サウスポー (ピンク・レディーの曲)
「サウスポー」 | ||||
---|---|---|---|---|
ピンク・レディー の シングル | ||||
B面 | アクセサリー | |||
リリース | ||||
ジャンル | アイドル歌謡曲 | |||
レーベル | ビクター音楽産業 | |||
作詞・作曲 |
作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一 | |||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ピンク・レディー シングル 年表 | ||||
| ||||
「サウスポー」は、1978年3月にリリースされた日本のアイドルデュオ・ピンク・レディーの7枚目のシングルである。
解説[編集]
音曲・歌詞など[編集]
最初にレコーディングされた作品は都倉による案外地味で大人しいミディアムテンポの曲調で、阿久も別の詞をつけていた。しかし、ディレクターの飯田久彦が、レコーディングまで終えた段階になって「これまでの作品に比べ、勢いがなく、面白みがない」と判断。急遽オーダーした都倉の新しい曲を持って来て阿久に歌詞の作り直しを願い出た。プレスの関係で翌日の夜に再レコーディングという予定の中、阿久は深夜から新たな歌詞を創作して当日の午前4時前に完成、都倉による編曲も夕方に完成してレコーディングに間に合った[1][2]。阿久は最初の大人しい曲のまま世に出ていたら、ピンク・レディーの人気の失速のきっかけとなっていたかもしれないとしている[3]。なお作り直し前のものは、CD『続 人間万葉歌 阿久悠作詞集』(ビクターエンタテインメント、VICL-634041~634045)に「サウスポー(未発表バージョン)」として収録されている。
歌詞を書く上でモチーフとなった野球選手は(性別を別にすると)当時クラウンライター・ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)に所属していた永射保とされる。阿久は前年1977年のオールスターゲーム第2戦の4回表に永射が読売ジャイアンツの王貞治に対してアンダースローから大きなカーブで空振り三振に仕留めた投球に感銘を受け、この歌詞を書いたという[1]。振り付けの投球フォームがアンダースロー気味なのはそのためである。また歌詞には直接名前こそ出てこないものの、発売当時通算本塁打数世界一の記録を作り、時の人となっていた王を連想させるフレーズが随所に盛り込まれている(「背番号1の凄い奴」や「フラミンゴみたいひょいと一本足」、「スーパースターのお出まし」など)。阿久はこの曲がヒットした後、王に会った際、「僕の歌をありがとう」とお礼を言われたという。最初の歌詞には王を連想させる箇所はなかった[3]。
振り付けの一部は、月刊明星の読者から公募したものを採用している。
売上・受賞[編集]
ピンク・レディーとして初のオリコン初登場1位を獲得した。
ピンク・レディーは、この曲で第9回(1978年)「日本歌謡大賞」放送音楽賞・歌謡大賞を受賞し、第4回(1978年)「あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭」ベストアクション賞受賞。また「FNS歌謡祭」優秀歌謡音楽賞も受賞した。
シングルの累計売上は180万枚[4](公称)。
収録曲[編集]
- サウスポー
- 作詞:阿久悠 / 作曲・編曲:都倉俊一
- アクセサリー
- 作詞:阿久悠 / 作曲・編曲:都倉俊一
カバー[編集]
- サウスポー
- SPEED - 阿久悠トリビュートアルバム『VELFARRE J-POP NIGHT presents DANCE with YOU』(1997年)収録。
- W(辻希美・加護亜依によるユニット) - アルバム『デュオU&U』(2004年)収録。
- チェキッ娘 - 阿久悠トリビュートアルバム『Bad Friends』(2009年)収録でカバー。
- 白石涼子 & 三瓶由布子 - アニメ『夏のあらし!』の挿入歌。『夏のあらし! キャラクターソングアルバム 歌声喫茶方舟』(2009年)収録。
- ピンク・ベイビーズ - シングル『渚のシンドバッド』type-A(2016年)に収録[5]。
- 荒牧陽子 - アルバム『リスペクト!~私が昭和を歌ったらこんな感じ!~』(2019年)収録。
CMでの使用[編集]
ピンク・レディーが出演した神州一味噌「即席みそ汁」のCMでは、この曲をモチーフにした雰囲気は似てはいるが違う曲が作られ使用された。セット(野球場を模していた)も衣装もこの曲そのままのイメージであるのに曲だけを変えていた。
流用[編集]
当時放送されていた「NTV紅白歌のベストテン」では、白組の応援合戦でこの曲を演歌調にアレンジした「演歌サウスポー」が堺正章らによって歌われたことがある。
シングル発売から40年以上経過した現在でも、山本リンダの「狙いうち」(同曲も同じく作詞・阿久悠、作曲・編曲・都倉俊一)などと共に、日本の高校野球の応援歌として定番である。また応援するチームや選手により、様々な脚色が施されている。
2014年からは中日ドラゴンズの私設応援団「中日ドラゴンズ応援団」がチャンステーマとして使用していた。ところが2019年7月、このチャンステーマに含まれる「お前が打たなきゃ誰が打つ」の歌詞の部分に、中日の監督である与田剛から「選手を“お前”と呼ぶのはいかがなものか」という指摘があったことを受けて、球団側が歌詞の一部変更を求めた結果、当面の間当楽曲の使用を自粛することを発表した[6][7]。
脚注[編集]
- ^ a b 東京新聞 2015年9月29日夕刊「戦前・戦中・戦後70年 歌で読むニッポン」(佐藤利明 連載)
- ^ CD『続 人間万葉歌 阿久悠作詞集』ブックレット
- ^ a b 阿久悠 『愛すべき名歌たち -私的歌謡曲史-』(岩波書店 1999年7月19日) ISBN 978-4004306252
- ^ 塩澤実信『昭和の流行歌物語 佐藤千夜子から笠置シズ子、美空ひばりへ』展望社、2011年、316頁。ISBN 978-4-88546-231-3。
- ^ “ピンク・レディーを歌い継ぐピンク・ベイビーズ、1stシングルはあの名曲”. 音楽ナタリー. (2016年8月31日) 2016年9月1日閲覧。
- ^ イッコウ (2019年7月1日). “中日ドラゴンズ応援団、「サウスポー」自粛へ 球団側「選手を“お前”と呼ぶべきではないとの意見があった」”. ねとらぼ (アイティメディア) 2019年7月1日閲覧。
- ^ “【中日】人気応援歌のサウスポーを自粛へ 「お前が…」のフレーズが不適切”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2019年7月1日) 2019年7月4日閲覧。
関連項目[編集]
- 里田まい with 合田家族の楽曲。「サウスポー」のオマージュソングで、同じく野球選手(阪神タイガース・藤川球児)をイメージして作られた。
- 女子プロボクシングの世界チャンピオン。入場曲に使用している。ちなみに彼女もサウスポーである。
外部リンク[編集]
|
|
|
|
|