サーム (単位)

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サーム
therm
度量衡 ヤード・ポンド法
エネルギー
SI105.5 MJ
組立 106英熱量
派生単位 デカサーム英語版
語源 ギリシャ語: θερμότητα(thermótita、熱)
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サーム英語: therm)は、ヤード・ポンド法系の熱量単位であり、10万英熱量(Btu[1])に等しい。

サームは、アメリカ合衆国イギリスにおいて、天然ガスの取引の単位として使用される。

1サームは、約105.5メガジュール25200キロカロリー29.3キロワット時に相当する。

サームという言葉は時々、1000キロカロリーと定義される「サーミー英語版」(thermie)と混同される。どちらもギリシャ語で「熱」を意味する言葉を語源とする。

定義[編集]

元となる英熱量に複数の定義があるため、サームの値の定義も複数存在する。

  • therm(EC) ≡ 100000 BTUISO[2]
    = 105506000 J
    29.3072 kWh
    therm(EC)はアメリカ合衆国の技術者によってよく使用される。
  • therm(US) ≡ 100000 BTU59 °F[3]
    = 105480400 J
    29.3001111111111 kWh
  • therm(UK) ≡ 105505585.257348 J[4]
    29.3071070159300 kWh

10サームは、SI接頭語をつけたデカサーム英語版(decatherm または dekatherm[5])とも呼ばれ、"Dth"と略される。これは(いずれかの定義による)1000000 Btuに等しい。さらに、1000デカサームはMDth、1000000デカサームはMMDthと略される[5]

利用[編集]

1サームは、100立方フィート (2.83立方メートル)(1 CCF)の天然ガスを燃焼させた場合のエネルギー相当量にほぼ相当する。ガスメーターはエネルギー量ではなく体積を測定するため、ガス会社は、ガスメーターに表示される使用したガスの体積から、サーム係数(therm factor)を使用して実際のエネルギー使用量を計算する。サーム係数は通常、1 CCFあたりのサームの単位で表され、ガスに含まれる炭化水素の種類によって異なる。エタンプロパンブタンのような平均濃度よりも高い天然ガスは、より高いサーム係数を持つことになる。二酸化炭素窒素などのガスに含まれる不純物によって、サーム係数は下がる。

ガスの体積は、標準状態(標準温度と圧力、STP)で測定した場合と同様に計算される。

1999年からイギリスの規制が改正され、ガスは通常、キロワット時の単位で販売されることになった。しかし、イギリスのガス卸売市場では現在でもサーム単位で取引されている。アメリカでは、ガスは一般にCCF(100立方フィート)単位かサーム単位で取引される。

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)によると、1サームの天然ガスを燃焼させると、平均5.3kgの二酸化炭素が発生する[6]

脚注[編集]

関連項目[編集]