シモツケ

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シモツケ
シモツケソウ、伊吹山(滋賀県米原市)にて、2013年7月5日日撮影
 シモツケ、伊吹山滋賀県米原市)にて、2013年7月
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: シモツケ属 Spiraea
: シモツケソウ S. japonica 
学名
Spiraea japonica L.f.[1]
和名
シモツケ
英名
Japanese Spiraea
Japanese meadowsweet[2]
変種
  • var. ripensis Kitam. ドロノシモツケ[3]

シモツケ(下野、学名Spiraea japonica L.f.[1])は、バラ科シモツケ属分類される落葉低木の1[4][5][6][7][8][9]。別名、キシモツケ(木下野)とも呼ばれる[8]

特徴[編集]

株立ちで樹高0.2-1 mの低木[4]樹皮は若い枝は暗褐色で、生長と共に灰褐色または暗褐色となり、なめらか、縦に裂けてはがれる[5]には稜はなくほぼ円柱[5]は単葉で互生[5]葉身は長さ1-8 cm、幅2-4 cm[5]の披針形、卵形または広卵形で、先は尖り、縁に不揃いの重鋸歯がある[4]。葉身の最大幅は基部寄り-中央で[7]、葉身の基部は円形-くさび形、葉柄は長さ1-5 mm[5]。葉の表面は緑色、無毛またはやや密に短毛が生え、葉脈はへこみ、質は膜質-革質[5]。葉の裏面は淡緑色または粉白色で[4]、葉脈は隆起し、白色-淡黄色の軟毛が生え、ときに無毛[5]。葉身の形や大きさ、毛の変異が多い[7]子葉楕円[9]。本年枝の枝先に頂端が平らな[5]複散房形花序に多数のを付ける[4]両性花[5]で、香気があり[6]、花の直径は3-6 mm[4]。花の色は濃紅色、紅色、薄紅色、稀に白色[5]などがある[4]花弁は5個、楕円形-広楕円形で、長さ2.5-3.5 mm、幅1.5-3 mm[5]雄蕊は25-30個で花弁よりも長い[5]雌蕊は5個[4]、花柱は無毛で長さ1-1.5 mm[5]。開花時期は5-8月[4][5]果実は長さ2-3 mmで球形の袋果で、腹縫合線上に毛があり[9]、5個集まってつく[5]。表面に光沢があり、先端に花柱が残り、9-10月に熟して裂開する[5]実生の観察例として、播種1年目に細い匍匐茎を15 cm程伸ばし、多数の葉を付け、2年目からはそれらの基部から数本ずつの茎を一斉に伸ばし、年々シュート数と高さを増し、4年目に初めて開花して結実した[9]

分布と生育環境[編集]

山地の日当たりの良い草地ニッコウキスゲと共に生育するシモツケ

日本朝鮮半島から中国西北部にかけて温帯[7]に分布する[6]

日本では本州隠岐諸島[10]四国九州に分布する[4]

山地の日当たりの良い草地[4]や岩礫地などにやや稀に[7]生育する[5]ホシミスジ[11]フタスジチョウ幼虫食草として、フタスジチョウの成虫が花を吸蜜する[12]

利用[編集]

庭木公園[5]鉢植えとして移植され、盆栽切り花[5]に利用されている[4]

分類[編集]

変種[編集]

品種[編集]

  • オヤマシモツケ - 学名:Spiraea japonica L.f. f. alpina (Maxim.) Makino[14]
  • シロバナシモツケ - 白花[8]、学名:Spiraea japonica L.f. f. albiflora (Miq.) Kitam.[15]
  • コシモツケ - 矮性[8]、学名:Spiraea japonica L.f. f. bullata (Maxim.) Kitam.[16]
  • ウラジロシモツケ - 学名:Spiraea japonica L.f. f. hypoglauca (Koidz.) Kitam.[17]
  • ヒメシモツケ - 学名:Spiraea japonica L.f. f. ibukiensis (Makino) Kitam.[18]

栽培品種が多く、黄金葉のものも多い[7]

名前の由来[編集]

学名の名「Spiraea」はギリシャ語で「螺旋」を意味し、果実が螺旋状をしていることに由来する[8]。種小名「japonica」は「日本の」を意味する[19]和名の「下野」は最初に下野国、現在の栃木県で発見されたことに由来する[6]

種の保全状況評価[編集]

日本では以下の多数の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。ニホンジカ食害により個体数が減少している地域がある[20]

変種のドロノシモツケは以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。

  • 絶滅危惧種 - 奈良県[23]
  • 絶滅危惧IB類 - 三重県[13]
  • 準絶滅危惧 - 和歌山県[29]

シモツケとシモツケソウとの比較[編集]

木本のシモツケ(左)と草本であるシモツケソウ(右)

別名のキシモツケ(木下野)は、草本であるシモツケソウ(下野草)に対して木本であることを意味する[6]


脚注[編集]

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月30日閲覧。
  2. ^ Spiraea japonica L. f.” (英語). アメリカ合衆国農務省. 2019年1月31日閲覧。
  3. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ドロノシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 林 (2011)、276頁
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 菱山 (2011)、129頁
  6. ^ a b c d e 牧野 (1982)、190頁
  7. ^ a b c d e f 林 (2014)、237頁
  8. ^ a b c d e 岡部 (2003)、116頁
  9. ^ a b c d 八田 (2015)、114頁
  10. ^ a b 改訂しまねレッドデータブック(2013植物編)、シモツケ”. 島根県. 2019年1月30日閲覧。
  11. ^ 須田ほか (2012)、213頁
  12. ^ 蛭川 (2013)、141頁
  13. ^ a b c 三重県レッドデータブック2015 (PDF)”. 三重県. pp. 498 . 2019年1月30日閲覧。
  14. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “オヤマシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  15. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “シロバナシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  16. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “コシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  17. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ウラジロシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  18. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ヒメシモツケ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2019年1月31日閲覧。
  19. ^ 大川 (2009)、11頁
  20. ^ a b 徳島県版レッドデータブック(レッドリスト)”. 徳島県 . 2019年1月30日閲覧。
  21. ^ 岡山県版レッドデータブック2009 (PDF)”. 岡山県. pp. 123 . 2019年1月30日閲覧。
  22. ^ 京都府レッドデータブック2015、シモツケ”. 京都府. 2019年1月30日閲覧。
  23. ^ a b 大切にしたい奈良県の野生動植物(植物・昆虫類)のレッドリスト、維管束植物 (PDF)”. 奈良県. pp. 6 . 2019年1月31日閲覧。
  24. ^ 絶滅のおそれのある野生生物(「レッドデータブックひろしま2011」)レッドデータブックについて、種子植物 (PDF)”. 広島県. pp. 4 . 2019年1月30日閲覧。
  25. ^ 愛媛県レッドデータブック2014、シモツケ”. 愛媛県. 2019年1月30日閲覧。
  26. ^ 福岡県の希少野生生物 福岡県レッドデータブック2011、シモツケ”. 福岡県 . 2019年1月30日閲覧。
  27. ^ 三重県レッドデータブック2015 (PDF)”. 三重県. pp. 653 . 2019年1月30日閲覧。
  28. ^ 大阪府における保護上重要な野生生物 レッドリスト、維管束植物 (PDF)”. 大阪府. pp. 8 . 2019年1月30日閲覧。
  29. ^ •和歌山県レッドリスト【2012改訂版】 (PDF)”. 和歌山県. pp. 45 . 2019年1月31日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]