サッカーポルトガル代表

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サッカーポルトガル代表
国または地域 ポルトガルの旗 ポルトガル
協会 ポルトガルサッカー連盟
FIFAコード POR
愛称 Seleção das Quinas
監督 スペインの旗 ロベルト・マルティネス
キャプテン クリスティアーノ・ロナウド
最多出場選手 クリスティアーノ・ロナウド(205試合)
最多得点選手 クリスティアーノ・ロナウド(128得点)
ホームカラー
アウェイカラー
初の国際試合
 スペイン 3 - 1 ポルトガル 
マドリード, 1921年12月18日)
最大差勝利試合
 ポルトガル 9 - 0 ルクセンブルク 
ファロ/ローレ, 2023年9月11日)
最大差敗戦試合
 ポルトガル 0 - 10 イングランド 
リスボン, 1947年5月25日)
FIFAワールドカップ
出場回数 8回(初出場は1966
最高成績 3位 (1966)
UEFA欧州選手権
出場回数 8回
最高成績 優勝 (2016)

サッカーポルトガル代表(サッカーポルトガルだいひょう、ポルトガル語: Selecção Portuguesa de Futebol)は、ポルトガルサッカー連盟(FPF)によって構成される、ポルトガルサッカーナショナルチームである。

歴史

1960年代 - 1990年代

初出場となった1966年のイングランド・ワールドカップでは3位に入った。しかしその後は低迷し、国際大会の予選敗退が続いた。1984年のUEFA欧州選手権1984で久々に国際舞台に立ち、ベスト4に進出し、2年後のメキシコW杯では欧州予選の最終戦で地区予選通算で無敗の西ドイツにアウェイで勝利して本大会出場を決めるが、グループステージ敗退に終わり、その後再び低迷した。

この状況を打破したのが1989年、1991年のFIFAワールドユース選手権で優勝したルイス・フィーゴマヌエル・ルイ・コスタパウロ・ソウザフェルナンド・コウトジョアン・ピントらを筆頭とするゴールデン・ジェネレーション(黄金世代)であった。1996年のUEFA EURO '96で初めてフル代表での国際大会に挑んだ彼らは、「アコーディオン・システム」と呼ばれる中盤での頻繁なポジションチェンジとパスサッカーを駆使してベスト8進出を果たした。

2000年代 - 2010年代

UEFA EURO 2000ではFWにヌーノ・ゴメスという人材を得てベスト4に入ったが、日韓W杯では優勝候補として挙げられるも、グループリーグ初戦のアメリカ戦で敗れ、同最終戦の韓国では退場者を2人も出すというアクシデントもあって0-1で敗れ、グループリーグ敗退となった。この大会を最後に黄金世代の多くが代表引退を表明した。

開催国として出場したUEFA EURO 2004では初戦、ギリシャに敗れグループリーグ敗退の危機に陥ったが、ルイス・フェリペ・スコラーリ監督は大幅なメンバーの入れ替えを敢行し、クリスティアーノ・ロナウドデコリカルド・カルヴァーリョら黄金世代に代わる新戦力を軸に決勝進出を果たし、決勝でギリシャに再び敗れたものの準優勝となった。

その後も世代交代が進み、ベテランと若手が噛み合わさりドイツW杯ではエウゼビオ時代以来40年ぶりとなるワールドカップでのベスト4進出を果たした。UEFA EURO 2008ではドイツに敗れベスト8、南アフリカW杯ではスペインに敗れベスト16。UEFA EURO 2012では2大会ぶりのベスト4進出を果たしたが、スペインに延長PK戦の末敗れた。ブラジルW杯では最終的には勝ち点4でアメリカと並んだものの、ドイツとの初戦で0-4の大敗を喫したことが響きグループリーグで敗退した。

UEFA EURO 2016ではグループリーグでは3引き分けと苦しむが、ラウンドオブ16ではクロアチアに延長後半12分のリカルド・クアレスマのゴールで1-0で勝利、準々決勝でポーランドにPK戦の末勝利、準決勝でウェールズロナウドの1ゴール1アシストで勝利し、3大会ぶりに決勝進出。決勝で地元フランスを相手に、エデルの延長後半4分ゴールが決勝点となり、1-0で勝利、UEFA欧州選手権で初優勝を果たした。ポルトガルの主要大会でのタイトルは全てを通してこれが初めてである。

