flores | |
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(2025年) | |
| 生年月日 | 1956年10月15日(69歳) |
| 出生地 |
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| 出身校 | サンタマリア大学法学部 |
| 所属政党 |
第五共和国運動(以前) ベネズエラ統一社会党 |
| 配偶者 |
ウォルター・ガビディア・ロドリゲス(1978年離婚) ニコラス・マドゥロ(2013年結婚) |
| 子女 |
ニコラス・マドゥロ・ゲーラ(継子) 実子3人 |
| 在任期間 | 2013年4月19日 - 現職[注釈 1] |
| 在任期間 | 2006年8月15日 - 2011年1月5日 |
| 在任期間 | 2012年2月2日 - 2013年3月11日 |
| 大統領 | ウゴ・チャベス |
| 在任期間 | 2017年8月4日 - 2020年12月31日 |
| 大統領 | ニコラス・マドゥロ |

シリア・アデラ・フローレス・デ・マドゥロ(スペイン語: Cilia Adela Flores de Maduro、1956年10月15日 - )は、ベネズエラの弁護士、政治家。第54代大統領ニコラス・マドゥロの後妻にして、ファーストレディであった。
1990年代からウゴ・チャベス大統領の側近として、国民議会議員を務めた。2013年にマドゥロが大統領就任以降、フローレスは事実上の大統領顧問として、麻薬密輸に関与した疑惑が持たれている[2]。2026年1月3日の米国によるベネズエラ攻撃で、夫であるマドゥロ大統領とともに米国に連行され、身柄拘束中である。
来歴
[編集]1956年10月15日に中流階級の家庭で誕生し、サンタマリア大学法学部を卒業した[3]。
ウゴ・チャベスが1992年2月にクーデターを試みたが失敗し入獄した際はフローレスがチャベスの弁護を担当し、釈放に貢献した[4]。2002年4月11日にはCIAの支援を受けて軍部によるクーデターが発生し、チャベスは軍に監禁された。第五共和国運動に所属したフローレスはチャベスの救出に尽力した。
2000年、フローレスは国会議員に選出された[5]。2006年8月に外務大臣に任命されたマドゥロの後任として国会議長に就任した。フローレスは国会議長として同国初の女性であり、2006年から5年間務めた[6][7]。2012年から短期間、フローレスはベネズエラの司法長官を務めた[5]。
2013年の大統領選挙でマドゥロがエンリケ・カプリレス・ラドンスキーを破って当選した後、マドゥロの大統領就任に伴い、ファーストレディとなった。縁故主義でフローレスが告発されることがあり、フローレスは国会議長の経歴を生かして、親族16人を国会議員に就任させた[8]。2013年のラ・バングアルディアのインタビューで縁故主義について問われると、フローレスは「私の親族は自力で要職に就きました。私は彼らが国会議員であることを誇らしく思いますし、彼らが危機的な場合は私が保証する。」と事実を認めている[9]。後にこのインタビューでの発言は撤回し、実力に応じてであると説明した[10]。
同国の政治ジャーナリストはフローレスの長男であるガビディア・フローレスが2015年時点で1,000ドル未満の年収しか稼いでいないにも拘らず、2015年から2016年にかけて国庫を不正利用し、プライベートジェットで複数回の海外旅行1回で約2万ドルの費用を拠出していることを明らかにした[11]。
2015年11月10日、シリア・フローレスの2人の甥であるエフライン・アントニオ・カンポス・フローレスとフランシスコ・フローレス・デ・フレイタスが、ハイチの首都ポルトープランスでニューヨーク市行きのコカイン800キログラムを密輸した疑いで逮捕されている(ナルコソブリノス事件)[12]。2016年11月18日、フローレスの2人の甥は、マドゥロの強権政治を助長させ、多額の資金調達を目的に米国に麻薬を密輸しようとした罪で有罪判決を受けた[13]。
米国に亡命したクリスチャン・セルパ元最高裁判事が地元紙のインタビューではフローレスが最高裁判事の指名、憲法に関する判決に影響力を及ぼし、同国の司法界における最高指導者だと語っている[14]。フローレスは判事を指名する上でマドゥロ大統領の政策に忠実であるかを基準にしていたとされる[14]。
2019年1月10日、マドゥロは二期目の大統領就任を発表した。しかし先の選挙の不当性を訴える野党指導者で国会議長のフアン・グアイドが暫定大統領就任と大統領選挙やり直しを宣言した[15]。フローレスはファーストレディの座を巡って、グアイドの妻ファビアナ・ロサレスと争っていた。
2026年1月3日、ドナルド・トランプ米国大統領がベネズエラの首都・カラカスを爆撃する指令を出し、アメリカ軍は大規模爆撃を加え[16]、マドゥロ政権は全土に非常事態を宣言しアメリカを非難したが、同日、米軍特殊部隊によりマドゥロと共に拘束された[17]。マドゥロ夫妻は強襲揚陸艦「イオー・ジマ」に乗せられ、飛行機を経由してスチュワート国際空港に到着し、同日中にブルックリンのメトロポリタン拘置所に移送され、現在も拘留されている。マドゥロは麻薬テロ共謀罪を含む複数の罪状で、フローレスはコカイン密輸共謀罪などで起訴されており、マドゥロ夫妻は翌週、マンハッタンの裁判所で罪状認否を受ける予定とされる[18]。
人物
[編集]最初はウォルター・ラモン・ガビディアと結婚し、3人の子を儲けた。しかし、チャベス政権を擁護していくうちに「同志」であったニコラス・マドゥロと惹かれ合うようになり、1990年代から20年に渡って交際した[19]。マドゥロが大統領に就任して3ヶ月後に結婚した[20]。
