シュテファン・ミュッケ

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シュテファン・ミュッケ
Stefan Mücke
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2011年のル・マン24時間レースのドライバーパレードでのミュッケ
基本情報
国籍 ドイツの旗 ドイツ
生年月日 22 November 1981 (1981-11-22) (age 42)
出身地 ドイツの旗 ドイツ
ベルリン
ル・マン24時間での経歴
2007-
チームCharouz Racing Systems, Aston Martin Racing, Ford Chip Ganassi Racing
最高位4th (2009)

ステファン・ミュッケStefan Mücke、1981年11月22日 - )は、ドイツのレーシングドライバー。

経歴[編集]

ベルリンで生まれたミュッケは、1998年にフォーミュラBMW ADACシリーズで優勝し、父親が立ち上げたミュッケ・モータースポーツチームからデビューし、レースキャリアをスタートさせた。2002年にドイツツーリングカー選手権に移籍する前の3年間、父親のチームのためにドイツF3選手権に出場。彼はシリーズの4年間で、チーム・ロズベルグ、パーソン・モータースポーツ、ミュッケ・モータースポーツでメルセデスのドライバーとしてDTMで活躍した。

2007年、ミュッケはスポーツカーレースに転向[1]ランボルギーニ・ムルシエラゴR-GTで参戦するAllInkl.comチームよりFIA GT選手権、およびチャロウズ・レーシングシステムよりルマン・シリーズル・マン24時間レースに参加した。彼は2008年もチャロウズに残留。 2009年にアストンマーティン・レーシングに移籍してル・マンシリーズに引き続き出場した。ミュッケはル・マンのLMP1クラスで3回連続のトップ10フィニッシュを記録した。

2011年6月5日、ミュッケはシルバーストンでのFIAGT1世界選手権レース中にリチャード・ウェストブルックと接触して大きな問題になる。最初に、ウェストブルックは結果としてスピンしたミュッケとぶつかり、ウェストブルックのマシンは破損。ミュッケは続けて、ハンガー・ストレートをドライブしていたウェストブルックの前でクリップした。その結果、両方の車が大破し、リタイア。ミュッケは次のレースで10位のグリッド降格ペナルティを受け、 DMSBにもライセンスを取り消すよう報告された[2]

ミュッケは、2015年のリキモリーバサースト12時間でも少なくとも2回のアクシデントが発生させたとして、彼の攻撃的な運転スタイルは再び物議を醸した。 1回目は「ザ・カッティング」でデビッド・ブラバムを抜き、2回目は最終ラップの最後のコーナーでマット・ベルをワイドに押し込み、ベルから表彰台を奪った。ベルのコ・ドライバーを務めたガイ・スミスは「その男(ミュッケ)は少し話をする必要があると思う。」とコメントした[3]

2012年、ミュッケはFIA世界耐久選手権でアストンマーティン・レーシングとGTE-Proクラスのアストンマーティン・ヴァンテージで出場。

2012年のルマン・24時間レースでは、ミュッケは共同ドライバーのアドリアン・フェルナンデスとダレン・ターナー、と共にGTE-Proクラスで3位を獲得。ヴァンテージ4.5L-V8は、サルト・サーキットで大きな問題もなく、合計332周(2,811.65マイル)をカバーした。また、チームは3分54.928秒でカテゴリーのファステストラップを記録した[4][5]

2016年、ミュッケはアストンマーティンで8シーズンを過ごした後、2018-19シーズンまでフォード・チップ・ガナッシ・チームUKからFIA 世界耐久選手権のLMGTE Proクラスに参戦した[6]

レース記録[編集]

ドイツ・フォーミュラ3選手権[編集]

チーム エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
1999年 ADAC ベルリン-ブランデンブルグ オペル SAC
1

4
SAC
2

10
ZWE
1

10
ZWE
2

17
OSC
1

12
OSC
2

10
NOR
1

5
NOR
2

15
NÜR
1

15
NÜR
2

13
SAL
1

4
SAL
2

13
OSC
1

10
OSC
2

9
HOC
1

13
HOC
2

2
NÜR
1

6
NÜR
2

5
9位 63
2000年 ZOL
1

2
ZOL
2

7
HOC
1

Ret
HOC
2

19
OSC
1

6
OSC
2

7
NOR
1

3
NOR
2

Ret
SAC
1

4
SAC
2

8
NÜR
1

1
NÜR
2

Ret
LAU
1

7
LAU
2

9
OSC
1

2
OSC
2

5
NÜR
1

7
NÜR
2

Ret
HOC
1

1
HOC
2

20
5位 136
2001年 HOC
1

16
HOC
2

2
NÜR
1

2
NÜR
2

1
OSC
1

Ret
OSC
2

9
SAC
1

Ret
SAC
2

Ret
NOR
1

3
NOR
2

Ret
HOC
1

5
HOC
2

3
LAU
1

3
LAU
2

3
NÜR
1

8
NÜR
2

7
A1R
1

2
A1R
2

2
HOC
1

3
HOC
2

1
2位 178

ドイツツーリングカー選手権[編集]

