シキョン

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チベット亡命政府政治最高指導者
Emblem of Tibet.svg
チベットの国章
現職者
ロブサン・センゲ

就任日 2011年8月8日
官邸 カシャック
ダライ・ラマインド
任命者 ダライ・ラマ14世
元首として
任期 5年(2期まで)[1]
初代 サムドン・リンポチェ5世ロブサン・テンジン
公選の初代カロン・ティパ(主席大臣)として
創設 2001年8月20日(公選移行)
ウェブサイト http://www.tibet.net

概要[編集]

シキョンとは、現在のチベット亡命政府であるガンデンポタンの政治上の最高指導者を表す用語である。チベット亡命政府の「政治最高指導者」と訳されるし、また摂政首相という訳もある[2]

2012年まではこの地位は「主席大臣カロン・ティパ(bka' blong khri pa、カロン・トリパとも表記されることがある))」と称されており、これもまた「チベット亡命政府首相」と訳されてきた。この名称が「政治最高指導者(シキョン)」と改められたのは2012年のことである。

ガンデンポタンは1642年に発足し、チベットのほぼ全域(1642‐1723)または中枢部分(1723‐59)を統治していたダライラマ政権におけるチベットの中央政府に付された固有名詞である。1951年より1959年まで、中国政府との間で締結された17か条協定により、「西藏地方政府」という位置づけに置かれた。チベット動乱にともない、1959年、中国政府が「西藏地方政府の廃止」を布告したのに対抗し、1959年、「チベット臨時政府」の樹立を宣言し、インド領に脱出、以後は「チベット亡命政府」として、インド・ネパールを中心に世界各地に分散するチベット人亡命社会をまとめている。

中華人民共和国地方官である「西蔵自治区人民政府主席」とはまったく別の地位である。

カロン・ティパは亡命チベット人により選挙で選ばれてきた[2]。公選で選出された最初のカロン・ティパは、2001年8月20日に選出された第12代のサムドン・リンポチェ5世ロブサン・テンジンである[3]。現職は2011年8月8日に就任したハーバード大学研究員のロブサン・センゲ[4][5]。任期は5年であり、3選は禁じられている。

2011年現在、副首相にあたるポストは設置されておらず、任期途中で辞任した場合は新たに選び直す[2]。こうした民主的な選挙プロセスが確立する以前は、カロン・ティパのような役割は事実上の元首[6]たるダライ・ラマ14世に従属する立場であった[7]

2011年5月には亡命チベット人憲章が改定され、ダライ・ラマの政治権限などがカロン・ティパに移譲され、機能が強化された[5]。2012年9月20日、第15期チベット亡命政権議会は「亡命チベット人憲章」を改訂し、主席大臣(カロン・ティパ)の称号を「政治最高指導者」(シキョン)と改めた。

歴代のチベット亡命政府政治最高指導者[編集]

氏名 就任日 退任日 元首
1 スルカン・ガワンゲレク
Zurkhang Ngawang Gelek
1960年 1965年 ダライ・ラマ14世
2 シェンカ・ギュルメ・トプギェル
Shenkha Gurmey Topgyal
1965年 1970年 ダライ・ラマ14世
3 ガラン・ロプサン・リクジン
Garang Lobsang Rigzin
1970年 1975年 ダライ・ラマ14世
4 クンデリン・オーセル・ギェンツェン
Kunling Woeser Gyaltsen
1975年 1980年 ダライ・ラマ14世
5 ワンドゥ・ドルジェ
Wangdue Dorjee
1980年 1985年 ダライ・ラマ14世
6 ジュチェン・トゥプテン・ナムギェル
Juchen Thupten Namgyal
1985年 1990年 ダライ・ラマ14世
7 ケサン・エシェ
Kelsang Yeshi
1990年 1991年 ダライ・ラマ14世
8 ギャロ・トンドゥプ
Gyalo Thondup
1991年 1993年 ダライ・ラマ14世
9 テトン・テンジン・ナムギェル
Tenzin N. Tethong
1993年 1995年 ダライ・ラマ14世
10 ケサン・エシェ
Kelsang Yeshi
1996年 1997年 ダライ・ラマ14世
11 ソナム・トプギェル
Sonam Topgyal
1997年 2001年 ダライ・ラマ14世
以降は公選
12 サムドン・リンポチェ5世ロブサン・テンジン
Samdhong Rinpoche V, Lobsang Tenzin
SamdhongRinpoche.jpg 2001年8月20日 2011年8月8日 ダライ・ラマ14世
13 ロブサン・センゲ
Lobsang Sangay
Lobsang Sangay, Tibetan Prime Minister.jpg 2011年8月8日 現職 ダライ・ラマ14世
「政治最高指導者(シキョン)」と名称変更(公選)
- ロブサン・センゲ
Lobsang Sangay
Lobsang Sangay, Tibetan Prime Minister.jpg 2012年9月20日名称変更) 現職 ダライ・ラマ14世(象徴

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ “ダライ・ラマ、選挙を機に権限移管の意向” (日本語). 読売新聞. (2010年12月31日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101231-OYT1T00261.htm 2011年1月3日閲覧。 [リンク切れ]
  2. ^ a b c ダライ・ラマ法王日本代表部事務所. “行政:カシャック(内閣)Kashag” (日本語). 2011年1月3日閲覧。
  3. ^ Donovan Roebert, Samdhong Rinpoche: Uncompromising Truth for a Compromised World (World Wisdom, 2006) ISBN 978-1933316208(2001年8月20日に行われた選挙で、カロン・ティパにロブサン・テンジンが得票率84.5%で当選した。)
  4. ^ “新首相にセンゲ氏=対中国でダライ・ラマ路線踏襲-チベット亡命政府”. 時事通信. (2011年4月27日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011042700578 2011年4月27日閲覧。 [リンク切れ]
  5. ^ a b “チベット亡命政府、新首相就任”. 読売新聞. (2011年8月8日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110808-OYT1T00888.htm 2011年8月8日閲覧。 [リンク切れ]
  6. ^ The Charter of Tibetans in-Exile、自由チベット民主憲法第19、30、31条、2010年3月19日閲覧。
  7. ^ The Charter of Tibetans in-Exile十七か条協定第20条、2010年3月19日閲覧。

外部リンク[編集]