ザ・トゥエルブ・アポストルズ

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The Twelve Apostles

ザ・トゥエルブ・アポストルズ(The Twelve Apostles)とは、オーストラリアビクトリア州ポートキャンベル国立公園にある、石灰岩でできた複数の海食柱である。名称は十二使徒を意味する。

おおよそ南緯38度39分、東経143度6分付近の海岸の近くに、列を成して存在する。なお、観光地化するに当って改名され、結果、十二使徒として知られるようになったものの、ここに12本の海食柱が存在しているわけではない。

概説[編集]

崩壊前(2003年撮影)
崩壊後(2010年撮影)

ザ・トゥエルブ・アポストルズは、中新世に形成された石灰岩からできた海食柱群である[1]。 ここには海岸付近に同じ石灰岩でできた崖が存在する。この崖にできた洞窟を形成していた石灰岩の柔らかい部分が、海の波によって徐々に侵食され、結果、天然のアーチが残り、さらに侵食が進んでアーチが崩落することで、海食柱群は形成されたと考えられている。2010年現在の情報では、高さ約45mの海食柱も存在している[2]。 しかし、海食柱は海の波による侵食の影響を受けやすい。事実、ここの海食柱の根元の石灰岩は、年間2cm〜3cm程度の割合で侵食され続けている[3] したがって、例えば2005年7月3日に50mほどの高さの海食柱が崩壊したように [4]、いつまでもこのままの姿で残っているわけではない。なお、海食柱群の近くの石灰岩の崖には、海食柱の形成途中にあると見られている部分が存在するので、このまま海による侵食が続けば、将来、新たな石灰岩の海食柱が現れるだろうという予測も存在する[5]

歴史[編集]

ザ・トゥエルブ・アポストルズは、オーストラリアのビクトリア州における有名な観光地の1つとしても知られる。しかし、この海食柱群は元々「The Twelve Apostles(十二使徒)」と呼ばれていたわけではない。1922年まで、比較的大きな海食柱であるMuttonbird Islandは、「Sow(メスのブタ)」として知られ、他の小さな海食柱群は「Piglets(子ブタ達)」として知られていた[6]。 ところがその後、観光事業に使う目的で、現在の「The Twelve Apostles(十二使徒)」に改名された。この結果、この海食柱はたった9本しか存在していないのにもかかわらず、十二使徒として知られるようになってしまった[7]。 なお、海食柱は海の波による侵食の影響を受けやすいものだが、2005年7月3日には、50mほどの高さがあった海食柱が崩れ落ちたため、8本を残すのみとなった [4]。さらに2009年9月25日には、Three Sisters(3人姉妹)と呼ばれる部分を形成する海食柱のうちの1本が倒壊した [8]

脚注[編集]

  1. ^ "Parks Victoria Technical Series No. 1 - Twelve Apostles Marine National Park" p.38 Marine Natural Values Study. Parks Victoria.
  2. ^ "Twelve Apostles" Visit Victoria. Tourism Victoria. Retrieved 27 May 2010
  3. ^ "At a destructive rate of 2-3 cm per year"(年間2、3cmの割合での侵食)
  4. ^ a b "Apostles lose one of their own"(1人の使徒を失った)CNN. 4 July 2005.
  5. ^ Porter, Geoff (2006). Little Bites of Australia. Pegasus Elliot Mackenzie Pu. p.203
  6. ^ Twelve Apostles Sign.
  7. ^ La Canna, Xavier and Murphy, Mathew (4 July 2005). "Ninth Apostle crumbles" The Age.comのサイトより
  8. ^ Hunter, Thomas (28 September 2009). "Sister, not apostle, crumbles into sea." The Age.comのサイトより

外部リンク[編集]

座標: 南緯38度39分57秒 東経143度06分16秒 / 南緯38.665833度 東経143.104444度 / -38.665833; 143.104444