サカサマのパテマ

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サカサマのパテマ
PATEMA INVERTED
Patema Inverted logo.png
監督 吉浦康裕
脚本 吉浦康裕
原作 吉浦康裕
製作会社 アスミック・エース
公開 2013年11月9日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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サカサマのパテマ』 (PATEMA INVERTED) は、吉浦康裕による日本アニメーション映画作品。2013年11月9日に日本公開された。第17回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、スコットランド ラブアニメ映画祭2013(Scotland Loves Anime 2013)観客賞及び審査員賞を受賞。また、第7回アジア太平洋映画賞最優秀アニメーション映画賞にノミネートされた。DVD及びBlu-ray2014年4月25日に発売された。

概要[編集]

スタジオ六花の吉浦康裕が、『イヴの時間』に続いて、原作・監督・脚本を務めて制作するサイエンス・ファンタジー作品。2012年劇場公開予定だったが、制作上の都合により2013年公開に変更となった。吉浦は、この作品について(店の中のエピソードが多かった前作の『イヴの時間』と違って)、外の話にしたいとしている[1]

ぴあによる公開初週の映画・満足度ランキングでは1位となった[2]

ストーリー[編集]

「かつて、多くの罪人(つみびと)が空に落ちた」と“空”を忌み嫌う世界・アイガ。そこに住む少年・エイジは、空を目指した父・エイイチを事故で亡くして以来、今の生活に鬱憤を募らせていた。一方、地下世界の長の娘・パテマは、長い間行方不明になっている友人・ラゴスを探し、日々散策を続けていた。ある日、突如現れたサカサマの人間に襲われ更に深くへと落ちたパテマはエイジと出会う。サカサマ人が実在することに驚くエイジだったが、彼女を匿うことにする。

その頃、サカサマ人が現れたとの報告を受けたアイガの君主・イザムラは、治安警察のジャクに捜索を命じる。エイジはパテマを連れて逃げようとするが捕らえられてしまう。エイジは厳しい尋問の後開放されるが、その時父の死が事故ではなく暗殺であったことを知る。そして、イザムラの下へと連れてこられたパテマが目にしたのは、保存液につけられたラゴスの死体だった。

失意のエイジの前にパテマを探しに来たポルタが現れる。二人は協力してパテマが監禁されている塔に向かうが、救出直前にイザムラ達に見つかる。更にはイザムラに捕まったパテマを助けようした瞬間に足枷の重みによってエイジとパテマはアイガの空へ落ちてしまう。しかし、落下を続けていた二人が目にしたものは、広大地面と、そこに無数に設置されてた機械だった。緩やかに着地した二人は、エイジの父が死ぬ際に乗り込んでいた飛行船を発見する。そして中には、父とラゴスの交流の記録が残されていた。

エイジはパテマを地下に帰すため、飛行船に乗って再びアイガを目指す。無事アイガへとたどり着いた二人は急いで地下へと向かうが、二人を殺そうとイザムラが追跡していた。イザムラは地下世界の上層でエイジとの激しいもみ合いの末、上層に空いた穴へと落ちていくが、穴から見えたのは廃墟となった高層ビル群と本物の空だった。

ここで、アイガが実は地下の巨大空間に作られた世界であること、パテマ達は大災害を生み出した科学者たちの末裔であり、サカサマになった人々=アイガの住人を見守るため、地上とアイガの中間にある地下へと移り住んだことが明かされる。パテマにつかまり、エイジは新しい世界へと足を踏み出していく。

登場人物[編集]

主要人物[編集]

パテマ
- 藤井ゆきよ
本作の主人公。地下民族の長の娘(養女)。明るく天真爛漫な性格で、混乱すると激情に駆られる。未知の世界への好奇心と行方不明のラゴスを探している途中、ひょんなことからアイガに落ちた。
エイジ
声 - 岡本信彦
本作のもう一人の主人公。中等部2年生。管理下にあるアイガの社会を嫌い、教師に反発したり、空を見上げたりしている不良少年。エイイチを父として持ち、尊敬している模様。
ポルタ
声 - 大畑伸太郎
地下世界に住む少年。向こう見ずでお調子者だが、行動力があり、パテマの事を案じる優しい面もある。パテマに想いを寄せていたが、物語のラストで失恋し大いに悲しみ、「真実を知ったアイガの国民の方がショックが大きい」と咎めるジャクに対しては全力で反発した。
ジィ
声 - ふくまつ進紗
地底世界の長代理でパテマの育ての親でもある。掟を重んじる真面目な老人で、時にはパテマやポルタと衝突する時もあるが、全ては地底世界に住む人々の安全を守るための行動である。
イザムラ
声 - 土師孝也
アイガ君主国を牛耳る絶対的独裁者。愛銃は黄金メッキの施されたワルサーP38。治安警察を意のままに操る絶対的且つ強大な権力を有している。徹底した管理社会を形成することで、国家運営ひいては自らの絶対的な権力の表面上の安定化を実現している。
空へ落ちていった人類を罪人とし、自分たちは正当な人類の子孫であることを主張している。そのため、アイガ君主国において空は不浄なものであり、イザムラは地底人を「かつて空へと連れ去られた罪深き人々の末裔」と忌み嫌っている。
ジャク
声 - 安元洋貴
イザムラ直轄の治安警察中央区管轄隊の隊長。イザムラとは旧来の主従関係らしくイザムラからの信頼も厚い。基本的には命令には従順ではあるが、イザムラが地底人や自身に反抗的なアイガ市民へ向ける、異常なまでの嫌悪の感情に対して疑問を抱いている節があり、希に彼の正義感から命令に背くこともある。
どうやら射撃の腕は高いようで、劇中では彼のみネットランチャーを命中させていた。

