サニタイザー

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水洗便器用薬剤供給装置サニタイザー
サニタイザーが連結され薬剤が供給されている男性用トイレの小便器
女性用トイレではサニタイザーが大便器に連結され薬剤が供給される

サニタイザー(sanitizer)とは、消毒薬を供給する装置または機器である。

病院の待合室や診察室、店舗においてある衛生面や快適性を重視する施設のディスペンサーに入った、手を消毒させる装置をサニタイザーと呼ぶほか、衛生面や快適性を重視する施設の水洗トイレでは、小便スラッジからなる尿石便器排水管の付着防止および便器内を消毒して悪臭を防止するために水洗便器の洗浄管にサニタイザーと呼ばれる薬剤供給装置水洗便器の洗浄管に連通管を介して連結して、便器洗浄水を流す度に毎回自動的に一定量、一定濃度の界面活性剤を主成分とする尿石付着防止の洗浄消毒薬水洗便器に供給する。

水洗トイレにおけるサニタイザー[編集]

小便スラッジからなる尿石は尿中に溶けているカルシウムイオンが炭酸などと反応し、カルシウム化合物として、便器および便器のトラップ、便器からの排水管の内部に付着する。尿石には尿中の有機物も含まれており、これが腐敗分解すると、トイレ独特の臭気が発生する。トイレにおける悪臭の主たる原因になっており、尿石が便器〜排水管への付着、蓄積が進むと悪臭がさらにひどくなり、やがて排水管の詰まりが起こる。水洗トイレでは小便や大便の汚物は水で流れるものの、同時に尿の成分や細菌などど結びつき、便器の表面やトラップ等の水溜り部や排水管内でバクテリア等の細菌が活発に繁殖して尿の成分とバクテリア等の細菌とが結び付くとバクテリア等の細菌がさらに繁殖して悪臭や尿石発生の原因となる。このため各業者から尿石除去及び防止の薬剤が発売されており、古くからトイレボールと呼ばれる球状の尿石防止薬剤を男性用小便器排水口付近に投入されることが多かったが、最近は洗浄水を電気分解して生成した機能水を流しバクテリアの繁殖を抑制してアンモニアの発生や尿石付着を防止する機能がある小便器が発売されているほか、水道水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる、除菌成分含む水である除菌水を発生させて洗浄する便器が開発されている。

公共の施設の水洗式トイレでは水洗便器の洗浄水に尿石防止や消毒、消臭、洗浄等を目的とした必要量の薬剤を一定に自動的に添加供給する水洗便器用薬剤供給装置サニタイザーが設置されることが多い。このような水洗便器に対する薬剤処理の必要性は、多数の人々が使用する各所のトイレにおいてとりわけ高くなり、主にデパートホテル旅館等の宿泊施設劇場複合商業施設病院等の不特定多数の利用者が居り衛生面や快適性を重視する施設の、男性トイレでは小便器に、女性トイレでは和式大便器洋式大便器の便器洗浄管(便器への給水管)に組込み連結して設置される。 なおサニタイザーの薬剤は、汚れと悪臭に対して除去する成分と防止する成分から成っおり、除去の成分は汚れを即効的に洗浄する洗浄剤、防止の成分は尿石(スケール)という悪臭の元となる物の発生を防ぐ殺菌力を持つ静菌剤から成っている。

構造[編集]

大便器のフラッシュバルブに連結されたサニタイザー

サニタイザー本体にはフロート付きの弁装置を持つ薬液混合用溶解槽とカートリッジ等に入った薬剤が仕込まれており、フラッシュバルブ等の便器への給水管から枝分かれした構造の連通管(給排水管)を設け、サニタイザー本体と連結、結管される。フラッシュバルブ起動毎にサニタイザーに内蔵されているフロート付きの弁装置の作用で一定量ずつの水を取り込み、サニタイザー内に仕込まれた薬剤ボトルの底面にある海綿体の浸出性瓶栓から浸出する薬剤をサニタイザー内の薬液混合用溶解槽に取り込まれた水により希釈して薬剤水溶液とし、フラッシュバルブ閉止間際に給水管内の内圧減少に伴って、この薬剤希釈水溶液を前記フロート付きの弁装置を設けた弁室および連通管を介して再び給水管内に排水して、便器内へと排流するようになっている。

作動原理[編集]

洗浄直後サニタイザーから溶出した薬剤が便器に供給され滞留する様子

水洗フラッシュバルブを操作して便器に水を流すと、水は水圧により連通管(便器の給水管からサニタイザーに連結した管)を通り、フロート弁を経由してサニタイザー内の薬液混合用溶解槽に流入する。サニタイザー溶解槽内の水量が増えるにつれて、フロートが上動(上昇)していき、やがてフラッシュバルブの流水がピークに達する頃、サニタイザー溶解槽内が満水になると同時にフロートが最上昇点に達し、フロート弁の弁体が弁座に圧接して、水の流入・排出管部が閉塞される。このためにサニタイザー溶解槽内へ流入する水の量は、常に一定となる。サニタイザーに流入した水は、サニタイザー内に仕込まれた薬剤と接触して薬剤を溶解する。フラッシュバルブが閉止し便器へ流れる水圧が低下して内圧が減少すると、フロートが降下して弁体が弁座から離れ、フロート弁が開き、水の流入・排出管部が開放され、サニタイザー溶解槽内の薬剤を溶解した薬剤水溶液は連通管を介して再び給水管内に排水され便器に流れ込む。便器に流れ込んだ薬液は便器表面からトラップ、排水管へ流れて便器の表面や管路、排水管は常に除菌消毒される。一回のフラッシュバルブの操作により便器に流れる水の量はほぼ一定であり、水流の強さの時間的変化も一定した状態が繰り返されるので、サニタイザーに水が流れ込み、薬剤を溶解して便器へ流れる過程も一定した状態が繰り返され、常にほぼ一定量の薬剤が溶解して便器に供給される。便器への流水が終了する間際に薬剤を溶解した溶液が便器に供給されるので、薬剤を溶解した溶液はほとんど希釈されることなく、常に安定した薬剤量及び薬剤濃度の溶液が便器内に留まると同時に便器からの排水管に残留し、便器の汚物付着防止、消毒、静菌、バクテリア等の細菌の繁殖を抑制により、脱臭、尿石の付着防止、排水管のつまり防止に効果的に作用する。

出典[編集]

関連項目[編集]