シェンコック

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シェンコック(Xiengkok)は、ラオスルアンナムター県にある村。

概要[編集]

メコン川をはさんでミャンマーと対峙する国境の町。小売店が数軒点在するばかりのいたって静かな町で、メコンには急流を縫って中国からの貨物船が多く往来する。町は人通りも往来も少なく、素朴な雰囲気を残す。簡素なレストランと店舗が点在し、少数民族の衣装をまとった人たちが見られる[1]。約300人の村民が住むが、うち約60人が中国人だという。中国人の多くは、中国よりは儲かるという話を聞き、移住したものの、全く儲からず帰国するものも多いらしい。宿泊施設はメコン川沿いの高台にコテージ風の安宿が存在し、コテージからは常時ミャンマーが見える。メコンは物流と交通の要綱となっており、日本製の中古車から取り外した250馬力ほどエンジンを取り付け、凄まじい速度と騒音で行き交う小舟(パワーボート)がひっきりなしに往復する[2]

ラオスとミャンマーの外交樹立60周年を記念して国境橋「ラオス=ミャンマー友好橋」が完成。

2015年5月9日には、ラオスとミャンマーの外交樹立60周年を記念して国境橋「ラオス=ミャンマー友好橋」が完成。全長700mの2車線で、シェンコックとミャンマー北東部のシェンラップ間を結ぶ。橋の開通で物流貿易がさらに盛んになった。2015年6月現在、ラオス人ミャンマー人以外は通行できない[1]

アカ族[編集]

近くにはアカ族の村(ブンサイマイ村)があり、エンジンボートでのみ訪問が可能。24世帯に100人ほどが暮らす。高床式の住宅でところどころに囲いがあるが、農作物を動物から守る目的である。家畜はすべて放し飼いである。村民の名前は、「アッコウ」「アドゥ」などすべて「」から始まる。主食タケノコ。アカ族はもともとはチベットの高地に住んでいたものが、次第にインドシナ半島を南下したといわれる。農業牧畜が主な産業。食事の後に粘土を固めて乾燥させたを食べる習慣がある。また、既婚女性はをはだけて過ごす習慣がある。アカ家族はもともとはさらに山奥に住んでいたが、政府の指導でこの地に移住した[2]

交通[編集]

ムアンシンから、ムアンローン(Muang Long)行きバスでムアンローンでシェンコック行きに乗り換える。ムアンローンまでが2時間(30,000kip)。ムアンローンからシェンコックまでは1時間(20,000kip)。全行程3時間[1]

その他[編集]

椎名誠の『メコン・黄金水道をゆく』(P31-)に詳しく紹介されている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 『地球の歩き方』2016-17版 D23
  2. ^ a b 椎名誠の『メコン・黄金水道をゆく』(P31-)