ザ・ハイプ

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ザ・ハイプ(The Hype)は、デヴィッド・ボウイが1970年に結成したバンド。The Spiders from Marsの前身。バンド「ザ・ハイプ」は当初「The David Bowie Band」という肩書きで1970年2月22日にロンドン・ラウンドハウスにおいてファーストギグを行った。2月23日にロンドン・ストレッタムアームズで行われた2回目の「ザ・ハイプ」ギグは「Harry the Butcher」の名で演奏し、3回目のギグで「David Bowie's New Electric Band」として広告され、サブタイトルは「So New They Haven't Got A Name Yet」というものであった。

ボウイは、名前を「ザ・ハイプ」に決定した。[1] 「ある電話がバンド名をどうするかという議論に火をけ、偶然に飛び出した発言 – “The whole thing is just one big hype”(すべての物事はまさしく1つの巨大なhypeだ[* 1]) – これがピッタリ当てはまる名前を提供してくれたのだ」[2] このバンドは1970年代におけるグラムロック・シーンの形成に寄与したものと認識されている。[3] このバンドは1970年2月22日にラウンドハウスでノエル・レディングFat Mattressをサポートして演奏し、これはミック・ロンソンのデビューの舞台にもなった。[4][5]

彼らの初舞台は客受けが悪く、バンドはステージを去る際に嘲笑と野次を浴びせられた。[6]

メンバー:

1970年2月、デヴィッド・ボウイは最新アルバム『スペイス・オディティ』のためにもっと常設のバックバンドを求めた。ジョン・ケンブリッジは楽曲「スペイス・オディティ」レコーディング・セッションから参加し、トニー・ヴィスコンティはベース・ギターを引き受けた。ケンブリッジは友人のミック・ロンソンをギタリストとして推薦した。

1970年2月5日、BBC Radio 1で放送されたジョン・ピールの『The Sunday Show』が、ザ・ハイプのラジオ放送におけるオンエアデビューとなった。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ hypeは、「詐欺」、「誇大広告」などの意の他、俗に「皮下注射針」、「麻薬常習者」をいう。

出典注[編集]

  1. ^ Pitt, Kenneth (1983). David Bowie: The Pitt Report. Design Music Ltd. pp. 45. ISBN 978-0-95088-160-7 
  2. ^ Paytress, Mark (2002). Chris Charlesworth. ed. Bolan: The Rise and Fall of a 20th Century Superstar. Omnibus Press. pp. 155. ISBN 978-0-7119-9293-1 
  3. ^ Auslander, Philip (2006). Performing glam rock: gender and theatricality in popular music. University of Michigan Press. pp. 40. ISBN 978-0-472-06868-5 
  4. ^ Brown, Len (2009). “Icons Influences And A Walk On The wild side”. Meetings with Morrissey. Omnibus Press. ISBN 978-1-84772-987-3 
  5. ^ McIver, Joel (2011). Sabbath Bloody Sabbath. Omnibus Press. pp. 47. ISBN 978-1-84938-970-9 
  6. ^ Sandford, Christopher (2005). Bowie: loving the alien. Da Capo Press. pp. 63. ISBN 978-0-306-80854-8. https://archive.org/details/bowielovingalien00sand/page/63