シック (バンド)
シック(Chic)は、1977年にデビューしたアメリカ合衆国のR&B、ファンク、ディスコ・バンドである。中心メンバーはギターのナイル・ロジャースとベースのバーナード・エドワーズ。英語でのバンド名の発音はIPA: /ˈʃiːk/ であり、「シーク」に近い。 1970年代後半のディスコ・ブームを牽引したアーティストのひとつである。 代表曲は、"Le Freak"(日本語曲名:「おしゃれフリーク」)と"Good Times"(日本語曲名:「グッド・タイムス」)。共に全米No.1ヒットしている。バーナード・エドワーズは、ジェームス・ジェマーソンらと並ぶ名ベーシストとして知られている。
キャリア[編集]
ナイルとバーナードは、もともとはジャズ畑のミュージシャンだった。ニューヨークでビッグ・アップル・バンド(ウォルター・マーフィーのバンドとは異なる)を結成。その後、シックを結成し77年に「ダンス・ダンス・ダンス」でデビュー。デビュー曲が大ヒットとなった。ディスコブームの終焉と同時にバンドとしての活動は停滞していったが、ナイル・ロジャースとバーナード・エドワーズはプロデューサーとして活躍し、シスター・スレッジ[1]、ダイアナ・ロス、マドンナやデヴィッド・ボウイなどのアーティストをプロデュースし、曲をヒットさせた。
ラップとの関係[編集]
1979年には、ラップの最も初期のレコードが発表された。それがファットバックの「キング・ティムIII」と、シュガーヒル・ギャングの「ラッパーズ・ディライト」である。シュガーヒル・ギャングの曲は、シックのグッド・タイムズをそのまま盗用し、演奏し直したものだった。シックとの間で訴訟となり、現在はナイルとバーナードの名前もクレジットされている。この曲はラップの誕生と夜明けを告げる、エポックメイキングな曲となった。
バーナードらの死去[編集]
1996年に日本で開催されたスーパー・プロデューサー・シリーズというイベントの主役にナイル・ロジャースが選ばれ、バーナード・エドワーズと日本武道館において久しぶりのCHIC再結成となったが、翌々日の4月18日、バーナード・エドワーズはホテル・ニューオータニの1室で急死した。死因は風邪の悪化、癌、CHICの活動が止まった不遇な時代の薬物の過剰摂取による心身の消耗等指摘されているが定かではない。 ドラムス担当のトニー・トンプソンはその後パワー・ステーションなどで活動したが、1992年の活動再開には参加せず2003年に死去している。
バーナード、トニーが死去したため、現在はナイルが唯一のオリジナルメンバーである。
ディスコグラフィ[編集]
- Chic (1977)
- C'est Chic (1978)
- Risque (1979)
- Real People (1980)
- Chic Chic (1981)
- Take It Off (1981)
- Tongue in Chic (1982)
- Believer (1984)
- Chic-Ism (1992)
- Live at the Budokan (1999)
プロデュース作品[編集]
- ウイ・アー・ファミリー - シスター・スレッジ(1979)
- ラブ・サムバディ・トゥデイ - シスター・スレッジ(1980)
- スペイサー - シーラ& B.デボーション
- ダイアナ - ダイアナ・ロス (1980)
- クークー - デビー・ハリー
ナイルによるプロデュース[編集]
関連項目[編集]
脚注[編集]
出典/書籍[編集]
「ナイル・ロジャーズ&バーナード・エドワーズ Chic、友情という名のメロディー」(ソウルサーチン R&Bの心を求めて Vol.4 [電子書籍版] ) 吉岡正晴 (著)
外部リンク[編集]
- ワーナーミュージック・ジャパン -シック
- ナイル・ロジャーズ&バーナード・エドワーズ Chic、友情という名のメロディー(ソウルサーチン R&Bの心を求めて Vol.4[電子書籍版])
- シック - オールミュージック
- Chic (band) biography at Billboard Magazine
- Chic (band) biography at Rolling Stone Magazine
- nilerodgers.com – Nile Rodgers' official website
- 75 minute audio mix of Chic songs/interviews