サン=ジェルマン=デ=プレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

座標: 北緯48度51分14秒 東経2度20分04秒 / 北緯48.85389度 東経2.33444度 / 48.85389; 2.33444

6区 (パリ)の街区図

サン=ジェルマン=デ=プレ地区(: Quartier Saint-Germain-des-Prés)は、パリの第24番目の行政地区で、6区に所在する地区である。レンヌ通り(fr:rue de Rennes)の端にあり、地区中心にはこの地区と同名の教会・サン=ジェルマン=デ=プレ教会がある。この地区に住む人々のことを「ジェルマノプラタン」と呼ぶ。

周辺のメトロの駅には、サン=シュルピス駅サン=ジェルマン=デ=プレ駅がある。

歴史[編集]

サンジェルマン・デ・プレ教会の鐘楼

メロヴィング朝時代のパリ司教・ジェルマン・ド・パリ[1]によって558年頃に奉堂されたサンジェルマン・デ・プレ大修道院を中心に、小集落が少しずつ形成された。サンジェルマン集落が形成されたのは12世紀で、当時は600人程の人々がフィリップ・オーギュスト城壁外に居住していた。

当時の集落は、セーヌ川の左岸、現在の6区と7区にあたる領域を含んでいた。12世紀までこの小教区を管轄していたのはサンピエール教会で、現在その場所にはウクライナのカトリック教会が建っている。1000年頃に石造建築が建設された。その頃は、大修道院が栄華を極め、巨大な知識的影響力を持った時代であった。フール通り(fr:Rue du Four)の名前は、この当時の大修道院の(フランス語でfour)に由来する。1180年頃、サン=シュルピス教会が管轄の小教区教会となった。

17世紀、知識階級が多くこの地区に集うようになってから、サン=ジェルマン=デ=プレは活気を帯びるようになった。ビュシ通り(fr:rue de Buci)の「ランデル」[2]や、「ル・プロコップ」(現在も営業)といったカフェには、百科全書派の啓蒙思想家や、この地区に居住していたジャン=ポール・マラージョルジュ・ダントンジョゼフ・ギヨタンといった後のフランス革命・政治家らが出入りをしていた。修道院は革命時に破壊された。

1921年から1950年代終盤にかけ、ボナパルト通りとラベイユ通りの交差する角にル・ディヴァン出版社が操業し、スタンダール研究の第一人者、アンリ・マルチノ(fr:Henri Martineau)により、同名の文学誌『ル・ディヴァン』(fr:Le Divan)が刊行されていた。

第二次世界大戦後、サン=ジェルマン=デ=プレ地区はパリの知的・文化活動の一大中心地となり、多くの哲学者、著述家、俳優、映画監督、音楽家などの文化人が連日ナイトクラブブラッスリーに集った。その中には、ジャン=ポール・サルトルシモーヌ・ド・ボーヴォワール(両名とも哲学者)、ジュリエット・グレコ俳優歌手)、ジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォー(両名とも映画監督)、ジャック・プレヴェール(詩人)といった人々がいた。

サンジェルマン大通り(セーヌ左岸)(2008年撮影)

現在はかつてほどの名声はないが、芸術家たちは好んでこの地区を訪れ、最盛期の雰囲気を今に伝える「レ・ドゥ・マゴ」(fr:Les Deux Magots)や「カフェ・ドゥ・フロール」(fr:Café de Flore)といったカフェで時を過ごす。ブラッスリー「リップ」(fr:Lipp)は、ジャーナリストや著名な俳優達の溜り場となっている。

地区内の建物は17世紀当時の面影を今に残すものの、当時の小売店や書店・出版社は姿をひそめ、現在は主に高級服店となっている。

1961年、シンガーソングライターのギィ・ベアール(fr:Guy Béart )が『それっきりもう何もない』(Il n'y a plus d'après)[3]を作り、サン=ジェルマン=デ=プレを歌った。この歌は既述のジュリエット・グレコによってカバーされた。同じくシンガーソングライターのアラン・スション(fr:Alain Souchon)は、ベアールの歌に描かれた地区の雰囲気は現在なくなってしまったと、自ら作ったシャンソン・『パリ左岸』(Rive gauche à Paris)に自らのノスタルジーを歌った。

1967年にも、シンガーソングライターのレオ・フェレfr:Léo Ferré)が『カルチエ・ラタン』(Quartier Latin)の中で、サン=ジェルマン=デ=プレの変わりように対しての失望と無念さを吐露している。

サン=ジェルマン=デ=プレ地区はパリのシンボルの一つであり、多くの映画やテレビドラマの舞台として描かれている(アメリカのテレビドラマゴシップガールでは、高級ホテルの一つであるl'hôtel Bel Amiで起こるシーンが描かれている)。

文学作品[編集]

参照・出典[編集]