欧州選手権優勝により、FIFAコンフェデレーションズカップ2017に出場、グループAを2勝1分の首位で準決勝に進出したものの、チリに0-0からのPK戦で敗れ、3位決定戦でメキシコに延長の末2-1で勝利、3位となった。

2018 FIFAワールドカップでは、欧州選手権チャンピオンとして優勝候補に挙げられる一方で、クリスティアーノ・ロナウドが前回大会に続いて前年度のバロンドールに選出されたことから、いわゆる「バロンドールの呪い」のジンクスを指摘する向きもあった[1]グループBでは、初戦でロナウドがハットトリックを記録するなど1勝2分の2位で、2大会ぶりに決勝トーナメント進出を果たしたが、決勝トーナメント初戦のウルグアイ戦で、エディンソン・カバーニに2ゴールを許し1-2で敗退した。

2020年代

1年順延されたUEFA EURO 2020ではグループリーグ初戦でハンガリーに勝利するも、第2戦のドイツ戦で敗れ、前回の2016年大会決勝の再現となった第3戦のフランス戦では引き分け、1勝1敗1分けの勝ち点4の3位で通過した。ラウンドオブ16ではベルギーに敗れ、大会2連覇はならなかった。カタールで行われた2022 FIFAワールドカップでは、準々決勝でモロッコに0-1で敗れベスト8となった[2]

2023年のEURO予選ではスロバキアやルクセンブルクと同組のグループJに入り、予選を10戦全勝・得失点差34という圧倒的な内容で突破し、本選出場を決めた。

成績

    優勝      準優勝     3位     4位

FIFAワールドカップ

開催国 / 年 成績
ウルグアイの旗 1930 不参加
イタリア王国の旗 1934 予選敗退
フランスの旗 1938
ブラジルの旗 1950
スイスの旗 1954
スウェーデンの旗 1958
チリの旗 1962
イングランドの旗 1966 3位 6 5 0 1 17 8
メキシコの旗 1970 予選敗退
西ドイツの旗 1974
アルゼンチンの旗 1978
スペインの旗 1982
メキシコの旗 1986 グループリーグ敗退 3 1 0 2 2 4
イタリアの旗 1990 予選敗退
アメリカ合衆国の旗 1994
フランスの旗 1998
日本の旗大韓民国の旗 2002 グループリーグ敗退 3 1 0 2 6 4
ドイツの旗 2006 4位 7 4 1 2 7 5
南アフリカ共和国の旗 2010 ベスト16 4 1 2 1 7 1
ブラジルの旗 2014 グループリーグ敗退 3 1 1 1 4 7
ロシアの旗 2018 ベスト16 4 1 2 1 6 6
カタールの旗 2022 ベスト8 5 3 0 2 12 6
合計 出場8回 35 17 6 12 61 43

UEFA欧州選手権

開催国 / 年 成績
フランスの旗 1960 予選敗退
スペインの旗 1964
イタリアの旗 1968
ベルギーの旗 1972
ユーゴスラビアの旗 1976
イタリアの旗 1980
フランスの旗 1984 ベスト4 4 1 2 1 4 4
西ドイツの旗 1988 予選敗退
スウェーデンの旗 1992
イングランドの旗 1996 ベスト8 4 2 1 1 5 2
ベルギーの旗オランダの旗 2000 ベスト4 5 4 0 1 10 4
ポルトガルの旗 2004 準優勝 6 3 1 2 8 6
オーストリアの旗スイスの旗 2008 ベスト8 4 2 0 2 7 6
ポーランドの旗ウクライナの旗 2012 ベスト4 5 3 1 1 6 4
フランスの旗 2016 優勝 7 3 4 0 9 4
欧州連合の旗 2021 ベスト16 4 1 1 2 7 7
合計 出場8回/優勝1回 39 19 10 10 56 37

