シアツ

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シアツ
生息年代: 98.5 Ma
Siats.jpg
復元図
地質時代
白亜紀後期
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 獣脚亜目 Theropoda
階級なし : カルノサウルス類 Carnosauria
上科 : アロサウルス上科 Allosauroidea
: ネオヴェナトル科 Neovenatoridae
: シアツ Siats
学名
Siats
Zanno & Makovicky, 2013

シアツ Siatsネオヴェナトル類獣脚類恐竜絶滅したの一つで、ユタ州の後期白亜紀の地層であるシダーマウンテン累層から発見されている。名称はユタ州先住民のユト族の伝承に登場する人喰いの怪物シアッチ(Siats)に、種小名のミーケロムは種の確定に貢献したミーカー家に由来する。[1][2]

分類[編集]

シアツ・メーケロルム Siats meekerorum一種で成る。

本種は北米大陸で発見されたものの中で最も新しいネオヴェナトル類とされる[1] 。しかし、最近の分析ではメガラプトル類あるいはティラノサウルス類[3]、アロサウルス上科、または基盤的コエルロサウルス類[4]である可能性がある。より最近の研究ではシアツのようなメガラプトル類やネオヴェナトル類はカルノサウルス類の一部に含まれると指摘されている。彼らはティラノサウルス科のような姿に収斂進化したものと考えられている[5]

発見[編集]

ユタ州東部・シーダーマウンテン累層の表面に露出していた骨炭の断片を偶然見つけたリンジー・ザノは、すぐにそれが重要な恐竜であることに気づいた。この層から大型肉食恐竜の断片が見つかることはまれであった。ザノは、「地中に残りがどの程度埋まっているのかわからなかったが、それが大型獣脚類の骨であり、この大陸における獣脚類の進化の歴史の大きな空白を埋めるものだと、見た瞬間にわかったので興奮した」と語っている。 発掘の結果、脊柱、股関節の一部、下肢、足先からなる部分骨格が見つかった。 ザノは当初、アクロカントサウルスのような生物を予想していたが、新発見の恐竜はそれとはまた別系統だった。骨の顕著な解剖学的特徴から、この恐竜はネオヴェナトル科という新たに提唱された肉食恐竜の分類に属することが判明した。同科に所属するネオヴェナトルと同様に、シアツは大きな頭のティラノサウルスに比べて先のとがったスリムな頭をしており、また短い2本指の前肢ではなく、比較的長い3本爪の前肢をもっていたと考えられる。 見つかった骨格は不完全で、しかも幼体のものだったため、成熟したシアツの正確な大きさははっきりとはわからない。 他の恐竜のより完全な骨格と比較した結果、シアツの幼体は最低でも体長約9メートル、体重約4トンはあったと推測される。これはかなりのサイズであり、幼体のシアツでもこれまで北アメリカで発見された肉食恐竜の中で3番目に入る大きさである。見つかったのが未成熟な個体であったことから、成体はさらに大きかった可能性がある。今後の発見次第で、シアツの成体が世界最大の肉食恐竜であったことが明らかになるかもしれないとザノは述べている[6]

記載[編集]

人間との比較

ホロタイプは未成熟な単一個体のもので、脊椎の癒合が完全ではなかった。シアツはいくつかの固有形質によって特徴づけられる。その形質は、遠位尾椎の三角形の断面、近位尾椎に穴を欠く伸長した正中線の厚い層、腸骨の横方向に窪んだ寛骨臼、そして腸骨下部の突起の横側の端部に存在する切れ目である。他の注目すべき形質には、胴椎にある広い神経棘が含まれる[1]

シアツは北米大陸から知られる獣脚類で最大級のものの一つである。ザノとマコヴィッキーは2013年、大腿骨を基準に仮に他のメガラプトル類のプロポーションを当てはめた場合、ホロタイプFMNH PR 2716の全長は11.9mと推定された。大腿骨の円周から計算して体重はおよそ4トンと推定した。 ザノらは、骨格が未成熟個体のものであることを示しているにもかかわらず、ホロタイプの標本がすでにサウロファガナクスやアクロカントサウルスに匹敵すると著している[1]

もしシアツがネオヴェナトル類であるとすれば、その発見は白亜紀後期にティラノサウルス類が現れてもアロサウルス上科の動物が北米大陸の支配を続けていたことになる[7]。しかしながら、2016年までに彼らは実際はメガラプトル類であると指摘された。メガラプトル類はしばしばネオヴェナトル類かティラノサウルス類であるとされる。しかし、他のメガラプトル類の研究では、彼らがティラノサウルス類と独立して収斂進化したカルノサウルス類であることが明らかになっている[5]

分類[編集]

以下はザノとマコヴィッキーによる2013年のクラドグラム[1]

アロサウルス上科
メトリアカントサウルス科


ヤンチュアノサウルス・ジゴンゲンシス




CV 00214



ヤンチュアノサウルス・シャンギョウエンシス






シダイサウルス




シンラプトル・ヘピンゲンシス




メトリアカントサウルス




シンラプトル



シアモサウルス







アロサウリア
アロサウルス科

アロサウルス



サウロファガナクス



カルカロドントサウリア
ネオヴェナトル科

ネオヴェナトル




キランタイサウルス


メガラプトル類

シアツ




アウストラロヴェナトル



フクイラプトル





アエロステオン



メガラプトル






カルカロドントサウルス科


エオカルカリア



コンカヴェナトル





アクロカントサウルス




シャオキロン


カルカロドントサウルス亜科

カルカロドントサウルス


ギガノトサウルス亜科

ティラノティタン




ギガノトサウルス



マプサウルス











出典[編集]

  1. ^ a b c d e Zanno, L. E.; Makovicky, P. J. (2013). “Neovenatorid theropods are apex predators in the Late Cretaceous of North America”. Nature Communications 4: 2827. Bibcode2013NatCo...4E2827Z. doi:10.1038/ncomms3827. PMID 24264527. 
  2. ^ フランス通信社, 2013, ティラノサウルス類も恐れた大型肉食恐竜、米国で化石発見
  3. ^ F. E. Novas; F. L. Agnolín; M. D. Ezcurra; J. I. Canale; J. D. Porfiri (2012). “Megaraptorans as members of an unexpected evolutionary radiation of tyrant-reptiles in Gondwana”. Ameghiniana 49 (Suppl.): R33. http://www.ameghiniana.org.ar/index.php/ameghiniana/article/view/868/1618. 
  4. ^ Apesteguía S., Smith D. N., Valieri J. R., Makovicky J. P., 2016, An Unusual New Theropod with a Didactyl Manus from the Upper Cretaceous of Patagonia, Argentina, PLoS ONE
  5. ^ a b https://museumvictoria.com.au/pages/381424/049-061_MMV74_Novas_4_WEB.pdf
  6. ^ Zanno, L. E.; Makovicky, P. J. (2013). “Neovenatorid theropods are apex predators in the Late Cretaceous of North America”. Nature Communications 4: 2827. Bibcode2013NatCo...4E2827Z. doi:10.1038/ncomms3827. PMID 24264527. 
  7. ^ Jha, Ajit (2013年11月22日). “'Man-Eating Monster' Dinosaur Was Top Predator Before T. Rex; Discovery Solves 30 Million Year-Old Puzzle”. International Science Times. 2013年11月24日閲覧。

関連項目[編集]