チーム 使用車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
2002年 チーム・ロズベルグ メルセデス・ベンツ・CLK-DTM 2001 HOC
QR

12
HOC
CR

Ret
ZOL
QR

15
ZOL
CR

11
DON
QR

15
DON
CR

13
SAC
QR

17
SAC
CR

Ret
NOR
QR

9
NOR
CR

Ret
LAU
QR

18
LAU
CR

16
NÜR
QR

12
NÜR
CR

17
A1R
QR

20
A1R
CR

14
ZAN
QR

19
ZAN
CR

15
HOC
QR

10
HOC
CR

8
20位 0
2003年 メルセデス・ベンツ・CLK-DTM 2002 HOC
17
ADR
Ret
NÜR
15
LAU
DNS
NOR
15
DON
11
NÜR
12
A1R
11
ZAN
17
HOC
14
20位 0
2004年 パーソン・モータースポーツ メルセデス・ベンツ・CLK-DTM 2003 HOC
18†
EST
14
ADR
7
LAU
Ret
NOR
15†
SHA1
10
NÜR
10
OSC
17
ZAN
17
BRN
11
HOC
10
15位 2
2005年 ミュッケ・モータースポーツ メルセデス・ベンツ・C-クラス 2004 HOC
7
LAU
8
SPA
12
BRN
Ret
OSC
11
NOR
Ret
NÜR
17
ZAN
Ret
LAU
Ret
IST
9
HOC
11
18位 3
2006年 メルセデス・ベンツ・C-クラス 2005 HOC
Ret
LAU
12
OSC
12
BRH
13
NOR
4
NÜR
11
ZAN
7
CAT
12
BUG
15
HOC
Ret
12位 7
  • 太字ポールポジション斜字ファステストラップ。(key)
  • †: 途中リタイヤしたが、優勝者の走行距離の90%を満たしていたため、規定により完走扱いとなった。
  • 1: 上海ラウンドは、非選手権レースとして開催された。

スポーツカー[編集]

ル・マン・シリーズ[編集]

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 順位 ポイント
2007年 チャロウズ・レーシング・システム ローラ・B07/17 LMP1 MNZ
9
VAL
2
NÜR
4
SPA
7
SIL
NC
SAO 10位 15
2008年 ローラ・B08/60 LMP1 CAT
3
MNZ
8
SPA
10
NÜR
5
SIL
2
9位 19
2009年 AMR イースタン・ヨーロッパ ローラ・アストンマーティン B09/60 LMP1 CAT
1
SPA
3
ALG
2
NÜR
1
SIL
3
1位 39

FIA GT1世界選手権[編集]

チーム 使用車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
2010年 ヤング・ドライバー AMR アストンマーティン・DBR9 ABU
QR

4
ABU
CR

Ret
SIL
QR

Ret
SIL
CR

5
BRN
QR

11
BRN
CR

Ret
LEC
QR

Ret
LEC
CR

20
SPA
QR

3
SPA
CR

Ret
NÜR
QR

9
NÜR
CR

5
ALG
QR

15
ALG
CR

11
NAV
QR

DNS
NAV
CR

DNS
INT
QR

12
INT
CR

1
SAN
QR

Ret
SAN
CR

5
20位 34
2011年 ABU
QR

Ret
ABU
CR

5
ZOL
QR

Ret
ZOL
CR

7
ALG
QR

4
ALG
CR

2
SAC
QR

3
SAC
CR

3
SIL
QR

Ret
SIL
CR

Ret
NAV
QR

6
NAV
CR

Ret
LEC
QR

3
LEC
CR

2
ORD
QR

7
ORD
CR

5
BEI
QR

2
BEI
CR

1
SAN
QR

DNS
SAN
CR

DNS
2位 120

FIA 世界耐久選手権[編集]

