サンダーバード 劇場版

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サンダーバード
Tunderbirds Are Go
監督 デヴィッド・レイン
脚本 ジェリー・アンダーソン
シルヴィア・アンダーソン
製作 シルヴィア・アンダーソン
音楽 バリー・グレイ
撮影 アラン・ペリー
編集 レン・ウォルター
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 イギリスの旗 1966年12月15日
日本の旗 1967年7月15日
上映時間 94分
製作国 イギリスの旗 イギリス
言語 英語
次作 サンダーバード6号
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サンダーバード』(Thunderbirds are Go)は、1966年イギリスで製作された人形劇特撮映画作品。TVシリーズ『サンダーバード』の劇場映画化作品第1作。

DVDのパッケージでは、英語のロゴタイトルとともに日本語で『サンダーバード 劇場版』と記載されている。

概要[編集]

製作の経緯[編集]

テレビシリーズ『サンダーバード』のイギリス国内での大ヒットを受け、製作者のジェリー・アンダーソンは劇場用映画を企画し、配給会社ITCの総帥ルー・グレイドの了承を得て、1966年3月から製作を開始した。ジェリーは当初、監督に『ウエスタン・マリオネット 魔法のけん銃』以来、演出部門の中心人物であったアラン・パティロを考えていたが、人形劇の演出に飽きていたパティロが断ったため、テレビ版で多くの監督を務めたデヴィッド・レインを起用することになった。テレビではノーマルだった画面アスペクト比が、映画ではワイドスクリーンとなるため、レインはさまざまな工夫を凝らしながら撮影を続けていった。特撮は、テレビ版でも活躍したデレク・メディングスが担当した[1][2]

これまでアンダーソンの人形劇では、主要キャラクターの人形が実在の人物に似せて作られることがあった[3]が、この映画では実在の人物そのものの人形が作られた。アンダーソンがルー・グレイドの別荘があるポルトガルに滞在していたとき、近くにミュージシャンのクリフ・リチャードが住んでいた。これが縁で映画の中にクリフ・リチャード・Jr. (未来の設定のためJr.が付いている)とバックバンドのシャドウズの人形が登場し、クリフが唄う『シューティング・スター』とインストルメンタルの『レディ・ペネロープ』の2曲が使われることになったのである[1][2]

興行成績[編集]

ルー・グレイドは、テレビ版のアメリカ3大ネットワークへの売り込みは失敗していたが、映画をユナイテッド・アーティスツと配給契約を結ぶことには成功した。1966年12月12日、ピカデリーサーカスにあるロンドン・パビリオン劇場でプレミア公開が行われた。ジェリーの妻であるシルヴィアは、女性映画プローデューサーが当時は珍しかったこともあり、報道陣の注目を集め上機嫌になった。上映に先立って、イギリス海軍軍楽隊が「サンダーバードのテーマ」をステージ上で演奏し、作曲者のバリー・グレイもそれを最前列で誇らしげに聞いた。グレイドはジェリーに感謝を表すため、会場で自分のポルトガルの別荘を譲渡することを明らかにし、ユナイテッド・アーティスツの常務デイヴィッド・ピッカーは、ジェリーに次回作はどんなテーマで撮ってもいいと言い出すほどだった[1][2]

ところが、映画公開の翌週から、ジェリーとシルヴィア夫妻が、映画のプロモーションのため、イギリス各地を回り始めると、どの劇場も客入りが芳しくないことが明らかとなっていき、それまでもあまり良くなかった二人の仲が、ますます悪化するようにもなった。このときはシルヴィアが妊娠したことが分かり、二人の破局はまぬがれた[4]ものの、映画の方は、関係者全員の予想を裏切り、興行収入が低いままに終わってしまったのである[1][2]

ストーリー[編集]

人類初の有人火星探査ロケット「ゼロ-X号」が組み立てられ、離陸した後、侵入者の妨害工作により制御不能となり搭乗員は脱出し、機体は海上に墜落してしまった。2年後、2回目の離陸を国際救助隊の護衛と共に順調に進み、ほとんど問題はなく成功した。6週間後「ゼロ-X号」は火星に着陸し、探査の途中で謎の岩を発見し、銃で撃ち、科学者の一人が岩のかけらを採りに外へ出ようとしたその時、岩が動き出し、攻撃をしてきた。実はそれらは岩ではなく、火星の生物だったのだ。なんとか離陸して地球へ帰還したが全翼機との接続に失敗し、接続機も破損して、おまけに脱出装置も故障して約30分で墜落せざるをえなくなった。その通信を傍受した国際救助隊は救助に向かう。

登場人物[編集]