2人の甥であるエフライン・アントニオ・カンポス・フローレスとフランシスコ・フローレス・デ・フレイタスは亡き姉の遺児であり、戸籍上は養子である[19]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2026年アメリカ合衆国によるベネズエラ攻撃により拘束中[1]。
出典
[編集]- ^ “トランプ米大統領「ベネズエラに大規模攻撃、マドゥロ大統領を拘束」”. 日本経済新聞. 2026年1月7日閲覧。
- ^ チョン・チェウン (2019年2月16日). “ベネズエラ、政権を没落させるマドゥロ大統領の親族政治と腐敗”. 東亜日報. 2026年1月2日閲覧。
- ^ Glatsky, Genevieve (2026年1月2日). “Who Is Cilia Flores, the Power Broker Captured Alongside Maduro?”. The New York Times 2026年1月2日閲覧。
- ^ “Venezuela's Flores: from Chavez's lawyer to first lady?”. Reuters (2013年4月4日). 2026年1月4日閲覧。
- ^ a b “La mujer que ha amenazado a Juan Guaidó diciéndole que "de esta no se salva"” (スペイン語). El Comercio Perú (2020年5月14日). 2026年1月3日閲覧。
- ^ Andrew Cawthorne; Mario Naranjo (2012年12月9日). “Who is Nicolas Maduro, Possible Successor to Hugo Chávez?”. Christian Science Monitor 2012年12月10日閲覧。
- ^ Parlamentares venezuelanos acusam EUA de conspiração
- ^ Ayala Altuve, Dayimar (2012年7月7日). “Fin al nepotismo Flores”. Tal Cual. オリジナルの2015年1月18日時点におけるアーカイブ。 2025年1月3日閲覧。
- ^ Glatsky, Genevieve (2026年1月2日). “Who Is Cilia Flores, the Power Broker Captured Alongside Maduro?”. The New York Times 2026年1月2日閲覧。
- ^ “夫と共に拘束、ベネズエラ大統領夫人のシリア・フローレス氏とはどんな人物か” (2026年1月4日). 2026年1月4日閲覧。
- ^ Petit, Maibort (2017年1月11日). “Hijo de Cilia Flores pasa largas temporadas en los Estados Unidos” (スペイン語). Venezuela Política 2026年1月3日閲覧。
- ^ “U.S. agents arrest members of Venezuelan President's family in Haiti”. CNN (2015年11月12日). 2026年1月3日閲覧。
- ^ Raymond, Nate (2016年11月19日). “Venezuelan first lady's nephews convicted in U.S. drug trial”. Reuters 2026年1月3日閲覧。
- ^ a b “Magistrado chavista asegura que esposa de Maduro controla al TSJ”. diariolasamericas.com (スペイン語). 2026年1月3日閲覧.
- ^ “ベネズエラ混乱 トランプ氏、軍事介入「選択肢」”. 日本経済新聞. (2019年2月24日) 2026年1月4日閲覧。
- ^ “ベネズエラ・カラカスで複数の爆発、トランプ氏が攻撃命令と報道…マドゥロ政権は非常事態を宣言”. 読売新聞 (2026年1月3日). 2026年1月3日閲覧。
- ^ “トランプ大統領がベネズエラ攻撃「成功裏に完遂した」 マドゥロ大統領と夫人を拘束し国外へ連行したとも”. FNNプライムオンライン (2026年1月3日). 2026年1月3日閲覧。
- ^ “Maduro arrives in US to face charges as Trump vows to ‘run’ Venezuela and take control of oil reserves”. CNN. (2026年1月3日) 2026年1月4日閲覧。
- ^ a b Dreier, Hannah (2015年11月12日). “US COURT: NEPHEWS OF VENEZUELA FIRST LADY HELD WITHOUT BAIL”. Associated Press News 2026年1月3日閲覧。
- ^ Guererro, Kay; Dominguez, Claudia; Shoichet, Catherine E. (2015年11月12日). “Venezuelan President Nicolas Maduro's family members indicted in U.S. court”. CNN 2025年1月3日閲覧。