サウダーデ (久保田早紀のアルバム)

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サウダーデ
久保田早紀スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル ニューミュージック
時間
レーベル CBS・ソニー
チャート最高順位
  • 週間54位オリコン[1]
  • 登場回数5回(オリコン)
  • 売上1万枚(オリコン)
久保田早紀 アルバム 年表
天界
(1980年)
サウダーデ
(1980年)
エアメール・スペシャル
(1981年)
『サウダーデ』収録のシングル
  1. 九月の色 / 真夜中の散歩
    リリース: 1980年9月21日
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サウダーデ』は、1980年11月21日にリリースされた久保田早紀(現・久米小百合)の3枚目のアルバム

概要[編集]

A面の5曲はポルトガルリスボンで録音が行われており、デビューシングル「異邦人」と同様の「異国ロマン」テイストな楽曲となっている[2]。「異邦人」はアコースティックバージョンとなっており、既存アレンジとは全く印象が異なる[2]。「アルファマの娘」、「4月25日橋」はリスボンの名所を舞台としている[2]

B面の5曲は東京で録音が行われており、A面と違ってニューミュージック路線の楽曲である[2]

製作の経緯[編集]

「異国ロマン」とでもいうべき雰囲気が漂うデビューシングル「異邦人」、デビューアルバム『夢がたり』は大ヒットとなったが、「異国ロマン」路線を継承したセカンドシングル「25時」、セカンドアルバム『天界』は大きく売り上げを落した[2]。楽曲の完成度には1作目と遜色ないものの、「二番煎じ」に思われたためだと考えられる[2]。サードシングル「九月の色」は、異国ロマン路線からメランコリーな歌謡曲ふうになった楽曲であったが、久保田の特徴が失われたと思われたのか、これも売り上げは低迷した[2]

久保田自身の著書『ふたりの異邦人』によれば、ポルトガル録音はレコード会社からの提案であり、「エキゾチックな旅路線の “完結盤” を、ファドの故郷で制作しよう」とスタッフから発案されたものである[2]

A面とB面の方向性の違いは、久保田自身が「異国ロマン」路線にケジメを付けつつも、今後の音楽の方向性を探っていたようで、4枚目のシングル「オレンジ・エアメール・スペシャル」の明るく、生き生きとした楽曲へとつながっていく[2]

収録曲[編集]

全作曲:久保田早紀/編曲:萩田光雄(特記以外)

SIDE A[編集]

  1. 異邦人 (4分57秒)
    • 作詞:久保田早紀
  2. アルファマの娘 (2分58秒)
    • 作詞:久保田早紀
  3. トマト売りの歌 (2分43秒)
    • 作詞:久保田早紀
  4. 18の祭り (2分44秒)
  5. 4月25日橋 (4分0秒)
    • 作詞:久保田早紀・山川啓介

SIDE B[編集]

  1. サウダーデ (5分0秒)
    • 作詞:久保田早紀
  2. 九月の色 (3分52秒)
    • 作詞:久保田早紀
  3. 憧憬 (4分5秒)
    • 作詞:久保田早紀・山川啓介
  4. 真夜中の散歩 (4分27秒)
    • 作詞:山川啓介
  5. ビギニング (4分52秒)
    • 作詞:久保田早紀・山川啓介

発売履歴[編集]

発売日 レーベル 規格 規格品番 備考
1980年11月21日 CBSソニー LP 27AH 1148
1980年11月21日 CBSソニー CA 27KH 920
1990年9月15日 CBSソニー CD SRCL-2094 CD選書シリーズ。
2007年5月9日 GT Music CD MHCL 1065 2007年リマスター版、紙ジャケット仕様。
2013年4月10日 GT Music Blu-spec CD2 MHCL 30144 名盤復刻シリーズ、2013年リマスター版。
2020年1月31日 Sony Music Shop Blu-spec CD2 DQCL-772[注釈 1] 2019年リマスター版、紙ジャケット仕様。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 久保田早紀デビュー40周年アニヴァーサリーBOX「SAKI KUBOTA PREMIUM」のDisc3に収録。

出典[編集]

  1. ^ 「オリコンチャートブック〈LP編(昭和45年‐平成1年)〉」ORICON BOOKS、1990年5月1日、128ページ。
  2. ^ a b c d e f g h i 松林建 (2023年6月7日). “久保田早紀は「異邦人」だけじゃない!異国路線にケジメを付けたアルバム「サウダーデ」”. Re:minder. 2024年3月20日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]