ジェフ・トレーシー(ピター・ダイネリー)
トレーシー兄弟の父。国際救助隊を司令。
スコット・トレーシー(シェーン・リマー)
トレーシー兄弟の長男。サンダーバード1号担当。
バージル・トレーシー(ジェレミィ・ウィルキン)
トレーシー兄弟の三男。サンダーバード2号担当。
アラン・トレーシー(マット・ジマーマン)
トレーシー兄弟の五男。サンダーバード3号担当。
ゴードン・トレーシー(デビッド・グラハム)
トレーシー兄弟の四男。サンダーバード4号担当。
ジョン・トレーシー(レイ・バレット)
トレーシー兄弟の次男。サンダーバード5号担当。
ブレインズ(デビッド・グラハム)
科学者。国際救助隊メカ開発担当。
ペネロープ・クレイトン・ワード(シルヴィア・アンダーソン)
英国貴族。国際救助隊ロンドン支部エージェント。
アロイシャス・パーカー(デビッド・グラハム)
ペネロープの執事。FAB1(ペネロープの使用する特殊装備を施したロールス・ロイス)の運転も担当。
ザ・フッド(レイ・バレット)
国際救助隊の仇敵。ゼロX号に2度にわたり妨害工作を仕掛ける。
ティンティン(クリスティン・フィン)
日本語版ではミンミン。ザ・フッドの弟キラノの娘。国際救助隊の仕事を手伝う。
ポール・トレバース(ポール・マックスウェル/寺島幹夫(テレビ版)/吉水慶(VHS版)/大塚芳忠(DVD版)
宇宙飛行士。ゼロX号機長。
管制官(大木民夫(テレビ版)/銀河万丈(VHS版)/小山武宏(DVD版))
グレッグ・マーティン大尉(若本紀夫(テレビ版)/有本欽隆(VHS版)/樫井笙人(DVD版)
トニー・グラント博士(日高晤郎(テレビ版)/江原正士(VHS版)/鳥畑洋人(DVD版))
レイ・ピアース博士(納谷六朗(テレビ版)/塚田正昭(VHS版)/坪井智浩(DVD版))
ブラッド・ニューマン航空士(古川登志夫(テレビ版)/田原アルノ(VHS版)/池田和良(DVD版))
所長(西村知道(テレビ版)/岸野一彦(DVD版))

メカニック[編集]

ゼロX号(Zero-X)
人類初の火星への有人着陸を実現させた。デザインや機能は、ロケットより飛行機に近く、滑走路での離着陸を行う。そのまま火星探検車となる前部操縦席モジュール(大気圏離脱時には最前部にノーズコーンが備わる)の後ろに中央胴体が繋がり、大気圏離脱・地球帰還時には前翼が胴体前半上部に、後翼が胴体後後半部にドッキングした形となる。同映画の不入りと裏腹に、"TV21"誌で人気を博し、ゼロXが主役の漫画も連載された。また、火星探検車は「キャプテン・スカーレット」冒頭にも登場している。
日本でも今井科学が豪華な大型プラモデルを年末商戦向けに発売し、子供達の憧れの的となった。なお、このプラモデルの金型は失われ、再発売されない状態にあったと当時の関係者から語られていたが、近年になって、旧今井科学のプラモデル金型を多数引き継いだバンダイの静岡工場・バンダイホビーセンターで保管されていることが判明。劇場版サンダーバードの公開40周年を記念し、2007年7月にギミックをも完全再現した復刻版が、トイズワークスの新ブランド「男の復刻倶楽部」より発売された。

火星怪獣ガンジャ[編集]

ゼロX号の乗員を襲う謎の火星生物は、英語ではロック・スネークと呼ばれ、日本では配給の日本ユナイト映画宣伝部が、直訳してガンジャと名付けた[5]。一見岩状だがとぐろを巻いた赤い一つ目の生物で、口から火の玉を発射して攻撃する。

スタッフ[編集]

注・出典[編集]

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  1. ^ a b c d ジェリー・アンダーソン、サイモン・アーチャー、マーカス・ハーン『サンダーバードを作った男 ジェリー・アンダーソン自伝』アーカス・吏津子訳、洋泉社、2003年(ISBN 9784896917246
  2. ^ a b c d シルヴィア・アンダーソン 『メイキング・オブ・サンダーバード』奥田祐二訳、白夜書房、1992年(ISBN 9784893672612
  3. ^ 例えばスコット・トレーシーはショーン・コネリー、ペネロープはシルヴィア・アンダーソンがモデルとなっている。
  4. ^ ジェリー・アンダーソンとシルヴィアは、1981年に離婚した。
  5. ^ LD『サンダーバード & サンダーバード6号 スペシャルBOX』 ワーナー・ホーム・ビデオ 解説書

関連項目[編集]

外部リンク[編集]