シャイニング・ウィザード

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シャイニング・ウィザードShining Wizard)は、プロレス技の一種。別名、「閃光魔術(せんこうまじゅつ)」[1]

概要[編集]

武藤敬司が開発した蹴り技。最も使用される基本的な形はマット上で片膝立ちしている相手に対し、その片脚を踏み台にして相手の膝上に乗り上がり、すぐさま相手の頭部・顔面を狙って膝蹴りを繰り出すというもの。

片膝立ちの相手の脚を踏み台にする以外にも、レフェリーやタッグパートナーを踏み台にして放つ、コーナーポストにもたれかかっている相手や立っている相手に向かって放つなど様々なバリエーションが存在する。

初公開は2001年1月28日、全日本プロレス東京ドーム大会での太陽ケア戦。武藤のドラゴンスクリューなどによる足攻めを受け、片膝をついた状態でなかなか立ち上がってこないケアに対して披露。その後同年2月の新日本プロレス札幌大会で、飯塚高史を相手に初めてフィニッシュ技として使用した。

初めは「変形の膝蹴り」と称されたが、2001年2月18日の村上一成とのシングルマッチで決め技に使ったところ、「この膝蹴りに技名を付けよう」という企画が始まり、技名称が一般公募された。そして応募で多かった「シャイニング・ニー」に当時の武藤のニックネーム「クロス・ウィザード」を合わせ、「シャイニング・ウィザード」と名付けられた。

初期は単に正面からの膝蹴りであったが、受ける側が鼻骨骨折などの過度のダメージを受ける可能性があり、スティーブ・ウィリアムスに使った際に当たり所が悪く自らの膝を痛めたこともあったため、改良を重ね、獣神サンダー・ライガーとのシングル戦以降は外側から足を振り回して大腿四頭筋付近を当てる形になった。

主な使用者[編集]

作品での使用例[編集]

派生技[編集]

ここでは、片膝立ちの相手の膝を踏み台にした状態から仕掛ける技を便宜上「シャイニング式」と呼称する。

シャイニング・ケンカキック
蝶野正洋のシャイニング式のケンカキック(ヤクザキック)。「シャイニング・ブラック」と呼ばれることもある。尾崎魔弓オザキックとして使用。
シャイニング・トライアングル
中邑真輔のシャイニング式三角絞め
スコーピオライジング
里村明衣子のシャイニング式踵落とし
シャイニング・イナズマ
垣原賢人のシャイニング式稲妻レッグラリアート
シャイニング・あてがい
男色ディーノのシャイニング式のあてがい。(原型のあてがいは自らの股間でコーナーでダウンしている相手に押さえ付けるのに対し、こちらは自らの股間をシャイニング式に当てる技。)
ブラックマジック
ロウキーのシャイニング・ウィザードに行くと見せかけてのバックキック(後方へ足を降り出して相手を蹴る技)。
シャイニング膝アッパー
高橋奈苗のオリジナル技。シャイニング式で、自らの片膝を下方から上方へかち上げる。
ドラゴンキッカー
伊東竜二のシャイニング式延髄斬り
シャイニング・インパクト
タッグマッチにおいて味方選手が相手選手を肩車し、もう一方がコーナーポスト上からシャイニング・ウィザードを放つ合体技。
シャイニングごんぎつね
アントーニオ本多のシャイニング式サミングプロレスLOVEの手の形で目を突く。相手の膝に足をかけるだけなので、厳密にはシャイニング式ではない。
シャイニング・ニースタンド
DJニラのシャイニング式踏みつけ。相手の膝の上に両足で乗りそのまま静止し、重みでギブアップを狙う。
変型シャイニング・ウィザード
清宮海斗のオリジナル技。片膝立ち状態の相手に対して、正面から走り込んで相手の膝を踏み台にしながら両手で相手の頭部を捕獲して、そのまま右膝で相手の顔面を打ち抜く変型のシャイニング・ウィザード。
膝を使っての飛び回し蹴り
正確に言えば派生技ではないが、ブルガリア空手家・ヴァレリー・ディミトロフが新極真会の大会でみせた技。相手の膝に乗って飛び、回し蹴りを中段に極めて一本勝ちした。ゴング格闘技誌面で、「武藤敬司のシャイニング・ウィザードに似た技を空手で出した」と記事になった。

脚注[編集]

関連項目[編集]