その他の人物[編集]

ラゴス
声 - 加藤将之
パテマが憧れている冒険家。本編の始まる数年前から行方不明になっている。
エイイチ
エイジの父親にして技術者。アイガ君主国では相当有名な技術者のようだが、ある時を境に評価は落ち、飛行船で空に旅立とうとした際に事故で死亡している。
カホ
声 - 内田真礼
エイジのクラスメイト。成績優秀、品行方正な女子生徒。エイジに淡い好意を寄せている。

世界観・用語解説[編集]

大災害後、人類は大混乱に陥っていた。重力が逆転してしまった者(サカサマ人)は地下で生活することを余儀なくされた。そして事の発端である実験を主導していた研究者たちは責任を感じ共に地下へ潜ることになる。生き残ったサカサマ人と、他の人類との間にも始めは交流があったが、時が経つに連れて次第に失われてしまった。

大災害
昔人類が重力をエネルギーに変換することでエネルギーを得ようとする実験に失敗し、人やモノ、全てのあらゆるものが重力が逆転してしまったために起きたもの。大部分の人類は空へと落ち犠牲となった。辛うじて生き残った人類は、重力が逆転しているものは地下へ、逆転していないものは地表に留まるという二分された形で生き残ることになる。ただ、一部の研究者は責任を感じ、逆転したものと共に地下へ潜り、重力が反転した人類を見守っていた。
アイガ君主国
イザムラという男を君主とした架空の国家。GDPや人口などは不明。ただイザムラによる独裁政治が行われており、空を不浄なモノとしてみるという徹底した思想教育・洗脳教育を行う管理社会である。市民権制を導入しており、対象は子供大人全てである。普段の生活態度や犯罪率等で点数評価される。
治安警察
アイガ君主国の国家公安機関。武装はスタンガン、ネットランチャー、警棒や狙撃銃などである。隊員のほとんどは黒いコートとブーツを着用し、そして覆面代わりに防毒マスク、ヘルメットを装備している。そのような見た目から地底世界の住人から「コウモリ人間」呼ばわりされていた。

スタッフ[編集]

  • 原作・脚本・監督 - 吉浦康裕
  • 作画監督 - 又賀大介
  • キャラクター原案 - 茶山隆介
  • 美術監督 - 金子雄司
  • CG監督 - 安喰秀一
  • 色彩設計 - 井上あきこ
  • 動画検査 - 大谷久美子
  • プロデューサー - 小野幹雄
  • 制作プロデューサー - 稲垣亮祐
  • 音楽 - 大島ミチル主題歌“Patema Inverse”も彼女の作曲である。作中の世界観を端的に表現する為、歌詞エスペラントで書かれている)
  • 音響監督 - Neue Welle
  • アニメーション制作 - パープルカウスタジオジャパン
  • 制作プロダクション - アスミック・エース
  • エグセクティブプロデューサー - 豊島雅郎、安藝貴範、中田善文、廣木啓、長江努
  • 製作 - サカサマ会(アスミック・エース、グッドスマイルカンパニーキッズステーション、パープルカウスタジオジャパン、ディレクションズ)

配信版[編集]

アニメ:サカサマのパテマ Beginning of the day
原作 吉浦康裕
監督 吉浦康裕
キャラクターデザイン 茶山隆介
アニメーション制作 パープルカウスタジオジャパン
製作 サカサマ会
配信サイト GYAO!ニコニコ動画
配信期間 2012年2月25日 - 2012年8月25日
話数 全4回
テンプレート - ノート
プロジェクト アニメ
ポータル アニメ

映画本編の序章に当たるエピソードが『サカサマのパテマ Beginning of the day』として、2012年2月よりGYAO!およびニコニコ動画で配信されている[3]

配信日
  • 第1回 2012年2月25日配信
  • 第2回 2012年3月25日配信(ニコニコ動画は3月24日先行配信)
  • 第3回 2012年6月25日配信
  • 第4回 2012年8月25日配信

サカサマのパテマ another side[編集]

『サカサマのパテマ another side』は、toi8の漫画作品。『サカサマのパテマ』のアナザーストーリー。『月刊ビッグガンガン』2012年Vol.04(2012年3月24日発売)から[4]2013年Vol.09(2013年8月24日発売)まで連載された。

登場人物[編集]

ミッコ
主人公。14歳。「ホラ吹き」とよばれたじいちゃんの遺した言葉から外の世界に憧れ、よく地下を探検をしている。
じいちゃん
5年前に亡くなったミッコの祖父。ミッコに外の世界の存在を教えた。
姐ちゃん
ミッコと一緒に住んでいる幼馴染。集落の数少ない娯楽である「裸踊り」を生業としている。
バルタン
地下の書庫で一人で暮らしている少年。美形。主人公の住む村では、かつて、とある男が妖術で女10人をさらって行ったという伝説が語り継がれているが、その4世代後の子孫と思われる。

関連商品[編集]

BD / DVD[編集]

  • サカサマのパテマ Blu-ray限定版
  • サカサマのパテマ DVD限定版
  • サカサマのパテマ DVD通常版

書籍情報[編集]

サカサマのパテマ
サカサマのパテマ another side

脚注[編集]

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外部リンク[編集]