UEFAネーションズリーグ

UEFAネーションズリーグ
開催年 リーグ グループ Rank
ポルトガルの旗 2018–19 A 3 6 4 2 0 9 4 優勝
イタリアの旗 2020–21 A 3 6 4 1 1 12 4 5位
オランダの旗 2022–23 A 2 6 3 1 2 11 3 6位
合計 出場3回/優勝1回 16 9 4 3 28 10 -

FIFAコンフェデレーションズカップ

開催年 結果 試合 勝利 引分 敗戦 得点 失点
ロシアの旗 2017 3位 5 3 2* 0 9 3
合計 出場1回/優勝0回 5 3 2* 0 9 3

オリンピック

オリンピック
開催年 結果
イギリスの旗 1908 予選敗退
スウェーデンの旗 1912
ベルギーの旗 1920
フランスの旗 1924
オランダの旗 1928 ベスト8 3 2 0 1 7 5
ドイツ 1936 予選敗退
イギリスの旗 1948
フィンランドの旗 1952
オーストラリアの旗 1956
イタリアの旗 1960
日本の旗 1964
メキシコの旗 1968
ドイツの旗 1972
カナダの旗 1976
ソビエト連邦の旗 1980
アメリカ合衆国の旗 1984
大韓民国の旗 1988
通算 最高成績 : ベスト8
19大会中/1回出場
3 2 0 1 7 5

選手

監督

記録

最多出場・最多得点者であるクリスティアーノ・ロナウド

出場数ランキング

2023年11月20日時点[3]

  水色は現役代表選手
# 名前 出場 得点 初出場 最終出場
1 クリスティアーノ・ロナウド 205 128 2003年8月20日 2023年11月20日
2 ジョアン・モウティーニョ 146 7 2005年8月17日 2022年6月9日
3 ぺぺ 134 8 2007年11月21日 2023年6月20日
4 ルイス・フィーゴ 127 32 1991年10月12日 2006年7月8日
5 ナニ 112 24 2006年9月1日 2017年7月2日
6 フェルナンド・コウト 110 8 1990年12月19日 2004年6月30日
7 ルイ・パトリシオ 107 0 2010年11月17日 2023年3月26日
8 ブルーノ・アルヴェス 96 11 2007年6月5日 2018年6月7日
9 マヌエル・ルイ・コスタ 94 26 1993年3月31日 2004年7月4日
10 リカルド・カルヴァーリョ 89 5 2003年10月11日 2016年6月22日

得点数ランキング

2023年11月20日時点[4]

  水色は現役代表選手
# 名前 得点 出場 得点率 初出場 最終出場
1 クリスティアーノ・ロナウド 128 200 0.62 2003年8月20日 2023年11月20日
2 ペドロ・パウレタ 47 88 0.53 1997年8月20日 2006年7月8日
3 エウゼビオ 41 64 0.64 1961年10月8日 1973年10月13日
4 ルイス・フィーゴ 32 127 0.25 1991年10月12日 2006年7月8日
5 ヌーノ・ゴメス 29 79 0.37 1996年1月24日 2011年10月11日
6 エルデル・ポスティガ 27 71 0.38 2003年6月13日 2014年11月14日
7 マヌエル・ルイ・コスタ 26 94 0.28 1993年3月31日 2004年7月4日
8 ナニ 24 112 0.21 2006年9月1日 2017年7月2日
9 ジョアン・ピント 23 81 0.30 1991年10月12日 2002年6月14日
10 ネネ英語版 22 66 0.33 1971年4月21日 1984年6月23日
シモン 22 85 0.26 1998年10月18日 2010年6月29日

脚注

  1. ^ 呪いをかけられたドイツとポルトガル 決して優勝できない不幸のジンクスとは”. 産経WEST. 産経デジタル (2018年6月7日). 2018年7月2日閲覧。
  2. ^ 驚異のヘディング弾でモロッコがアフリカ勢初の4強進出!! ポルトガルはC・ロナウド投入も攻撃沈黙で終戦”. ゲキサカ (2022年12月11日). 2023年3月28日閲覧。
  3. ^ Portugal international footballers” (英語). eu-football.info. 2019年8月25日閲覧。
  4. ^ Portugal national football team goal scorers” (英語). eu-football.info. 2019年8月25日閲覧。

関連項目

外部リンク