チーム 使用車両 クラス 1 2 3 4 5 6 7 8 9 順位 ポイント
2012年 アストンマーティン・レーシング アストンマーティン・ヴァンテージ GTE LMGTE Pro SEB
3
SPA
Ret
LMN
3
SIL
2
SAO
2
BHR
2
FSW
3
SHA
1
2位† 142†
2013年 LMGTE Pro SIL
1
SPA
4
LMN
3
SÃO
2
COA
Ret
FSW
1
SHA
1
BHR
Ret
3位 125.5
2014年 LMGTE Pro SIL
3
SPA
4
LMS
10
COA
1
FSW
9
SHA
Ret
BHR
2
SÃO
1
5位 102
2015年 LMGTE Pro SIL
5
SPA
5
LMS
Ret
NÜR
6
COA 18位 34
アストンマーティン・レーシング V8 FSW
7
SHA BHR
2016年 フォード・チップ・ガナッシ・チームUK フォード・GT LMGTE Pro SIL
5
SPA
Ret
LMN
1
NÜR
4
MEX
11
COA
13
FSW
2
SHA
2
BHR
6
4位 118
2017年 LMGTE Pro SIL
4
SPA
3
LMN
6
NÜR
6
MEX
7
COA
8
FSW
4
SHA
4
BHR
5
8位 95
2018-19年 LMGTE Pro SPA
1
LMN
3
SIL
6
FSW
8
SHA
7
SEB
18
SPA
10
LMN
4
5位 88

ル・マン24時間レース[編集]

ル・マン24時間レース 結果
チーム コ・ドライバー 使用車両 クラス 周回 順位 クラス
順位
2007年 チェコの旗 チャロウズ・レーシング・システム チェコの旗 ヤン・チャロウズ
マラヤ連邦の旗 アレックス・ユーン
ローラ・B07/17-ジャッド LMP1 338 8位 5位
2008年 チェコの旗 ヤン・チャロウズ
チェコの旗 トーマス・エンゲ
ローラ・B08/60-アストンマーティン LMP1 354 9位 9位
2009年 チェコの旗 AMR イースタン・ヨーロッパ チェコの旗 ヤン・チャロウズ
チェコの旗 トーマス・エンゲ
ローラ・アストンマーティン B09/60 LMP1 372 4位 4位
2010年 イギリスの旗 アストンマーティン・レーシング スイスの旗 ハロルド・プリマ
メキシコの旗 エイドリアン・フェルナンデス
LMP1 365 6位 5位
2011年 イギリスの旗 ダレン・ターナー
オーストリアの旗 クリスチャン・クリエン
アストンマーティン・AMR-One LMP1 4 DNF DNF
2012年 メキシコの旗 エイドリアン・フェルナンデス
イギリスの旗 ダレン・ターナー
アストンマーティン・ヴァンテージ GTE GTE
Pro
332 19位 3位
2013年 イギリスの旗 ダレン・ターナー
イギリスの旗 ピーター・ダンブレック
GTE
Pro
314 17位 3位
2014年 イギリスの旗 ダレン・ターナー
ブラジルの旗 ブルーノ・セナ
GTE
Pro
310 35位 6位
2015年 イギリスの旗 ダレン・ターナー
イギリスの旗 ロブ・ベル
GTE
Pro
110 DNF DNF
2016年 アメリカ合衆国の旗 フォード・チップ・ガナッシ・チームUK アメリカ合衆国の旗 ビリー・ジョンソン
フランスの旗 オリヴィエ・プラ
フォード・GT GTE
Pro
339 21位 4位
2017年 アメリカ合衆国の旗 ビリー・ジョンソン
フランスの旗 オリヴィエ・プラ
GTE
Pro
332 27位 10位
2018年 アメリカ合衆国の旗 ビリー・ジョンソン
フランスの旗 オリヴィエ・プラ
GTE
Pro
340 21位 6位
2019年 アメリカ合衆国の旗 ビリー・ジョンソン
フランスの旗 オリヴィエ・プラ
GTE
Pro
340 25位 6位

脚注[編集]

  1. ^ Stefan Mücke quits DTM
  2. ^ JRM Nissan takes Tourist Trophy in Silverstone thriller
  3. ^ http://www.speedcafe.com/2015/02/09/le-mans-winner-eyeing-bathurst-12-hour-return/
  4. ^ LeMans TV Live”. Live.lemans-tv.com. 2012年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月18日閲覧。
  5. ^ Aston Martin Vantage GTE Scores Podium on Le Mans Debut”. Fernandezracing.net. 2012年6月18日閲覧。
  6. ^ Stefan Mücke”. performance.ford.com. 2016年10月21日閲覧。

外部リンク[編集]